医療保険

ひまわり生命の医療保険「新・健康のお守り」レビュー 加入するメリットはある?

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命(以下「ひまわり生命))が販売している「新・健康のお守り」シリーズは、2017年12月末時点の申込み件数が累計で100万件を突破した人気の医療保険です。売れているということは何らかの理由があるでしょう。

この記事では「新・健康のお守り」シリーズに加入するメリットや、加入するうえでの注意点について解説します。

ひまわり生命の医療保険の構成

ひまわり生命の公式サイトをみると、医療保険には「新・健康のお守り」「新・健康のお守り フェミーヌ」「新・健康のお守り ハート」の3つがあることがわかります(※「新・健康のお守り 経営者プラン」は経営者向けの商品なので除外して話を進めます)。

公式サイト:保険商品一覧|損保ジャパン日本興亜ひまわり生命

しかし「新・健康のお守り フェミーヌ」は「新・健康のお守り」に女性向けの特約をつけたおすすめプランにすぎません。そのため、実質的には次の2種類と考えてください。

  • 「新・健康のお守り」
  • 「新・健康のお守り ハート」

「新・健康のお守り」は一般の人向けで、「新・健康のお守り ハート」は健康状態が良くない人でも加入できるように基準が緩和された商品です。まずはこのような構成になっていることを理解しておいてください。

新・健康のお守り

「新・健康のお守り」の保障は次の3つから成り立っています。

  • 主契約
  • 特則
  • 特約

主契約はその保険の核となる部分で必ず契約する必要があります。特則は契約時において付加するかどうかを選択できるオプションで、契約したら契約期間の途中で外すことはできません。特約もオプションですが、特約は契約期間の途中で外すことができます

特則と特約という言葉をはっきり使い分けているので注意しておいてください。

ホームページやパンフレットに掲載されているプランはあくまで保険に詳しくない人向けのおすすめプランにすぎません。そのため代理店で相談すれば特約や特則を1つ1つ、担当者と相談して付加するかどうかを決めることができます。

なお、自由に決められるのは終身タイプで加入する場合のみで、定期タイプ(契約期間が決まっているタイプ)では制限があります。

「新・健康のお守り」の主契約について

まずは主契約の中身について解説します。

疾病入院給付金・災害入院給付金

病気やケガで入院したとき、その日数に応じて決められた給付金を受け取れる保障です。日帰り入院から保障されます。

1入院あたりの支払限度日数は以下の4つから選べ、保険期間の通算では1000日です。

  • 40日
  • 60日
  • 120日
  • 180日

1入院あたりの支払限度日数に40日という短いタイプがあるのが特徴です。

平均入院日数が減少傾向にあるからという理由で短いタイプの需要が増えているという事情があるのでしょうが、保険らしさを出すならある程度、ここを長くとっておくほうが良いです。

手術給付金

手術給付金は公的医療保険が適用される手術を受けたときに給付金を受け取れる保障です。金額は手術の難易度によって変わり、入院給付金日額の5~40倍まであります。

なお手術だけでなく放射線治療を受けたときや骨髄バンクでドナー登録をしていて骨髄の提供をしたときも受け取れますので、実際に受けたときは申請を忘れないようにしましょう。

死亡保険金

保険期間中に被保険者(保険の対象となる人)が死亡すると死亡保険金(入院給付金日額×契約時に定めた倍数)が受け取れます。これは医療保険としては不要な保障で、後述する死亡保険金不担保特則をつけることで実質的になくすことができます。

「新・健康のお守り」の特則について

次に、契約時点で付加することのできるオプションである特則について解説します。

契約後は解約しない限り外せませんので注意してください。

3大疾病支払日数無制限特則

この特則をつけると3大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)の治療を目的とした入院をした場合、1入院あたりの限度日数にかかわらず、日数無制限で入院給付金が受け取れます。

がんうち白血病や、脳卒中は入院期間が長くなることがあるのでそうした場合に備えることができます。

ただし無制限になるのは1入院あたりの限度日数であり、通算の日数は無制限になりませんので注意してください。

7大生活習慣病追加給付特則

この特則をつけると7大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、高血圧性疾患、腎疾患、肝疾患)で治療を目的とした入院をした場合に、1入院あたりの限度日数が延長されます。

3大疾病支払日数無制限特則と違い、急性心筋梗塞と脳卒中が心疾患と脳血管疾患になっています。これは保障範囲が広くなっているということです。

3大疾病以外の病気で長期入院するケースは少ないと考えられるので、つけるのであれば3大疾病支払日数無制限特則のほうが良いでしょう。

死亡保険金不担保特則

先述しましたが、保険の対象となる人が死亡したときに死亡保険金がおりないようにする特則です。この特則をつけると死亡保険金は受け取れませんが、保険料の払込期間が満了した後の解約返戻金(入院給付金の10倍)は受け取れます。

無事故割引特則

地味な名前ですが、他の保険会社にはない変わった特則です。

この特則をつけると5年ごとに一定の条件を満たすことで保険料が10%ずつ、最大で50%割引になるというものです。条件とは5年間の入院給付金の支払日数が通算で5日未満ということです。

ただこの特則をつけるとつけない場合と比べて保険料は高くなりますし、割引を受けたいがために入院給付金の受け取りをすべきか迷うという本末転倒な事態になりかねません。あまりおすすめできる特則ではないといえます。

「新・健康のお守り」の特約について

特約はたくさんありますが、1つ1つ検討することが大事です。似ているものや重複したものもあるので判断するのは大変です。

医療用入院一時金特約

病気やケガで入院したときに、入院給付金や手術給付金とは別に一時金(10万円)を受け取れる特約です。必要性はあまりないのでつけなくても良いでしょう。

医療用通院特約

病気やケガで入院したあと退院し、その翌日から180日以内の通院について通院給付金(入院給付金と同額)を受け取れる特約です。入院後の通院回数はそれほど多くありません。必要性が薄い特約なのでつけなくても良いでしょう。

