三井住友海上あいおい生命の終身医療保険「&LIFE 新医療保険A(エース)プレミア」は、2018年4月に旧商品がリニューアルされたものです。リニューアルされたことによって他社の動向をふまえた保障内容となり、特約が豊富に用意されているのが特徴です。
この記事では「&LIFE 新医療保険Aプレミア」のメリットやデメリット、加入するならどのような保障内容にするべきかなどについて解説します。
Contents
「&LIFE 新医療保険Aプレミア」は特約が豊富なのがメリット
まず「&LIFE 新医療保険Aプレミア」の保障内容について、主契約と特約にわけて解説します。
公式サイト:&LIFE 新医療保険Aプレミア|三井住友海上あいおい生命
主契約とはその保険を契約するうえで必ずついてくる保障で、特約は契約者の意思で選んで契約したり途中解約したりすることができるものです。
保険に加入するときは1つ1つの保障内容をよく理解することが大事なので、それぞれについて詳しく解説します。
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主契約のレビュー
まずは主契約から見てみましょう。
<主契約>
- 災害入院給付金・疾病入院給付金
- 手術給付金
- 放射線治療給付金
- 集中治療給付金
災害入院給付金・疾病入院給付金
ケガや病気で入院したときに、入院日数に応じて入院給付金が受け取れる保障です。
災害と疾病で分けているのは単に保障が充実しているように見せかけているだけで、一般的な医療保険ならいずれも対象となります。1入院あたりの支払限度日数は30日、60日、120日から選べ、通算では1,095日の保障となっています。また8大疾病のときは無制限となります。
<1入院あたりの支払限度日数>
- 30日
- 60日
- 120日
<8大疾病>
- 無制限
「&LIFE 新医療保険Aプレミア」の入院給付金の特徴は、入院日数が5日以内なら一律で5日分を支払う点と「初期入院10日給付特則」を付加することで10日以内の入院については10日分を受け取れる点です。
- 入院日数が5日以内なら一律で5日分を支払う点
- 「初期入院10日給付特則」を付加することで10日以内の入院については10日分を受け取れる点
5日以内の入院を一律5日分としている理由は、入院日数が仮に1日や2日だったとしても費用は10万円近い金額になることが多く、入院日数に比例した給付金しか支払われないと金額が不足することに対応したものです。初期入院10日給付特則はこれを10日に拡大したものです。
入院給付金日額を少なくするのであれば、初期入院10日給付特則を付加したほうが良いでしょう。例えば入院給付金日額が1万円なら5日分でも5万円になりますが、入院給付金日額が5,000円なら2万5,000円とやや心もとないからです。
手術給付金
公的医療保険の対象となる手術と先進医療にあたる手術を受けたときに給付金を受け取れる保障です。「&LIFE 新医療保険Aプレミア」の特徴は入院手術と外来手術で給付金をわけている点で、これは最近のトレンドが反映されています。
- 入院手術と外来手術で給付金をわけている点
「手術Ⅰ型」と「手術Ⅱ型」の2種類があり、Ⅰ型では入院手術を受けたときに入院給付金の10倍、外来手術で5倍の金額が手術給付金として支払われます。Ⅱ型は入院手術が20倍で外来は5倍です。違いは入院手術のみなので注意してください。
- 「手術Ⅰ型」:入院手術を受けたときに入院給付金の10倍、外来手術で5倍の金額が手術給付金として支払われる
- 「手術Ⅱ型」:入院手術が20倍で外来は5倍
「手術Ⅰ型」と「手術Ⅱ型」の違いは、入院手術のみ
Ⅰ型とⅡ型を選ぶ目安は入院して手術を受けたときの給付金総額が10万円程度になるかどうかです(一般的な所得を想定)。なぜなら高額療養費制度が適用された後の自己負担額が10万円程度になることが多いからです。
たとえば盲腸で4日入院した場合は入院給付金5日分と手術給付金を受け取れますが、入院給付金日額が5,000円なら入院給付金総額は5,000円×5日分=2万5,000円なので、手術給付金をⅡ型にしておけば5,000円×20倍=10万円で合計12万5,000円となります。
これくらい受け取ればおおよその費用はまかなえるでしょう。
放射線治療給付金
公的医療保険の対象となる放射線治療や先進医療にあたる放射線治療、または温熱療法を受けたときに入院給付金日額の10倍の給付金を受け取れる保障です。先進医療にあたる放射線治療や温熱療法を保障に含めるのも最近のトレンドです。
集中治療給付金
入院給付金が支払われる入院中に約款所定の集中治療室管理を受けたときの保障です。
集中治療室管理とは「救命救急入院料、特定集中治療室管理料、小児特定集中治療室管理料、新生児特定集中治療室管理料、総合周産期特定集中治療室管理料の算定対象となる診療行為」があたります。
