自動車保険の保険料

自動車保険の家族限定はお得?どこまで適用される?

自動車保険の保険料は運転者を限定」にすることが割引に繋がります。おそらく全保険会社共通でしょう。

しかし運転者を限定することで保険料を下げることはできますが、反面補償対象が限定され万が一に備えられないことが起こる可能性もあります。

本ページでは「自動車保険は家族限定にするべきなのか?」について詳しく解説します。

家族限定でどれくらい割引される?

運転者の範囲は以下4つに分類されます。

  • 本人限定
  • 本人配偶者限定
  • 家族限定
  • 限定なし

家族限定割引の場合は約1%~3%ほど保険料が割り引かれます

パーセンテージで見るとあまり割引されないように感じてしまいますね。具体的な保険料で比較してみると以下のようになります。

例)25歳 10等級 普通自動車 車両保険なし

限定区分 三井ダイレクト イーデザイン
本人限定 54,824円
(4,126円)
48,070円
(3,680円)
本人配偶者限定 55,120円
(3,830円)
48,590円
(3,160円)
家族限定 58,320円
(-630円)
51,160円
(590円)
限定なし 58,950円 51,750円

※()内に「限定なしの金額との差額」を記載しています。

家族限定の場合は年間での割引額は500円前後となりました。やはり約1%~3%程度ではあまり大きな割引額とはならないようです。

しかし車両保険をつけたり、料率クラスの高い車だと保険料が高額になります。

保険料が上がれば割引額は1~3%程度の割引でもそれなりに高額になる可能性もあります。単純計算で年間10万の保険料なら1,000円~3,000円ほどの割引になります。

割引率は保険料によって変わります。実際に見積もりをしてみて、どのくらいの金額を節約できるか確認してみましょう。

家族の範囲はどこからどこまで?

運転者範囲を家族限定にした場合、どこまでが「家族」として認められるのかきちんと確認しておく必要があります。血のつながっている家族でも場合によっては対象外となることがあります

家族だと思っていたが「家族限定」の範囲には入らず、補償金がおりなかったというトラブルも実際に起きています。必ず確認をするようにしましょう。

保険会社による説明では家族限定の対象となるのは

  • 被保険者本人
  • 被保険者の配偶者(内縁の妻や事実婚を含む)
  • 被保険者もしくは、その配偶者の同居の親族
  • 被保険者もしくは、その配偶者の別居未婚の子ども

この条件に当てはまる家族のことを言います。

別居の子どもは対象外にならない?

基本は同居している家族が家族限定の対象です。

しかし別居していても「未婚」であれば家族限定の対象となります。

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例えば実家から離れて大学の寮に入っている、就職の関係で県外で1人暮らしをしているといった場合でも未婚であれば対象となります。

ここでいう「未婚」は結婚歴がないことを指します。

一度結婚していて離婚した場合は未婚とはみなされず、別居していると対象外になります。離婚して独身になったからといって、家族限定の対象内には入らないので注意しましょう。

別居している父は対象となる?

「別居している父」は基本的には保険の対象とはなりません

未婚の子どもであれば別居していても補償の対象となりますが、それ以外は家族でも別居していると対象外になります。

ただし配偶者は別居していても対象となります。単身赴任などで別居している場合でも被保険者の配偶者であればOKです。

ここで注意しておきたいのは「別居」とは住民票の住所で判断するのではなく、実際に住んでいる場所で決められるという点です。

「別居しているがまだ住民票を移しておらず、書類上は同居になっている。」という場合は家族限定の対象外となってしまうので注意しましょう。

正しく告知せず後から別居となることが判明した場合は補償金がおりない可能性があります。

保険の解約をしなければならなくなる可能性もあるのできちんと正しく報告しましょう。

  • 「別居している」は保険対象外
  • 別居している未婚の子ども」は対象
  • 「別居している配偶者」は対象
  • 実際に住んでいる場所で決定。住民票の住所で判断されない。

年齢条件を付けている場合はどうなる?

