「終身ガン治療保険プレミアムDX」は、2014年11月に開発されたヒット商品である「終身ガン治療保険プレミアム」を改良したものです。この商品には、他のガン保険にはあまり見られない特徴が多くあります。
この記事では、チューリッヒ生命の「終身ガン治療保険プレミアムDX」について、その特徴やメリット、加入の仕方などについて解説します。
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「ガン保険プレミアムDX」はヒット商品
チューリッヒ生命が販売している「終身ガン治療保険プレミアムDX」(以下「ガン保険プレミアムDX」と書きます)の公式サイトはこちらです。
公式サイト:チューリッヒ生命のガン保険|チューリッヒ生命
2014年11月に開発された、前身である「終身ガン治療保険プレミアム」は非常によく売れました。「ガン保険プレミアムDX」はそれを改良した商品にあたります。
「ガン保険プレミアムDX」最大の特徴は、欧米で承認されている抗がん剤のうち日本で承認されていないものが保障される点です。国内未承認の抗がん剤を保障する商品は少ないので、この商品は他のガン保険と一線を画した商品ととらえて検討することが必要でしょう。
「ガン保険プレミアムDX」の商品構成
「ガン保険プレミアムDX」の商品構成についてみていきましょう。
保険は主契約と特約から構成されています。
特約はオプションのようなもので、契約するかどうかを契約者が決めることができ、契約後の解約は単体でできます。しかし、主契約を解約すると特約もすべて解約になります。
この点をふまえ、主契約と特約にわけて解説します。
「ガン保険プレミアムDX」は、主契約が他のガン保険と違う
「ガン保険プレミアムDX」の主契約は以下で説明する4つです。
- 放射線治療給付金
- 抗がん剤・ホルモン療法給付金
- 自由診療抗がん剤・自由診療ホルモン剤治療給付金
- 保険料の払込免除(高度障害・不慮の事故による身体障害)
特徴的なのは、がん診断給付金(一時金)や入院・通院給付金が主契約に入っていないという点です。
なぜこのようになっているかと言うと、開発者は「ガン保険プレミアムDX」を、他に加入しているガン保険に追加して加入することを想定しているからのようです。
といっても特約で診断給付金や入院給付金が用意されているので、こうした特約を付加すればガン保険の機能としては十分です。
以下、主契約について順に解説します。
放射線治療給付金
放射線治療給付金は、公的医療保険制度の対象となる放射線治療を受けたときに支払われます。
「ガン保険プレミアムDX」に加入するときは「基準給付月額」という金額を10~30万円の範囲で決めますが、公的医療保険制度の対象となる放射線治療を受ける分には高額な保障はいりません。
ただし、この基準給付月額は後述する抗がん剤・ホルモン療法給付金と自由診療の給付金に影響するので、放射線治療を受けるときだけを基準にして決めてはいけません。
自由診療の保障があることに魅力を感じてこの保険に入るならむしろ、自由診療のほうを基準にして決めるべきです。
抗がん剤・ホルモン療法給付金
公的医療保険制度の対象となる抗がん剤治療やホルモン療法を受けたとき、処方・投与を受けた月ごとに支払われる給付金です。給付金の金額は基準給付月額です。
こちらも公的医療保険制度の対象となるものだけなので、基準給付金額はそれほど高くする必要はないでしょう。
月数万円の出費が長期間、続くことを想定しておけば良いと考えられます。
自由診療抗がん剤・自由診療ホルモン剤治療給付金
欧米で承認されている抗がん剤またはホルモン剤のうち、約款所定のものを受けたときに支払われる給付金です。
さらに詳しく説明すると、欧米で承認されているもののうち、WHOの解剖治療化学分類法による医薬品分類のうちL01~L04、V10に分類される薬剤です。
なお給付金の金額は基準給付月額の2倍で、通算で2000万円が限度です。
「ドラッグ・ラグ」という言葉があるとおり、日本で健康保険適応の承認を受けるのが遅いだけで、使用すれば効果の期待できる薬というのは存在しています。
健康保険が使えないので高額な費用がかかるわけですが、それを保険会社が支払ってくれるならいざというときはありがたいですし、それでこそ保険といえます。
ただ、国立がん研究センターのサイトによると、未承認薬の費用は月に数百万円になることも多くあるようで、60万円(基準給付金額の最大設定額30万円の2倍)では十分に機能しないかもしれません。
引用元:国内で薬事法上未承認・適応外である医薬品について|国立がん研究センター
また、以下の記事も参考になるでしょう。
参考:がん未承認薬を使った「混合診療」 月100万円以上の高額負担に懸念の声|保健指導リソースガイド
通算で2000万円というのはそれなりの金額ですが、毎月の保険でまかなえない金額(60万円を超える部分)を負担しきれず、治療を中止するということになってしまうかもしれません。
保険料の払込免除(高度障害・不慮の事故による身体障害)
約款所定の高度障害状態または不慮の事故を原因とする身体障害状態になると、以降の保険料が免除されます。
身体障害は高度障害よりもやや基準がゆるいですが、内容を見る限りは決してゆるい基準ではありません。高度障害とたいして変わらないと考えておきましょう。
特約を付加すれば普通のガン保険と同じように設計できる
