生命保険、死亡保険は高齢になると加入するのが難しいイメージが強いです。
保険業界で生命保険は入り口が狭く出口が広いと言われ、持病があったり高齢だったりすると加入するのが難しいことが多いです。
しかし近年、高齢化に伴って高齢者向けに生命保険を提供する保険会社も増えてきました。
本ページでは「65歳以上の高齢者でも加入が出来る死亡保障のついた生命保険」をご紹介しますね。
Contents
65歳を過ぎても入れる保険はある
死亡率の高い高齢者は若い人に比べてあまり良い条件とは言えませんが、加入出来る生命保険はいくつかあります。
アフラックの終身保険は80歳まで
アフラックの終身保険は40歳から80歳の間であれば、健康状態にかかわらずどなたでも入れる保険があります。
通常、死亡保険は病歴の告知が必要であり、健康状態によっては加入を断られる可能性が高いので、健康状態に不安がある人の受け皿となる保険でもあります。
この80歳まで入れる終身保険で40歳契約・保険料6,000円の場合、保障額は200万円弱となります。
他社の終身保険で保障額200万円の場合は、40歳契約時の保険料が約3,500円前後で済むわけですから、倍近く割高な保険料です。
健康状態不問の保険では死亡リスクの高い方とも契約することになりますので、保険料を高く設定していることには注意しましょう。
89歳まで入れるエクセルエイド
エクセルエイドは聞いたことが無い方もいらっしゃるでしょうが、大手の保険会社ではなく少額短期保険業者になります。
少額短期保険業者は限られた保険しか取り扱いができません。
少額短期保険業者:保険金額や保険期間に定めがある小規模な保険業のことです。保険期間は1~2年。
1人の被保険者について引受ける保険金額の上限が決まっており、医療保険は80万円以下、死亡保険であれば300万円以下と決まっています。
少額短期保険業者は名前が知られていないだけに商品を工夫しています。
エクセルエイドでは6歳から89歳まで入れる保険を取り扱っています。1年更新の定期保険で最大保障額は300万円です。
以下の2つがあります。
- 定額保障型の「普通保険ライフ」
- 保険料一定型の「普通保険フラット」
定額保障型では保障額を300万円までの幅で決めておきますが、保険料の年齢差がかなり大きくなります。
保障額100万円で40代までであれば月額1,000円未満ですが、89歳だと男性で約2.4万円と相当な高額になります。
保険料一定型は保険料は一定ですが保障額が更新毎に減っていく逓減定期保険です。※保険料は変わらず保障額が減少する保険。
保険料月3,000円コースでは55歳時点の保障額は約230万円ですが、80歳では31.6万円程度にまで落ち込みます。
また所得税・住民税の引き下げに役に立つ生命保険料控除も、少額短期保険は対象外であることに十分注意する必要があります。
メモリード・ライフも89歳まで入れる
メモリード・ライフも少額短期保険業者であり、89歳まで加入できる(さらに更新は99歳まで)保険があります。
こちらの保険も「定額保障型」と「保険料一定型」があり、エクセルエイドと同様に1年更新、保障額上限300万円となります。また「葬儀保険」としています。
定額保障型では保障額を300万円までの幅で決めておきますが、エクセルエイドと同様80歳代での保険料は高額です(89歳の場合は保障額100万円で月約2.1万円)。
保険料一定型は保険料月3,000円では55歳時点の保障額は約230万円、80歳では36万円程度です。
本当に入る必要があるか考えよう
生命保険はどのような保険でも平均的に見れば消費者(利用者)が損をする仕組みになっています。
たとえ80歳から死亡保険に入ったとしても、平均寿命等を考慮すると、保険金を受け取るまでにはその保険金以上に保険料を支払う計算となるようになっています。
日本人の平均寿命は80歳程度ですが80歳以上の人に限定すると平均寿命は90歳を超えます。
生命保険は万が一の時の為のもの
保険は万が一のことがあって予定よりも早く保険金が下りた時には、支払った保険料よりも高く保険金を得ることが出来る仕組みになっています。
終身保険については一生涯保障ですので必ず保険金はおりますが、債券や株式による運用を考慮しますので、運用環境が悪いと保険料が高くなります。
さらに高齢の場合は死亡リスクが高いために、定期・終身関係なく保険料を高く払わされることになります。
