医療保険

アフラック「ちゃんと応える医療保険EVER」レビュー。メリット・デメリットも解説

アフラックの医療保険「ちゃんと応える医療保険EVER」は、医療保険の契約件数でNO1(平成29年版「インシュアランス 生命保険統計号」)のシェアを誇る人気商品です。

この記事ではEVERへの加入を検討している人に向け、その特徴やメリット・デメリットについて解説します。

「ちゃんと応える医療保険EVER」の商品構成

アフラックの医療保険「ちゃんと応える医療保険EVER」は一生涯、入院や手術などを保障する終身医療保険です。ホームページでは、その商品構成は以下のように書かれています。

公式サイト:医療保険|アフラック

  • 「ちゃんと応える医療保険 EVER」(一般向け)
  • 「ちゃんと応える医療保険 Lady’sEVER」(女性向け)
  • 「ちゃんと応える医療保険 やさしいEVER」(持病・既往症のある人向け)

しかし実際は一般向けのEVERとやさしいEVERの2つであり、Lady’sEVERは一般向けのEVERに女性を対象とした特約をつけたおすすめプランにすぎません。

やさしいEVERは「引受基準緩和型」と呼ばれる医療保険です。

保険は健康状態が悪いと加入できないことがありますが、やさしいEVERは一般向けのEVERに加入できないような人でも加入しやすくした商品です。

ただし健康状態に心配のある人でも、まずは一般向けのEVERから検討してください。

加入するときは資料請求をして通販で申し込むこともできますが、健康状態に不安がある場合は加入できるかどうかの判断が難しいので、代理店で相談して加入することをおすすめします。

一般向けEVERの保障内容と各保障の必要性

保険は主契約と特約から成り立っています。主契約はその保険を契約するときは必ずついてくるもので、特約は自由に選ぶことができます(女性向けの特約は女性しか契約できません)。

特約についてはつけるべきかどうか判断するためのポイントを解説しますので参考にしてください。

主契約の内容とその特徴

EVERの主契約は以下の3つです。

  • 入院給付金
  • 手術給付金
  • 放射線治療給付金

入院給付金や手術給付金は一般的なタイプと比べて少し違いがありますので、他社商品と比較する場合は意識しておいてください。

入院給付金

入院給付金は病気またはケガで入院したときに、入院日数に応じた給付金が受け取れる保障です。1回の入院で保障される限度日数は60日または120日から選択でき、通算では1,095日分が保障されます。

EVERでは5日未満の入院については一律5日分を支給する点がポイントです。

入院日数は短期化が進んでおり日帰り入院も珍しくありませんが、たとえば日帰り入院の医療費が5日入院したときの5分の1になるわけではありません。

そのため、5日未満の入院でも5日分を支払うというのは実情に合っていると言えます。

手術給付金

手術給付金は病気やケガで手術を受けたときに給付金が受け取れる保障です。

EVERの場合、手術の種類を以下3つにわけ、受け取れる給付金に差をつけています。

  • 「外来による手術」
  • 「入院中の手術(重大手術以外)」
  • 「重大手術」

難易度の高い手術のほうが診療報酬点数も高くなりますが、健康保険の高額療養費制度があるため治療の難易度と患者の自己負担は比例しません。そのため給付金の金額に差をつけることにはあまり意味がないと言えます。

放射線治療給付金

放射線治療はそのほとんどががんの治療に用いられます。そのためこの給付金はがんの備えとほぼイコールだと考えて良いでしょう。

特約の内容とその特徴

EVERには多くの特約があります。

他社商品と比較するときは、名前が似ていても保障内容が同じとは限りませんので注意してください。

女性疾病入院特約

女性疾病入院特約「女性特定疾病」で入院すると入院給付金と同額のお金を受け取れる保障です。つまり入院給付金が倍になると考えれば良いです。

女性特定疾病の中身は約款に書かれていますが、主に乳がん、子宮がん、卵巣機能障害、関節リウマチ、流産などが該当します。

がんは治療において一般の病気と比べるとお金のかかり方が違いますが、その他の病気は女性疾病であることを理由に給付金を増やす理由は見当たりません。がんの備えとしても不十分なので、あまりおすすめできない特約です。

通院特約

通院特約は入院給付金が支払われる入院の前後における通院に対し、日数に応じた給付金を支払う特約です。

入院せず通院のみで治療したものは対象外ですので注意してください。

EVERでは入院の後における通院だけでなく入院前60日以内の期間についても支払いの対象となりますが、こうした通院に保険で備える必要性は薄いでしょう。

総合先進医療特約

総合先進医療特約厚生労働省が指定している先進医療を受けた場合に、その技術料のうち被保険者が負担した金額を受け取れる特約です。

通算で2,000万円まで保障されます。

先進医療のうち高額な費用がかかるものはがんの治療に関連したものが多いです。そのためがん保険に加入しているなら医療保険に先進医療特約をつける必要性は薄いです。

入院一時金特約

入院一時金特約入院給付金が支払われる入院をしたときに5万円を受け取れる特約です。

EVERは入院給付金について5日未満でも5日分を受け取ることができますが、入院給付金が1日あたり5,000円の場合は少し少ない印象です。入院一時金特約をつけることでこの不足する分を補うことができます。

ただこうした保障は保険で備える必要性があまりありませんので、おすすめはしません。

女性特定手術特約

女性特定手術特約は病気やケガを原因として乳房観血切除術、子宮全摘出術、卵巣全摘出術を受けたときに20万円。乳房観血切除術を受けた乳房について再建術を受けたときに乳房再建給付金として50万円を受け取れる特約です。

この特約はがんの治療を想定しているのではないかと考えられます。がん保険に加入しないのであればこの特約をつけておくことを検討する価値はあるでしょう。特に乳房再建は負担が高額になることがあるので一度は考えてみることをおすすめします。

参考記事:乳房再建術の費用|乳房再建ナビ(アラガン・ジャパン)

三大疾病一時金特約

がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中のいずれかで所定の要件を満たした場合に給付金が受け取れる保障です。

がんについては悪性新生物(浸潤がん)と診断確定されること、急性心筋梗塞と脳卒中については治療を直接の目的として手術を受けるか継続して20日以上、入院することで給付金が受け取れます。

がんについては一般的ながん保険の支給要件と同じなので問題はありません。急性心筋梗塞と脳卒中については、手術しない場合に20日以上の入院という要件を満たすことが難しいかもしれません。

この特約をつけるなら、単に急性心筋梗塞や脳卒中にかかっただけでは給付金が受け取れない点に注意してください。

三大疾病無制限型長期入院特約

1回の入院における入院給付金の支払限度日数は60日または120日となっています。しかしこの特約をつけておくと三大疾病なら無制限、その他の病気やケガの場合は最大305日まで延長することができます。

