生命保険

ライフネット生命で保険に加入するなら知っておきたいメリット・デメリット

ネット生保の先駆け的な存在であるライフネット生命。

創業者である出口治明氏や岩瀬大輔氏が積極的に書籍やSNSを活用した広報戦略をとっていたため、インターネットを日常的に活用している人なら良いイメージをもっているのではないでしょうか。

ただし保険に加入するうえではイメージにとらわれず、その商品価値や会社の健全性を冷静に見極めないといけません。

そこでこの記事では「ライフネット生命の保険に加入することを検討している人に向け、そのメリットとデメリットについて」解説します。

ライフネット生命について知っておきたいこと

ライフネット生命は、元日本生命の社員である出口治明氏が立ち上げた会社です。

55歳で保険とは無縁の関連会社への出向を命じられたのち、東京大学で総長室アドバイザーをしているときに保険会社を立ち上げてみないかと声をかけられたのがきっかけでした。

公式サイト:ライフネット生命

出口氏はライフネット生命を立ち上げるにあたり、保険のことは全く知らない岩瀬大輔氏を口説いて経営者として迎え入れ、二人で資金集めをして創業したという経緯があります。

出口氏がライフネット生命の理念として掲げたのは「保険料を半分にして安心して赤ちゃんを産める社会を創りたい」ということでした。

日本生命の社員として大手生命保険会社の実態を知っている出口氏としては、やり方を変えれば加入者にやさしい保険が作れるという想いがあったというわけです。

ただ、世の中には理想と現実が違うことが多くあります。そのため理念には共感できても、実際に保険に加入するかどうかについては冷静に判断することが大事です。

ライフネット生命のメリット

まず、ライフネット生命で保険に加入することのメリットについてまとめます。

<メリット>

  • ムダな保険・特約がない
  • ネットですべて完結できる
  • 情報開示が徹底している

ムダな保険・特約がない

ライフネット生命の商品はシンプルです。

万が一に備えるための死亡保険、病気やケガに備えるための医療保険、がんに備えるためのがん保険、就業不能状態に備えるための就業不能保険の4種類しか用意されていません。

<ライフネット生命の商品4種類>

  • 死亡保険
  • 医療保険
  • がん保険
  • 就業不能保険

また、必要なのか不要なのかがわかりにくい特約がありません。

たとえばソニー生命には「低解約返戻金特則付成人医療特約」「特定疾病診断給付金特約」「5年ごと利差配当付介護一時金特約」など保障内容が名前だけでは判断できない特約が多数あります。

特約はそれ自体が保険商品の1つであると考えて保障内容を検討する必要があります。

聞き慣れない名前のものほど個別に約款をきちんと読むか代理店で説明を受けて検討する必要がありますので、安易な契約はおすすめできないです。

ライフネット生命ではこうした特約は不要と判断して用意していないのでしょう。

ネットですべて完結できるようになっている

ライフネット生命はネット生保としてスタートしたためネット上で保険の加入に必要となるすべての情報が手に入ります。当然、保険料のシミュレーションもできるようになっています。

普通の保険会社の場合はネットで得られる情報に限りがありますので、ネットの情報だけで判断するのはリスクがあります。

なお、現在はライフネット生命も他の保険会社と同じように保険ショップで相談して加入することができます。

ほけんの窓口で取り扱われていますので、他の商品と比較しながら検討したい、あるいは対面で相談したいならほけんの窓口をご利用ください。

関連記事:ほけんの窓口の評判を知りたい人へ。メリット・デメリットについて元保険屋が解説

情報開示が徹底している

ライフネット生命は情報開示の姿勢が徹底しています。

上場している保険会社なら金融商品取引法などの規定に基づいた開示はもちろんなされていますが、プロ向けの難しい表現にとどまっていることが多いです。しかしライフネット生命の場合は一般の人でもわかりやすく書かれています。

また、決算資料だけでなく保険料の内訳も書かれています。

保険料は保険金の支払いにあてられる「純保険料」と経費に相当する「付加保険料」の2つから構成されますが、ライフネット生命ではその内訳が開示されています。保険会社はこれを開示するのを嫌がるところが多いので、経営の透明性が感じられます。

ライフネット生命は他の保険会社と違って以下2つの情報開示をしている

  • 純保険料
  • 付加保険料(経費)

ライフネット生命のデメリット

ライフネット生命の保険に加入を検討しているなら、以下の点に注意してください。

  • 保険代理店やファイナンシャルプランナー100人がランク付けした商品として入ってない
  • 収入保障保険がない
  • 貯蓄型の保険がなく、すべて掛け捨て
  • 保険の良し悪しを判断する力が必要
  • ネット=保険料が安いとは限らない
  • リビング・ニーズ特約がついていない

ランキングに商品が入っていない

ライフネット生命の商品は、定期的に発売される保険雑誌のランキング上位にランクインしている商品がほとんどありません。

一例を挙げると「最新保険ランキング2018上半期」(角川書店)という雑誌では、「かぞくへの保険」(死亡保険)、「新じぶんへの保険」「新じぶんへの保険 レディース」(医療保険)、「ダブルエール」(がん保険)はいずれもベスト10にも入っていません。