「ガン保険プレミアムDX」の主な特約は以下のとおりです。
- ガン入院特約
- ガン手術特約
- ガン診断特約
- ガン通院特約
- ガン緩和療養特約
- ガン診断後ストレス性疾病特約
- ガン先進医療特約
- 悪性新生物保険料払込免除特約
- ガン長期入院時差額ベッド保障特約
これらを付加すれば、「ガン保険プレミアムDX」の特徴である自由診療の保障を加えた普通のガン保険にすることができます。
ガン入院特約
ガンの治療を目的として入院をしたとき、その入院日数に応じて給付金を受け取れる特約です。日数は無制限です。
ガン手術特約
公的医療保険制度の対象となる手術と、造血幹細胞移植(骨髄ドナーになったときを想定したもの)をしたときに給付金が受け取れる特約です。
ガン診断特約
被保険者が初めてガンと診断確定されたときに給付金を受け取れる特約です。
50万円または100万円で設定します。初めてガンと診断されてから2年経過すると、入院を条件として再度、給付金を受け取ることができます。
2回目以降は入院しないと受け取れない点に注意してください。
ガン通院特約
ガンの治療を目的として入院した場合、その入院前後の通院(入院前は60日、退院後は365日)について給付金を受け取れる特約です。
入院が条件となっているので、通院のみで治療をする場合は受け取れないという点に注意してください。
ガン緩和療養特約
ガンの疼痛緩和を目的として、公的医療保険制度の対象となる所定の疼痛緩和薬が処方・投与される入院または通院をすると給付金を受け取れる特約です。
通算では12カ月が限度で、2カ月分をまとめて処方してもらった場合でも1カ月分のみの支給となる点に注意してください。
ガン診断後ストレス性疾病特約
ガンと診断されたあと5年以内に統合失調症、気分障害(うつ病など)、摂食障害、胃潰瘍など約款所定のストレス性疾病にかかった場合に給付金を受け取れる特約です。
給付金は1回のみで、5万円・10万円・20万円の中から選べます。気休め程度の金額なので、保障というほどのものではないでしょう。
ガン先進医療特約
ガンの治療を目的として厚生労働大臣が指定する先進医療を受けたときに、その固有の費用(技術料といいます)を受け取れる特約です。このほか「ガン先進医療支援給付金」として15万円を受け取れます。
先進医療に過剰な期待をしてはいけませんが、健康保険が使える治療法で治せないときなどに先進医療が適合するということもあります。月額保険料は119円と安いので(30歳男性の場合)、気になるなら付加しておくと良いでしょう。
悪性新生物保険料払込免除特約
高度障害・身体障害状態で保険料の払込が免除になる以外に、この特約を付加しておけば悪性新生物と診断確定された時点で以降の保険料が免除されます。
必要な特約ではありませんが、気持ちの問題で付加する人が多いようです。
ガン長期入院時差額ベッド保障特約
ガンの治療のために8日以上入院し、差額ベッド代を負担したときに給付金(日額1万円)を支払う特約です。
保険料がかなり高いので、付加するかどうかは慎重に決めましょう。
「ガン保険プレミアムDX」の保険料例
ホームページにある保険料シミュレーターで保険料を計算してみたので、参考にしてください。
(主契約のみの保険料)
条件:30歳男性、放射線治療給付金20万円、抗がん剤・ホルモン剤治療給付金20万円、自由診療抗がん剤・自由診療ホルモン剤治療給付金40万円
男性 | 女性 | |
25歳 | 2020円 | 1730円 |
30歳 | 2310円 | 1950円 |
35歳 | 2660円 | 2160円 |
40歳 | 3110円 | 2380円 |
(特約保険料)
ガン先進医療特約 | 119円 |
ガン診断特約(50万円) | 935円 |
ガン診断特約(100万円) | 1870円 |
ガン入院特約(1日1万円) | 950円 |
ガン手術特約(10万円) | 180円 |
ガン通院特約(1日1万円) | 270円 |
ガン緩和療養特約(月10万円) | 100円 |
ガン診断後ストレス性疾病特約(5万円) | 35円 |
ガン長期入院時差額ベッド保障特約 | 730円 |
悪性新生物保険料払込免除特約 | 140円 |
おすすめの加入例
「ガン保険プレミアムDX」でガンの備えをするなら、以下のように加入するのが1つの例としておすすめです。
- 放射線治療給付金20万円(主契約)
- 抗がん剤・ホルモン剤治療給付金20万円(主契約)
- 自由診療抗がん剤・自由診療ホルモン剤治療給付金40万円(主契約)
- ガン診断特約50万円または100万円
- ガン先進医療特約
- 悪性新生物保険料払込免除特約
30歳男性の場合、以上で契約すると月額保険料は3709円です(ガン診断特約100万円の場合)。
まとめ
チューリッヒ生命の「ガン保険プレミアムDX」は自由診療を保障するものの、やや設定可能な保険金額が低いという印象があります。
自由診療の保険金額をなるべく高めにしようとすると、放射線治療や自由診療ではない抗がん剤治療の給付金も同時に上がってしまうので、保険料にムダがあるように見えます。
「ガン保険プレミアムDX」を検討するときは、自由診療の保障は過剰に期待しないほうが良いかもしれません。
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