自動車保険の申し込み窓口は以下の2つ方法があります。
- 代理店型:販売店の担当者と対面でやりとりをする方法
- ダイレクト型(通販型):ネットや電話のやりとりで直接保険会社と契約する方法
ネットが普及する前は自動車保険は代理店を介して契約するのが主流でしたが、ネットの普及によって近年は保険料が安いダイレクト型に人気が集まっています。
しかし保険料は安ければ安い方が良いとは限らず、必ずしも保険料の安いダイレクト型がお得ということはありません。
本ページでは「代理店型・ダイレクト型のメリット、デメリット」を踏まえてどちらが良いか?を解説します。
Contents
代理店型のメリットとデメリット
まず代理店型のメリットとデメリットをまとめました。
ちなみに代理店型とは一般的に車を販売しているディーラーや車販売店、他保険の窓口のような保険販売店で販売されているものです。
体表的なものに以下の4つがあります。
- 東京海上日動
- 損保ジャパン興亜
- 三井住友海上
- あいおいニッセイ同和損保
代理店型のメリット

代理店型ならではのメリットは次の2つです。
- 対面で会話が可能
- 事故、トラブル時に適切に対応してくれる
対面で会話が可能
代理店型は担当者と対面で会話できるというメリットがあります。
損害保険の代理店は保険会社の代わりに保険の加入など各種手続きを行います。
- 保険会社:保険商品の企画、販促、保険金の支払いなどの担当
- 代理店:顧客からの問い合わせや申し込みに対する対応
代理店へ出向いて商品の説明を聞いたり、申し込みをしたりしたことのある人ならわかると思いますが、担当者と対面で会話できると安心できます。
電話だと相手の顔は見えないので、対面で会話する場合と同じようにいきません。
例えば保険証券によくわからないところがある場合、対面なら気になるところがあれば「この部分がよくわからない」と指摘しながら話すことができます。
ところが電話を通じてだと保険証券を指差しながら質問することができず、言葉だけで質問しなければなりません。代理店型なら保険の複雑で理解しにくい部分も即座に質問できるので安心です。
また対面というのは相手の顔を見えるので精神的な安心感も与えてくれます。
電話で会話するだけで会ったことのない担当者より、会ったことのある担当者の方が信用度があります。
加入する前に担当者と会って納得できるまで説明を受けて、信頼関係ができた上で契約したい人、担当者とじっくりと相談して自分に最適な保険や補償をすすめてほしい人には代理店型は向いています。
事故、トラブル時に適切に対応してくれる
代理店型は担当者と連絡が取りやすいので、事故やトラブルが発生した時に迅速かつ適切な対応をしてくれます。
実際に事故を起こした場合、代理店型であれば担当者に連絡するとすぐに事故現場まで駆けつけてくれます。
事故を起こした時の対応だけでなく、事故後の対応についてまで適切なアドバイスをしてくれます。事故後に損害保険会社に聞きにくいことも代理店が間に入って聞いてくれたり、契約者に有利になるように動いてくれたりします。
例えば大きな事故を起こした場合には賠償金など多額のお金が動くことがありますが、代理店型なら担当者が適切アドバイスをしてくれるので安心です。また、事故以外でも車に関するトラブルに担当者に気軽に聞けることもあります。
代理店型のデメリットは保険料が高いこと
代理店型では代理店が手数料をとるため保険料は比較的高くなります。
更に店舗を構えたり加入者を募集する販促を行ったりする経費がかかるため、代理店も手数料をもらわなくては経営が成り立ちません。
また代理店型を採用している損害保険会社のほとんどは大手で、社員の給料は高額なため保険料が高くなる傾向があります。
ダイレクト型のメリットとデメリット

次にダイレクト型のメリットとデメリットについて解説します。
ちなみにダイレクト型とは主にネットや電話で申し込みが出来るタイプの保険です。代表的なものは以下のとおりです。
- アクサダイレクト
- ソニー損保
- 三井ダイレクト損保
- みんなの自動車保険(セゾン)
ダイレクト型のメリット
ダイレクト型の一番のメリットは保険料が安いことです。自動車保険の保険料は以下の2つから成り立っています。
- 「純保険料」:自動車保険の保険料は契約者への保険金の支払いにあてられる
- 「付加保険料」:保険会社の運営を行っていくのに必要な経費にあてられる
ダイレクト型の保険料が安くなるのは「付加保険料」が関係しているのです。
- 代理店型はコストがかかる:店舗の経費、代理店手数料、広告費、人件費など
- ダイレクト型は保険料を安くすることができる:インターネットや電話を使って営業を行うため店舗が必要ない。経費、代理店手数料、広告費、人件費などを大幅に抑えることが可能
このコスト削減のおかげで付加保険料は安くでき、ダイレクト型の保険料は安いのです。
というのがダイレクト型保険の一般的な説明ですが、ダイレクト型だからといって運用にコストが掛かっていないわけではありません。
ダイレクト型保険は代理店型に勝るとも劣らないくらいテレビCMやネット広告に力を入れています。ダイレクト型が代理店型に比べて付加保険料が圧倒的に安いということはないと考える専門家も少なくありません。
ダイレクト型のデメリット
デメリットは次の2つです。
- 契約はすべて自分で確認、判断する必要がある
- 事故応対も自分で行う必要がある
契約はすべて自分で確認、判断する必要がある
ダイレクト型の契約はすべて自分で確認して判断しなくてはならないため、自分に最適でない商品を選んだり契約上のミスをしたりすることがあります。

保険にはたくさんの種類があるのですが、ダイレクト型ではすべて自分で判断して商品選びをしなくてはなりません。保険に関する知識が豊富であれば問題ないのですが、知識が乏しいと無駄な保険に加入したり無駄な補償を付けたりして保険料が高くなることがあります。
ダイレクト型:保険に関する知識が必要
またダイレクト型は電話やインターネットを通じて契約を行うため、よくわからない部分があっても質問できないことがあります。
対面で保険証券を見ながら質問すればミスがないことでも、ダイレクト型の場合はうっかりとミスをすることもあります。最終的な契約に関するチェックも自分で行うため、ミスをする確率が高くなるのです。
事故応対も自分で行う必要がある
ダイレクト型は事故が発生した場合の対応を自分で行わなければなりません。
代理店型であれば事故の際に担当者へ連絡すると、事故現場に来て事故対応をしてくれます。保険会社への連絡や事故の相手との示談交渉についてもアドバイスしてくれます。
ダイレクト型の場合は事故対応は自分でして保険会社へ連絡しなくてはなりません。
- 示談交渉についても保険会社と自分で連絡をとって手続きを進めていく必要がある
- 保険会社へ保険金を請求する場合の書類作成もすべて自分でする必要がある
また、ダイレクト型の場合保険会社と直接やり取りすることになるので保険の支払いが絡む問題は相手にしてくれないことがあります。
例えば相手の過失が100%の事故の場合、自分が掛けている保険の支払い(賠償金の支払い)は絡んでこないので自分が掛けている保険の保険会社には全く関係ない話になります(対人対物のみの場合)。
その際に相手が保険金を支払ってくれないとか、過失を認めてくれない等の問題が生じた時に自分で解決しなければならなくなってしまいます。
まとめ
代理店型とダイレクト型ともにそれぞれにメリット、デメリットがあります。
代理店型は保険料が高めなのですが、その分だけダイレクト型にはないメリットがあります。
事故対応を重視するのであれば代理店型は魅力的です。価格を重視するのであればダイレクト型となるのですが、しっかりとした事故対応ができるかどうかを条件に選ぶといいでしょう。