ですから高齢だからといっても、平均的に見れば保険金で得をするということは考えられません。保険会社も保険は事業としてやっていますので、事業として成り立たない保険を売り続けることはできません。
保険会社が万が一潰れた場合は、責任準備金の90%までは契約者に補償します。しかし保障額の90%程度が戻ってくるとは限らず、元本1,000万円までとその利息が戻る預金と比べると確実に保障額が得られるとは言い難いものです。
高齢加入は保険会社から見れば本音としては有り難くないということも、知っておく必要はあります。
葬儀資金があるなら不要
本来保険は万が一のことが起こった時に、まとまった資金が必要になる場合に備えるものです。事故によって、修理代や対人・対物の賠償責任が生じた時に補償される自動車保険がその好例です。
住宅ローンや教育費を抱える現役世代と違い、高齢者は万が一のことが起きてもまとまった資金が必要になることは、現役世代ほど多くありません。
また、安いという定期保険のメリットは、若くして加入した場合のみです。
若い時に定期保険に加入しておいた場合は万が一のときもコストパフォーマンスは良く、また保障額を高く設定できます。
終身では一時払い終身保険もありますが、運用環境に大きく左右され平成28年には販売停止されている保険もあります。
相続対策としては役に立つのか
高齢者が死亡保険に加入する理由として近年高まってきたのは、相続税対策です。
本人が保険料を負担し本人の相続人が受取人であれば、死亡保険金に対して法定相続人1人当たり500万円の非課税枠を活用できます。
相続税対策としてニーズの高いものが一時払い終身保険です。月払いや年払いの形で保険料を継続的に払っていくのではなく、1回でまとめて一時払いを行います。
950万円払って1,000万円の保障額をつけ、法定相続人が2人であるとします。
950万円分を相続税対象の資産から外しつつ、さらにおりる保険金1,000万円は非課税になるのですから、相続税を減らすのに役に立ちます。
非課税枠を有効に生かせるのであれば、悪くはない策です。また遺産相続に関しては、特定の相続人に遺産が偏らないよう、各相続人(兄弟姉妹は除く)は一定割合(1/3~1/2)だけ確保できる「遺留分」というのがあります。
ところが死亡保険金は法定相続分や遺留分の対象になる相続財産ではなく、受取人固有の資産です。残したい人を受取人指定できるのは1つの特色でもあります。
同じ相続税対策とされているアパート経営が、経営がうまくいかないと本末転倒であることにくらべれば、相続対策としてはまだ役に立つとは言えます。
ちなみにアパートは土地の評価額が下がるとは言いますが、空室が続いてアパート経営を諦めると評価額を下げることはできません。
またローンでアパートを建てたとしても団体信用生命保険に加入していると、相続の際にはローンは免除されますから、本当に相続税対策になるのか疑わしいやり方です。
話は戻って死亡保険を掛けた場合、緊急資金を引き出そうと解約した場合は元本割れを覚悟することになります。
また一時払い終身保険は貯蓄性保険のため、辺戻率のよいことが商品選びの指標とされていますが、低金利では運用環境が悪い以上あまり期待してはいけないので、貯蓄としてはあまり期待しない方がいいと言えます。
老後資金の形成は若いうちから
上記の通り運用環境が良いと言えず、平成28年には一時払い終身保険を販売停止にした保険会社もあることから、遺産を用意する発想として、死亡保険の高齢加入は良いとは言えません。
保障という形で遺産を用意しようという発想であれば、若いうちから形成していくという考えが大事です。特に保険であれば、若い人であれば同じ保障額でも保険料月額は安くなります。
保険にこだわらず勤労収入や退職金、預貯金の積立、私的年金(個人年金保険や個人型確定拠出年金)と幅広く考えておく必要があります。
「生命保険に加入したいけどどれがお得なのかわからない」
「保険料の負担がきついから解約しようか迷っている」
「自分にとって一番最適な保険に入りたい」
現在日本で加入できる生命保険会社は数十社にのぼり、各社それぞれたくさんのプランを提供しているため、一人で保険選びをするのは非常に難しいです。
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※保険の見直し一つで年間数万円以上の保険料が変わってくることもあります