集中治療はいわゆるICU(集中治療室)での医療行為をいい重症患者が緊急で受けるものですが、診療報酬点数の対象となるということは健康保険が適用され高額療養費制度も使えます。そのため集中治療を受けたことについて別枠で給付金を支払う意義は薄く、これも保障を大きく見せる手法にすぎないと考えられます。
特約のレビュー
「&LIFE 新医療保険Aプレミア」は特約が豊富に用意されているのが特徴です。それぞれを付加するかどうかは何となく決めるのではなく、1つ1つを単体の保険ととらえて検討することが大事です。
<特約>
- 先進医療特約
- 3大疾病入院一時給付特約
- ガン診断給付特約
- ガン治療通院給付特約
- 抗ガン剤治療給付特約
- 女性疾病給付特約
- 女性サポート給付金付ガン診断給付特約
- 通院給付特約
- 終身介護保障特約
- 新保険料払込免除特約
- 8大疾病入院無制限給付特則
先進医療特約
厚生労働省が指定している先進医療を受けたときに給付金を支払う保障です。一般的な先進医療特約は技術料(その先進医療固有の費用)だけが給付金の対象ですが「&LIFE 新医療保険Aプレミア」では先進医療を受ける医療機関への交通費や宿泊費も保障されます。
これは、先進医療として知名度の高い重粒子線治療や陽子線治療を受けることができる医療機関が限られており、遠方に住んでいる人の利用を想定した保障と考えられます。ないよりはあったほうが良いという程度なので、他社商品と迷ったときの決め手にはなりません。
3大疾病入院一時給付特約
3大疾病(ガン、心疾患、脳血管疾患)で入院した場合に一時金を受け取れる特約です。この特約は以下の3点が評価できます。
- 保障範囲が広い
- 心疾患と脳血管疾患は入院だけが条件
- 再発に対応していること
3大疾病で一時金を支払う特約は他社でも珍しくありませんが、一般的にはガン、急性心筋梗塞、脳卒中の3つを対象としています。急性心筋梗塞は心疾患の一部で、脳卒中は脳血管疾患の一部です。特に急性心筋梗塞は心疾患のごく一部なので、保障範囲についてはかなり広くなっています。
また、心疾患と脳血管疾患で給付金を支払う条件を入院としている点も大きいです。一般的な3大疾病保障の場合は60日以上の労働の制限を受ける場合や神経学的後遺症が残る場合でないと対象にならないものもあり、要件を満たさず給付金を受け取れないケースも多くありますが、入院だけが条件なら給付金を受け取れるケースは多くなります。
さらに再発に対応しているのも珍しいです。ガンについては珍しくありませんが、心疾患や脳血管疾患で再発に対応しているのは珍しいです。
脳血管疾患も再発の可能性があるので複数回の支払いがあるのは良い保障であるといえます。
ガン診断給付特約
ガンと診断確定されると一時金を受け取れる保障です。
「&LIFE 新医療保険Aプレミア」のガン診断給付特約の特徴は、再発の場合は診断確定日または最終の入院の開始日からその日を含めて1年以上が経過し、入院を開始することで給付金を受け取れる点です。
- 再発の場合は診断確定日または最終の入院の開始日からその日を含めて1年以上が経過し、入院を開始することで給付金を受け取れる点
一時金の保障で再発に対応している商品は珍しくありませんが、1年で再度給付金を支払う商品は多くありません。数年経過して再発した場合や、治療がうまくいかず再度入院となったときは再び給付金が受け取れるので条件は良いといえるでしょう。
ガン治療通院給付特約
ガンの治療を目的として通院した場合に、通院日数分の給付金を受け取れる保障です。
金額は主契約の入院給付金と同額です。ガンは通院で治療することが増えているので、ガンの保障は通院のみでも給付金を支払う商品が一般的となっています。
ただし「通院」の定義に注意してください。この通院は検査や経過観察のみだと対象になりません。また、治療処置を伴わない薬剤・治療材料の購入・受け取りのみを目的とした通院も対象外です。
薬剤の購入で給付金を受け取るためには次に説明する抗ガン剤治療給付特約が必要です。
抗ガン剤治療給付特約
公的医療保険の対象となる抗ガン剤治療を受けたときや、先進医療等で抗ガン剤治療を受けたときに月額の給付金を受け取れる特約です。これにはホルモン療法が含まれます。
保障内容に問題はありませんが、先進医療による抗ガン剤治療を受ける可能性はかなり低いと考えられます。仮に先進医療で抗ガン剤を使用した場合、この給付金を受け取った程度では費用をカバーすることは難しいので、こうしたケースを気にするなら先進医療特約が必要でしょう。
女性疾病給付特約
約款所定の女性疾病で1日以上入院したとき、手術や放射線治療を受けたときに給付金を受け取れる特約です。
対象となる女性疾病は一般的な医療保険と比べてかなり広く、ガンは上皮内新生物も対象です。妊娠・分娩も対象になります(正常分娩は対象外)。
なお乳ガンの治療を受けたときに乳房観血切除術を行っている場合、切除も再建も給付金の支払い対象となります。金額は女性疾病入院給付金日額の30倍です。