医療用退院給付特約

病気やケガで20日以上の入院をして退院した場合に、入院給付金の5~10倍の給付金が一時金で受け取れる特約です。

日数の長い入院の場合、収入が減ったり思わぬ出費があったりすることを想定しているのかもしれませんが、必須の特約とは言えないので無理に付加する必要はないでしょう。

医療用新先進医療特約

先進医療を受けたときに、その技術料(その治療特有の費用)を受け取れる特約です。

先進医療はがんの治療に関係するものが多いので、がん保険にも加入していてそちらに付加しているなら無理に付加する必要はないでしょう。ひまわり生命でがん保険に加入していてすでに付加している場合は「新・健康のお守り」で付加することはできません。

医療用女性疾病入院特約

女性特有の病気(女性特定疾病)で入院した場合に入院給付金が上乗せされる特約です。女性特有の病気だから医療費が余計にかかるわけではないので、あまり意味のない特約です。

医療用3大疾病入院一時金特約

がん、急性心筋梗塞、脳卒中で治療を目的とした入院をすると一時金が受け取れる特約です。金額は入院給付金日額の10倍~200倍の範囲で設定できます。3大疾病支払日数無制限特則をつけず、こちらだけ付加するというやり方もあるでしょう。

脳卒中に備えるならこちらのほうが向いているかもしれませんので、100万円くらい一時金が出るように加入しておくのも良いです。

医療用がん入院特約

がんの治療で入院したときに入院給付金を上乗せして受け取れる特約です。がん保険に入っていないのであれば付加することを検討しても良いですが、がんの保障はどちらかといえばがん保険で備えるのがおすすめです。

医療用がん診断給付特約

がん保険に入っておらず、がんになった場合に備えたいのであれば付加を検討しても良い特約です。がんの備えは入通院1日あたりいくらというタイプよりも一時金で備えたほうが合理的なので、一時金だけつけておくというのも1つの方法です。

医療用がん外来治療給付特約

がんで外来治療を受けているとき、その日数に応じて給付金を受け取れる特約です。

がん保険では通院特約と呼ばれるのが一般的な保障です。がんは入院を最小限におさえ通院で治療する流れになっていますので、がんの保障で入院保障のみだと不十分です。医療用がん入院特約を付加するならこちらも付加したほうが良いでしょう。

医療用特定疾病診断保険料免除特約

特定疾病と診断確定されると以降の保険料の払込が免除となる特約です。

特定疾病とは病気の種類でいえば3大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)と同じですが、免除になる条件がもっと細かく規定されています。

単にこれらの病気と診断確定されただけではなくかなり厳しい条件を満たさないといけないので、あまり付加しても適用される機会のない特約です。

介護一時金特約

公的介護保険制度の要介護1以上と認定されるなどの条件を満たすと介護一時金(200万円)が受け取れる特約です。

介護に備えるのはもちろん間違いではありませんが、介護に備えるなら介護保険に加入するほうが良いです。

この保障は特約のため、仮に主契約を解約すると同時に解約となってしまいます。

「新・健康のお守り」の保険料例

ひまわり生命のホームページにて、入院給付金日額10,000円、保険料払込期間終身、死亡保険金不担保特則あり、医療用新先進医療特約ありという条件で試算した結果を以下にまとめておきます。

実際は特約をいろいろつけて加入することになるでしょうから保険料はもっと高くなります。入院給付金日額を減らすと保険料は大きく下がりますので、あまり高額な保険料を支払う気がない場合はよく検討してください(単位:円)。

男性 女性
25歳 2,447 2,687
30歳 2,847 2,887
35歳 3,327 3,067
40歳 3,957 3,347

「新・健康のお守り ハート」はデメリットに注目

「新・健康のお守り ハート」は、正式には「払込期間中無解約返戻金限定告知医療保険」といいます。「払込期間中無解約返戻金」の部分は本質的に重要ではないのでいったん忘れてください。

保険は基本的に健康状態が良くないと加入できないか、加入できても条件をつけられます。その理由は、保険金の支払いリスクが高いとわかっているからです。

「新・健康のお守り ハート」はそうした人だけを加入させるための保険ですから保険料は健康な人向けの保険料よりも高いですし、給付についてもあまり充実していないことが多いです。

なお「新・健康のお守り ハート」が「新・健康のお守り」と比べて違うのは以下の点です。「新・健康のお守り」と比べてかなり見劣りするという印象を受けます。

  • 契約してから1年以内は給付金が50%に削減される
  • 1入院あたりの支払限度日数は60日のみ
  • 付加できる特約はごく一部

医療費の備えは貯蓄でもできるので、基本的には加入をおすすめしません。保険料はホームページで試算できませんので、興味があるなら代理店で試算してもらって検討しましょう。

まとめ

「新・健康のお守り」は非常に多くの特約が用意されているので、どれを選んだら良いか悩むのではないでしょうか。

あえて1つだけ付加するとしたら「医療用3大疾病入院一時金特約」がおすすめです。がん保険に入っていないのであれば、がんにかかったときはこれが役立ちます。また、脳卒中のときも役立つことが期待できるからです。

特約が多いとあれもこれもつけたくなりますが、本当に必要なものを吟味しないと保険料が高くなります。医療保険は選び方が難しい保険なので、1人で考えて通信販売で申し込むのではなく代理店でプロに相談して検討することをおすすめします。

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