「働く人への保険」(就業不能保険)は5位ですが、もともと就業不能保険は商品が少ないのでそれほど高評価とは言えないです。

この雑誌のランキングは保険代理店やファイナンシャルプランナー100人がランク付けしたものなので、ある程度の信頼性があります。

ただライフネット生命の商品を扱っている代理店は少ないので、多少のかたよりはあるかもしれません。

収入保障保険がない

ライフネット生命の商品構成で一番疑問に思うのが、収入保障保険がないという点です。

死亡保険は定期保険よりも収入保障保険を選ぶのが一般的です。

収入保障保険は加入してから年数が経つと保障額が自動的に小さくなり、それが保険料に反映されているのでオトクだからです。

定期保険でも「減額」(契約金額を契約者の意思で減らすこと)をすれば保険料は安くなりますが、その判断をするのは一般の人では難しいうえに面倒なので、収入保障保険を選ぶ人が多いのです。

シンプルな商品構成がウリのライフネット生命でも、収入保障保険を用意してほしいところです。

貯蓄型の保険がない

ライフネット生命には貯蓄型の保険がなく、すべて掛け捨ての保険です。

保険の本来の機能は掛け捨てですべて果たすことができますので問題ありませんが、学資保険に興味のある人ならなぜないのか疑問に思うかもしれません。

貯蓄型の保険は中途解約すると契約者が大きく損をすることがありますし、商品が複雑になりがちなので、ライフネット生命の理念と合わないということなのでしょう。

そのため、貯蓄型の保険に加入したければ他の保険会社を利用する必要があります。

保険の良し悪しを判断できる力が必要

ライフネット生命の商品はネットで契約ができてしまうので、自分で加入する商品の良し悪しを判断する力が必要です。

しかしネットの得意な人ほど自己判断で加入したくなるでしょうが、ネットから加入するのはおすすめしません。

保険について言及している一般の人のブログ記事はたくさんありますが、多くの記事に誤解が見られます。正しい判断をするために必要な保険の知識を得るにはかなりの勉強が必要なので、自信があっても代理店で相談するのがおすすめです。

ライフネット生命はネットだけですべての情報が手に入ってしまうのでこの落とし穴に陥りがちですが、過信しないようにすべきでしょう。

ネット=保険料が安いとは限らない

インターネットで手続きが完了するなら間に入る人の人件費が減るので保険料が安いのではないかと思うかもしれませんが、そうとは限りません。

先述したとおりライフネット生命も今は代理店がありますし、代理店がなかった頃もネット広告はかなり積極的に行っていました。

一例として定期保険の保険料を比較してみましょう。ライフネット生命の「かぞくへの保険」、オリックス生命の「ブリッジ」(ネット専用保険)、メットライフ生命の「スーパー割引定期保険」の3つを比較します。

30歳の男性で保険金額は2,000万円とし、保険期間を10年、20年、30年と変えて試算した保険料は以下のとおりです(メットライフ生命は非喫煙優良体、試算は2018年8月5日現在、各社のウェブサイトから。単位:円)。

ライフネット生命
「かぞくへの保険」
オリックス生命
「ブリッジ」
メットライフ生命
「スーパー割引定期保険」
10年 1,419 2,109 2,280
20年 2,588 2,773 2,700
30年 3,812 3,539 3,560

10年、20年ならライフネット生命が一番安いですが、30年ではオリックス生命やメットライフ生命のほうが安いです。

メットライフ生命の場合、保険の対象となる人の健康状態によって保険料が変わります。この例はもっとも健康状態が良い人の例ですが、大事なことは比較して決めるべきということです。

ネット=安いと決めつけずに商品を比較しましょう。

リビングニーズ特約がついていない

ライフネット生命の死亡保険「かぞくへの保険」には、リビングニーズ特約がついていません。

リビングニーズ特約とは、保険の対象となっている人が余命半年以内と診断されたとき、保険金の一部(上限3,000万円)を生前に受け取ることができるという特約です。

死亡保険金は遺族の生活保障を目的としたお金ですが、生前に受け取れるならそれを治療費にあてたり、死亡する前にやりたかったことを実現できたりするメリットがあります。

他の死亡保険ならほとんどついているので、保険料を安くする狙いがあっても理解しづらいところです。

関連記事:プルデンシャル生命が日本で初めて提供した『リビング・ニーズ特約』『保険金即日支払サービス』『骨髄ドナー給付「ドナー・ニーズ・ベネフィット」』について、ご紹介します。|プルデンシャル生命

まとめ

ライフネット生命の商品が代理店でも扱われるようになったところをみると、出口氏が創業時に思い描いていたもくろみは結果としてうまくいかなかったのかもしれません。

出口氏と岩瀬氏は経営から事実上、退いていると言っても差し支えない状態ですが、今も2人の理念が引き継がれていることは間違いないでしょう。

そのためライフネット生命の理念に共感できるなら加入を検討しても良いですが、イメージだけで選ぶのはもったいないので他の保険会社の商品と比較して決めるようにしましょう

保険の加入、解約に迷っている方は無料の保険相談を活用しよう

「生命保険に加入したいけどどれがお得なのかわからない」

「保険料の負担がきついから解約しようか迷っている」

「自分にとって一番最適な保険に入りたい」

現在日本で加入できる生命保険会社は数十社にのぼり、各社それぞれたくさんのプランを提供しているため、一人で保険選びをするのは非常に難しいです。

保険のビュッフェが提供する無料保険相談サービスでは、保険の専門家(ファイナンシャルプランナー)があなたに最適な保険を紹介してくれます。

保険相談は無料で出来ますし、もちろん「お話だけ聞いて加入しない」でもOK!

ご検討ください。

無料保険相談の
詳細はこちら

※保険の見直し一つで年間数万円以上の保険料が変わってくることもあります

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください