初めて自動車を購入する方は車選びに時間をかけ、いざ契約のときに自動車保険を選ばなければならず困ってしまった方も多いはず。
今回は「初めて自動車保険を契約する方向けに保険の選び方」を紹介いたします。
Contents
代理店型かダイレクト型か
今ではネットで保険の契約ができる時代。
ネットや電話で加入できるタイプをダイレクト型(通販型)といい、従来の対面で契約する方法を代理店型といいます。
ダイレクト型は代理店型に比べ経費が掛かっていない分、保険料を安く設定しているのが特徴。
しかし本当にダイレクト型がいいのか、迷われているのではないでしょうか。
初めて入るなら代理店型が良い?
初めて自動車保険を選ぶ場合はネットでやり取りするダイレクト型よりも代理店型をお勧めします。

理由は大きく分けて2つあります。
- 補償内容の把握ができるかどうか
- 事故対応ができるかどうか
それぞれみていきましょう。
補償内容の把握が出来るかどうか
自動車保険のプランは複雑で、初めてだとどの程度まで補償の範囲が及んでいるかわからないことも多いです。
ダイレクト型で電話相談ができるといっても、勘違いしてそうな内容について先回りして教えてくれるかわかりません。
対面だとさらに複数の自動車保険について説明を受けることで、自然と保険に詳しくなることができます。
事故対応が出来るかどうか
これは代理店を選ぶ大きなメリットですし、代理店も強調しているウリとなります。
万一の事故のとき、身近にいる代理店の人が細かくアドバイスしてくれると解決までスムーズに進みます。
価格重視ならダイレクト型でもOK
代理店型とダイレクト型のメリット、デメリットは自動車保険は代理店型とダイレクト型のどちらが良いか?でまとめていますが、基本的に代理店型の方が金額が高い分サポート面が手厚く、逆にダイレクト型は安い分サポート面で劣ります。
なので特に初めて加入する人はサポートが手厚い代理店型をおすすめしますが、代理店型とダイレクト型は保険料が大きく違います。
下の表は代理店型とダイレクト型の保険料の一例です。ほぼ同条件で算出しています。
保険会社種類 | 保険会社 | 保険料(年間) |
---|---|---|
通販(ダイレクト)型 | 三井ダイレクト | 52,190円 |
イーデザイン損保 | 67,870円 | |
代理店型 | 損保ジャパン | 93,580円 |
三井住友海上 | 112,810円 |
ここまで保険料が変わるとダイレクト型を選びたいところですよね。
初めて入るなら出来れば代理店型の方が良いですが、それでも価格重視で考えるならダイレクト型でも問題ありません。
「高いから悩む…」というくらいならダイレクト型の保険に入りましょう。入らないよりはずっと良いです。
補償額はいくらに設定すべきか
事故にあったとき、特に相手への補償については注意しておく必要があります。
相手方への補償としては、他人を死傷させたときの対人賠償保険と他人の車や物を壊したときの対物賠償保険があります。
対人賠償保険
自動車に乗る場合、強制加入である自賠責保険に入ります。自賠責保険の補償限度額は次の通りです。
- 死亡 3,000万円(被害者1名につき)
- 傷害 120万円(被害者1名につき)
- 後遺障害 75万円~4,000万円(被害者1名につき)
自賠責保険が強制保険と呼ばれているのに対し、対人賠償保険等は任意保険と呼ばれており、強制保険の限度額を超えた場合に任意保険から支払われることになります。
加入は自由ですが、万一他人を死傷させた場合は賠償金額が多額になることもありますので、無制限で加入するのをオススメします。
<人身事故 高額判決例>
認定総損害額 | 被害者性年齢 | 被害者職業 | 被害態様 | 事故年 |
---|---|---|---|---|
5億2,853万円 | 男41歳 | 眼科開業医 | 死亡 | 2009年 |
3億9,725万円 | 男21歳 | 大学生 | 後遺障害 | 2003年 |
3億9,510万円 | 男20歳 | 大学生 | 後遺障害 | 2007年 |
3億8,281万円 | 男29歳 | 会社員 | 後遺障害 | 1998年 |
3億7,886万円 | 男23歳 | 会社員 | 後遺障害 | 2002年 |
※認定総損害額は、弁護士費用を含む被害者の損害額で、過失相殺相当額や自賠責保険で支払われた金額を控除する前の金額
(出典:一般社団法人日本損害保険協会)
対物賠償保険
人身事故の場合は自賠責保険も利用できますが、物損事故の場合は自賠責保険が対応していないため、対物賠償保険で対応することになります。

壊してしまった対象物が高額でなければいいですが、そうとも限りません。大きな損害を与えてしまうと経済的負担が大きくなりますので、こちらも無制限がオススメです。
<物損事故 高額判決例>
認定総損害額 | 被害物件 | 事故年 |
---|---|---|
2億6,135万円 | 積荷(呉服・洋服・毛皮) | 1985年 |
1億3,580万円 | 店舗(パチンコ店) | 1991年 |
1億2,037万円 | 電車・線路・家屋 | 1975年 |
1億1,798万円 | トレーラー | 2007年 |
1億1,347万円 | 電車 | 1992年 |
※認定総損害額は、弁護士費用を含む被害者の損害額で、過失相殺相当額を控除する前の金額
(出典:一般社団法人日本損害保険協会)
対人賠償保険、対物賠償保険ともに無制限しか選べない商品もあることからも、無制限にしておきましょう。
車両保険は必要か?
車両保険は衝突などの事故や盗難で損害を被ったとき、保険金が支払われる保険です。
対人や対物と異なり、自分が被害にあったときに役立つ保険となります。台風や洪水による損害にも対応しています。
さて車両保険が必要かどうかですが、車への損害が大きくなるかがポイントです。
車体価格の安い中古車の場合、損害が出ても自分で修理をするか、買い替えるか選ぶことができます。
しかし一定価格以上の新車の場合、これから長く乗っていきたいという思いがあると思いますし、修理にお金がかかる可能性があります。全損の場合はとくに経済的負担が大きくなります。

つまり、車への損害額の大きさやご自身の貯蓄額から判断していくことになります。最悪買い替えになり、貯蓄額が減少しても問題なければ車両保険は不要となります。
オススメの特約
自動車保険には様々な特約があります。そのなかで、オススメの特約とその補償内容を紹介していきます。
運転者本人限定特約/運転者本人・配偶者限定特約
いずれも運転者を限定する特約です。運転する人を記名被保険者や配偶者にすると保険料を安くすることができます。

運転する人が限られている場合は検討してみてください。
対物超過修理費用補償特約
対物賠償保険金が支払われるケースで、たとえ無制限で加入していたとしても、支払われるのは時価額までとなります。
相手の修理費用が時価額を超え、差額を負担した場合に保険金が支払われます。
ロードサービス
車の故障時に現場まで駆けつけて、対応してくれるサービスのことです。
タイヤのパンク修理、ガス欠、バッテリー補充など行ってくれます。保険会社によって内容が違うので、確認が必要です。

まとめ
初めて自動車保険を契約する方はダイレクト型よりも丁寧な代理店型がおすすめです。
はじめてだと右も左もわからない状態になることも考えられるので、まずは丁寧に教えてもらえる代理店型で保険の知識を入れることは非常に大切。
しかし下記のような方はダイレクト型で加入しましょう。
- 保険の内容を熟知している
- 安い保険料の方が良い