医療保険

かんぽ生命の医療保険「その日から プラス」は加入するメリットがほとんどない

根強い人気のあるかんぽ生命ですが、医療保障については単体の保険は販売しておらず、特約で「その日から プラス」という保障を提供しています。

この記事では「その日から プラス」の保障内容や、単体ではなく特約になっていることにより生じるデメリット(注意点)などについて解説します。

結論から言ってしまうと加入するメリットがあまりなく、おすすめし難い内容となっています。

おすすめの医療保険については下記ページでまとめていますので合わせてご参考ください。

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かんぽ生命の医療保険は特約しかない

かんぽ生命では単体の医療保険を販売していません。そのためかんぽ生命で医療保障を得るなら他の保険に加入し、その特約として付加する必要があります。

「その日から プラス」を付加できる保険は以下のとおりです。

  • 養老保険
  • 定期保険
  • 学資保険
  • 長寿支援保険(個人年金保険)
  • 終身保険

公式サイト:「医療特約 その日から プラス」|かんぽ生命

また「その日から プラス」には無配当傷害医療特約と無配当総合医療特約があります。無配当傷害医療特約はケガのみが対象で、無配当総合医療特約はケガと病気の両方が対象なので注意してください。

  • 無配当傷害医療特約:ケガのみが対象
  • 無配当総合医療特約:ケガと病気の両方が対象

なお一般的な医療保険は両方が対象です。

公式パンフレットはこちらです

無配当総合医療特約の保障内容について

「その日から プラス」は「特約基準保険金額」というものをもとにして給付金が決まるのが特徴です。特約基準保険金額は100万円~1,000万円の範囲で決めることができます。

かんぽ生命の医療保障は、給付金の支払総額がこの特約基準保険金額までとなっています。以下で説明する4つの保障すべての給付金の合計なので注意してください。

  • 入院保険金
  • 入院初期保険金
  • 手術保険金
  • 放射線治療保険金

入院保険金

病気やケガで入院したときに、入院1日につき入院保険金日額(特約基準保険金額×1.5/1000)を受け取れる保障です。

たとえば特約基準保険金額が500万円なら入院保険金は1日につき7,500円となります。

1入院あたりの支払限度日数は120です。一般的な医療保険なら1入院あたりの保障日数を選ぶことができますが、この商品ではできません。

通算では日数が規定されているわけではなく、保険金の支払総額が特約基準保険金額までとして決められています。これは他の保険会社の商品にはない珍しい決め方です。

通算の支払限度日数は一般的な医療保険なら少なくとも730日、たいていは1095日まで保障されています。7,500円×730日=547万5,000円なので500万円を超えているため、かんぽ生命の場合は730日分の保障もないことになります。

実質的に影響することはあまりないですが、地味なところで保障を削っているということです。もちろんその分保険料が安ければまったく問題はありません。

入院初期保険金

入院初期保険金は入院保険金が支払われる入院をしたときに、1回の入院につき入院保険金日額の5が支払われる保障です。

1日~2日程度の入院であっても10万円程度の自己負担が生じることが多いですが、入院日数に比例した保険金のみだと金額が少なすぎることに配慮された保障です。

先述の例なら7,500円×5=3万5,000円を受け取ることになります。

なお、入院初期保険金は付加しないことができます。

  • 入院保険金を付加する特約を「Ⅰ型」
  • 付加しない特約を「Ⅱ型」

手術保険金

健康保険が適用される手術のほか、先進医療に相当する手術を受けたときに保険金が支払われる保障です。金額は入院で手術を受けたときと外来で受けたときで異なっており、入院手術の場合は入院保険金日額×20、外来手術の場合は入院保険金日額×5となります。