運転者の範囲を限定している場合は年齢条件がどうなっているのかも確認しましょう。

家族限定に範囲を設定した場合:車を運転する家族の中で一番若い人に合わせた年齢条件を付ける必要がある

例えば50代の父が契約している自動車保険で家族限定に設定し、同居している23歳の子どもにも運転をさせるとします。記名被保険者が50代なのでそれに合わせた年齢条件を付ければ保険料は安くなります。

しかし子どもの年齢は23歳なので「21歳以上補償」の限定にしておかなければ家族限定に設定していても23歳の子どもは補償対象とはなりません。

家族限定にする場合はかならず「一番若い人」に合わせて年齢条件を設定するように注意しておきましょう。

別居の子どもは年齢条件が適応されないので要チェック

「年齢条件は運転をする一番若い人に合わせる」と上記でご説明しましたが、これに当てはまらないケースがあります。それは別居の子どもに対してです。

家族限定に設定し、別居している23歳の未婚の子どもに運転をさせる場合:年齢条件を35歳以上補償などにしていても補償対象

25歳以下の同居の子どもに運転をさせるために「家族限定・21歳以上補償」で設定しておくべきですが、子どもが別居するタイミングで年齢条件を記名被保険者に合わせたものにすれば保険料を節約することが可能です。必ずチェックしておきましょう。

家族以外が乗る場合はどうなる?

家族限定に設定している場合、もし家族以外が乗って事故を起こしてしまったらどうなるのでしょうか。

友人や別居の既婚の子どもなどの家族限定には当てはまらない人に車を貸す時や、運転を変わってもらいたい時は「もし事故を起こしてしまったら…」ということも考えておきましょう。

原則は補償の対象外となる

家族限定の範囲外となる友人知人や別居の家族が運転して事故を起こした場合は、原則補償対象外となります。

保険が使えず補償金はおりません。そのため自費で賠償金を支払わなければならない可能性があります。

まずは「運転者の範囲」です。自動車保険は補償される運転者の範囲が狭まるほど、保険料は安くなります。運転者を本人や配偶者、家族に限定する特約を付けている場合には、友人や知人が運転中の事故は補償されません。

参考サイト:車を貸し借りするときの注意点|コミュニケーションサイト:ソニー損保

「知人に車を貸して事故を起こされたが家族限定にしており保険が使えず、どちらがどのくらい賠償金を負担するのかで揉めてしまっている。」というトラブルも実際に起きています。

他の保険や特約が適応されることもある

基本的には補償の対象外となりますが、他の保険や特約を利用することで賠償金を補うことが可能です。

まず1つは利用できるのが自賠責保険です。自賠責保険には運転者範囲の特約が無いので誰が運転していても保険を使うことができます

金額は任意保険に比べると少額ですが、任意保険が使えない場合は自賠責保険を使いましょう。

また、自動車保険の特約には「他車運転特約」「他車運転危険補償特約」という友人や知人から借りた車で事故を起こしてしまった場合に保険金が受け取れる特約があります。

<他社運転特約(他社運転危険補償特約)とは?>

この保険は友人知人などから「臨時的」に借りた車で事故を起こして賠償責任が生じた場合に適応されます。

借りた車を契約している車両と同じとみなします。事故を起こした友人知人が掛けている保険より優先して保険金が支払われます。

友人や知人の等級を下げることなく、費用も事故を起こした自分が保険を使うことで負担します。他社運転特約を利用すればトラブルを防ぐことが可能です。

他社運転特約は以下の条件に当てはまる場合に適応されます。ほとんどの保険で自動的にセットされる特約となっています。

  • 契約している車が自家用8車種である
  • 家族限定の範囲外である
  • 自由に貸し借りできる状態ではなく「臨時的に借りた」場合である

車を貸した相手は他社運転特約に加入していれば、家族限定の対象外でも相手の保険を使って賠償金を補うことができます。

家族限定に設定していて、その範囲外である人に運転を変わってもらいたい場合は他車運転特約が付いているかどうか確認しておきましょう。

また、自分が誰かの車を運転する際も他社運転特約が付いているかどうかチェックするようにしておけばトラブルを防げます。

家族以外に貸すことがないなら、家族限定に設定しておこう

基本的には友人や知人に貸すことが無く、家族限定の対象となる人しか運転しない場合は家族限定に設定しておくといいでしょう。少額ではありますが、保険料の節約が可能です。

しかし、以下の場合は家族限定ではなく、運転者範囲を限定なしにしておいた方が安心です。

  • 友人や知人など家族限定の対象外となる人に貸すことがある
  • その相手は車を持っておらず「他車運転特約」が使えず、万が一の場合は自賠責しか使えない

1%~3%程度しか保険料が変わらないので少しくらい保険料が高くなっても、万が一の時に補償が使えたほうが安心です。

運転者範囲を決める時は以下の2点をちゃんと確認してから決めるようにしましょう。

  • 車を貸したり運転を変わってもらうことがあるかどうか、
  • 運転をさせる予定の家族は家族限定の対象内となるかどうか

範囲の設定を間違うと補償金がおりないこともあります。必ず自分で確認し、疑問点は保険担当者にちゃんと聞いておきましょう。

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