長期の入院についての保障がほしいけれど、他社商品で保険料が高くて断念したという人なら特約保険料の金額次第では候補に挙げられる特約だと言えます。

三大疾病保険料払込免除特約

三大疾病一時金特約の支払い条件を満たした場合にその後の保険料が免除される特約です。

必要な保障であるとは言えませんが、三大疾病はいずれも大病なので、その後の保険料が免除されることで精神的な負担が軽くなる効果が期待されます。

ケガの特約

ケガの特約は以下2つです。

  • 「特定損傷給付金」
  • 「災害通院給付金」

一般的な損害保険で保険金支払いの対象となる事故が原因で特定損傷の治療を受けた場合や通院した場合に給付金が支払われます。

なお特定損傷とは「骨折」「関節脱臼」「腱の断裂」が該当します。

こうした原因で給付金を上乗せする理由は見当たりませんので、必要な特約であるとは言えないでしょう。

終身特約

終身特約終身保険と保障の中身が同じです。死亡または所定の高度障害状態になると保険金が受け取れるものです。

この特約は普通の終身保険ではなく、一定の期間における解約返戻金を低くおさえているタイプのものです(低解約返戻金型といいます)。

そのためこの保障を特約でつけていると主契約を解約しづらくなりますので、死亡保障が欲しい場合は単体の終身保険を契約したほうが良いです。

EVERのメリットとデメリット

ここではEVERを他社商品と比較したうえでのメリットとデメリットをまとめます。

EVERのメリット

EVERのメリットは次のとおりです。

<メリット>

  • 5日未満の入院でも5日分の入院給付金が支払われる
  • 1本でがんの備えもできる
  • 1入院あたりの入院給付金の限度日数を特約で伸ばせる

5日未満の入院でも5日分の入院給付金が支払われる

EVERの入院給付金は5日未満でも5日分支払われます。

先述したとおり、入院が1日なら5日のときと比べて入院費用が5分の1になるわけではないので合理的な支払い方です。

入院一時金特約をつければさらに金額は増やせます。

1本でがんの備えもできる

医療保険とがん保険を別々に加入せず医療保険1本で済ませたいのであれば、三大疾病特約をつけることである程度は可能になります。

女性は女性特定手術特約をつけることで乳房再建の費用も保障されるのは大きいです。

1入院あたりの入院給付金の限度日数を特約で伸ばせる

三大疾病無制限型長期入院特約をつけることで、1入院あたりの入院給付金の支払限度日数を伸ばすことができます。

一般的には60日か120日で足りると言われていますが、それ以上の期間についても保障してもらうことができます。

EVERのデメリット(注意点)

EVERには次のような注意点があります。

  • がんに備えるためにはやや物足りない
  • 女性特定手術特約、総合先進医療特約、三大疾病無制限型長期入院特約は10年更新

がんに備えるためにはやや物足りない

メリットのところでEVERはがんの備えもできると書きましたが、がん保険と比べればやや物足りない印象です。

三大疾病一時金特約や三大疾病無制限型長期入院特約、女性の場合は女性特定手術特約をつけることである程度はカバーできますが、特約をたくさんつけると保険料も高くなりますので、他社商品も含めてよく比べてみましょう。

「女性特定手術特約」「総合先進医療特約」「三大疾病無制限型長期入院特約」は10年更新

EVERは終身医療保険ですが、「女性特定手術特約」「総合先進医療特約」「三大疾病無制限型長期入院特約」の3つは10年更新型です。

そのため10年ごとに保険料が上がりますので注意してください(総合先進医療特約の保険料はほとんど変わらない可能性が高いです)。

やさしいEVERは加入する価値があるか

健康状態が悪く、EVERに加入できなかったとしてもやさしいEVERなら加入できる可能性があります。ただしやさしいEVERは一般EVERと比べて大きく違いがありますので、検討するうえでは以下の点に気をつけてください。

  • 契約から1年以内の給付金は半額におさえられている
  • 5日未満の入院ではEVERのように5日分の入院給付金が支払われない
  • 通院給付金の日額が3,000円
  • 契約できる特約が限られている

契約から1年以内の給付金は半額におさえられている

やさしいEVERでは契約してから1年以内に給付金の支給要件に該当した場合は、支払われる給付金が半額におさえられています。

やさしいEVERはもともと病気にかかりやすい人が対象の保険なのでこれは仕方がないと言えるでしょう。

5日未満の入院ではEVERのように5日分の入院給付金が支払われない

EVERでは5日未満の入院でも入院給付金が5日分支払われますが、やさしいEVERでは入院日数に応じた入院給付金しか支払われません。

通院給付金の日額が3,000円(入院給付金が5,000円の場合)

入院給付金を5,000円で契約した場合、EVERなら通院給付金も同額ですがやさしいEVERの場合は3,000円となります。

契約できる特約が限られている

やさしいEVERでは契約できる特約が以下5つしかありません。

  • 通院特約
  • 先進医療特約
  • 三大疾病一時金特約
  • 三大疾病保険料払込免除特約
  • 終身特約

EVERの中では検討に値する女性特定手術特約や三大疾病無制限型長期入院特約などは契約できませんので注意してください。

まとめ

EVERは特約の数が多いため、1つ1つについて本当に必要なのかどうかをよく検討して契約することが大事です。

また、やさしいEVERはEVERに比べて保障内容が大きく落ちますので、EVERで審査に落ちた場合は他社の商品で加入できるものがないか検討してください。

医療費は貯蓄でも備えられますので、やさしいEVERに無理に加入するのではなく貯蓄で対応することも検討したほうが良いでしょう。

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