女性疾病入院給付金日額については約款で「会社の定める取扱範囲内で、保険契約者が定めた金額」となっていますが、保険料試算のところをみると5,000円でしか試算できません。5,000円にする人が多いのではないかと考えられます。
女性サポート給付金付ガン診断給付特約
先述したガン診断給付特約に「女性サポート給付金」がついてくる特約です。
この特約をつけると「女性特定ガン」の場合に給付金が上乗せ(1回のみ)されたり、出産のときに給付金が受け取れたりします。また所定の不妊治療を受けたときに最大で12回まで給付金が受け取れますが、1回につき2.5万円~5万円程度と少額です。
この特約の保険期間は10年・15年・20年のいずれかとなっているので終身で加入することはできません。保険期間が終了した時点で生存していると満了時給付金が受け取れるのも特徴です。
通院給付特約
入院給付金が支払われる入院をし、退院した翌日からその日を含めて180日以内に通院した場合、その日数に応じた通院給付金を受け取れる特約です。金額は入院給付金と同額です。
通院は日数が少ないため受け取る金額がまとまらないので、これは必要な保障とはいえないでしょう。
終身介護保障特約
公的介護保険制度の要介護2以上に該当するか、約款所定の生活介護状態・高度障害状態になったときに介護障害年金が受け取れる特約です。
また、認知症一時金給付特則を付加すると認知症一時金を受け取れます。介護給付金は介護障害年金と介護障害一時金の2種類があり、年金は終身年金を選択できるのが良い点です。
介護にはお金がかかるので、保険会社からお金を受け取れれば介護費用の足しになることは確かです。
しかし医療保険に新規で加入するのは若い世代が多いので、介護の保障を得るのはまだ早いという人が多いかもしれません。介護の保障は医療保険の特約にするのではなく、改めて別の機会に介護保険を検討したほうが良いでしょう。
新保険料払込免除特約
被保険者(保険の対象となる人)が悪性新生物と診断確定されるか、心疾患または脳血管疾患で入院したときに以降の保険料が免除される特約です。これは形を変えた3大疾病保障ともいえますが、該当する時期によって免除される金額が異なるため治療費をまかなう性質の保障ではありません。
重い病気にかかったときくらい、保険料の支払いが免除されてすっきりしたいというなら付加すると良いでしょう。
8大疾病入院無制限給付特則
この特則をつけると約款所定の8大疾病(上皮内ガンを含むガン、心疾患、脳血管疾患、高血圧症・大動脈瘤、糖尿病、肝疾患、腎疾患、膵疾患)では入院給付金の支払日数が無制限になります。肝疾患や腎疾患は他社の場合、肝硬変や慢性腎不全とされていることが普通なので保障範囲は広くなっています。
これを付加すると長期入院になったときは役立ちますが、役立つことが想定されるのは白血病などの一部のガンと脳血管疾患のとき程度です。
脳血管疾患はリハビリ目的の入院だと給付金が支払われない可能性が高いので、一時金で受け取ったほうが良いでしょう。
おすすめプランと保険料
特約の種類が多いのであれこれ付加したくなるでしょうが、なるべく以下のようになるべくシンプルに設計するのが望ましいです。
- 保険料払込期間:終身
- 入院給付金の支払限度日数:60日
- 給付金:日額5,000円プラン
- 先進医療特約:付加する
- 3大疾病入院一時金特約:付加する(50万円)
- 初期入院10日給付特則・ 8大疾病入院無制限給付特則:付加する
この条件で保険料を試算すると以下のとおりです。
保険料 | |
25歳 | 2,762円 |
30歳 | 3,125円 |
35歳 | 3,597円 |
40歳 | 4,193円 |
入院給付金の支払限度日数は120日型のほうが望ましいです。精神疾患は入院期間が3カ月くらいになることがあるからです。
3大疾病の一時金も100万円はほしいところですが、ホームページでは試算できないので入院給付金の支払限度と合わせて上記の条件にしてあります。保険料は妥当な水準といえるでしょう。
まとめ
入院給付金の支払限度日数が8疾病について無制限になるのは他社より保障範囲が広くなっていて良くみえますが、肝疾患や腎疾患で無制限の保障が役立つほどの長期入院をする機会があるとは思えず、保障が充実しているように見せかけているようにもとれます。
全体的にきわだって他社よりも優れているという印象はありませんが、3大疾病入院一時給付特約やガン診断給付特約については他社よりも保障内容が良いといえます。
「&LIFE 新医療保険Aプレミア」は医療保険として最低限の機能は備えているので、候補の1つにはできるでしょう。ただ医療保険は商品が多彩なので、あわてず他社商品とよく比較したうえで選ぶことをおすすめします。
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