なお「その日から プラス」には先進医療の技術料(その医療技術固有の費用)に関する保障(いわゆる先進医療特約)はつけられませんので注意してください。

放射線治療保険金

健康保険が適用される放射線治療や先進医療に相当する放射線治療、温熱療法を受けたときに保険金が支払われる保障です。保険金の金額は入院保険金日額の10倍です。

放射線治療や温熱療法を保障することは一般的なので、特別な保障ではありません。

「その日から プラス」の保険料

かんぽ生命の医療保障は以上で説明してきたものしかないので商品性が今ひとつですが、保険料が安ければそれほど問題とはいえません。そこで保険料を試算して検証します。

総合医療特約の保険料

かんぽ生命のホームページでは、限定的ではありますが保険料を試算することができます。基準保険金額が500万円の場合、総合医療特約の保障内容は以下のとおりになります。

  • 入院保険金日額:500万円×1.5/1000=7,500円
  • 入院初期保険金:7,500円×5=3万5,000円
  • 手術保険金:入院7,500円×20=15万円、外来7,500円×5=3万7,500円
  • 放射線治療保険金:7,500円×10=7万5,000円

この保障を希望する男性が定期保険を主契約として総合医療特約を付加した場合の保険料は以下のとおりです(保険期間10年)。

加入年齢 特約あり 特約なし 差額
25歳 3,050円 1,400円 1,650円
30歳 3,250円 1,450円 1,800円
35歳 3,550円 1,600円 1,950円
40歳 4,150円 1,900円 2,250円
50歳 6,700円 3,100円 3,600円

この男性が25歳なら無配当総合医療特約をつけた場合の保険料が月額3,050円でつけない場合が月額1,400円なので、差額の1,650円が特約保険料ということになります。この保険料はあくまで25歳から10年間のみなので、35歳になれば更新で保険料が上がります。

なお定期保険は50歳までしか加入できないので、医療保障を長くほしいと考えているなら定期保険の特約として加入してしまうと続けることができませんので注意してください。

また、終身保険に付加した場合の保険料は以下のとおりです。終身保険は貯蓄型の保険なので、保険料は定期保険と比べて高くなります。

加入年齢 特約あり 特約なし 差額
25歳 46,700円 45,050円 1,650円
30歳 46,850円 45,050円 1,800円
35歳 47,050円 45,100円 1,950円
40歳 47,450円 45,200円 2,250円
50歳 49,150円 45,550円 3,600円
60歳 52,850円 46,650円 6,200円
70歳 60,750円 49,550円 11,200円
80歳 83,550円 65,150円 18,400円

差額は定期保険につけた場合と同じなので、特約保険料はどの保険に付加した場合でも変わらないことがわかるでしょう。

更新型の保険料は年齢が上がると一気に高くなる

かんぽ生命の保険で終身の医療保障をほしいと考える場合、年齢の経過につれてどんどん保険料が高くなり、一般的な終身医療保険に加入するのと比べればかなり総額が高くなります。

たとえば30歳の男性がメットライフ生命の医療保険(フレキシィS)で入院給付金1万円、手術給付金、先進医療給付金ありというプランで申し込んだ場合、月額保険料は3,047円となります。これは生涯変わりません。90歳で死亡すると仮定すると、50年間で支払う保険料は3,047円×12カ月×60年=219万3,840円です。

関連記事: 終身医療保険 フレキシィS 保険料を確認する|メットライフ生命

しかし、かんぽ生命だと80歳からの10年間だけで18,400円×12カ月×10年=220万8,000円も支払うことになります。これが更新型の怖いところなので、途中でやめるつもりがなければ更新型の保険を契約するのは慎重にならないといけません。

まとめ

医療保険は売れ筋商品であり、各社が競って保障内容を改良しています。そんな中でかんぽ生命の医療保険はほとんど優位性が見られず、また最新の商品事情についていこうという姿勢が感じられません。必要かどうかは別にして、先進医療特約すらない保険会社は珍しいです。

また特約としてしかつけられないのが決定的にマイナスで、他の保険に興味がなければ実質的に加入することができません。

さらに入院保険金の金額が基準保険金額によって決まるため、入院保険金の金額を希望の金額まで上げようとすると主契約の保障もそれに連動してしまい、ムダな保険料の支払いを余儀なくされます。

そのため医療保険に加入したいのであれば、かんぽ生命ではなく他の保険会社の商品を検討しましょう。

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