がん保険

アフラック「生きるためのがん保険(Days1/寄りそうDays)」のメリット・デメリット

アフラックは医療保険やがん保険など(第三分野といいます)で最大のシェアをもち、知名度も抜群です。そのためアフラックのがん保険を検討している人も多いのではないでしょうか。

この記事では以下について解説していきますね。

  • アフラックのがん保険「生きるためのがん保険 Days1」と「生きるためのがん保険 寄りそうDays」について
  • 他社商品と比較するうえで知っておくべき特徴や注意点、メリット・デメリットについて

「生きるためのがん保険」の商品構成と特徴

アフラックのがん保険は以下の2種類で構成されています。

  1. 「生きるためのがん保険 Days1」
  2. 「生きるためのがん保険 寄りそうDays」

公式サイト:がん保険|アフラック

アフラックのがん保険の特徴は次のとおりです。

<特徴>

  • がんにかかった経験のある人向けのプランがある
  • 女性を意識した給付金が用意されている
  • 保険金・給付金の即時払いサービスがある

がんにかかった経験のある人向けのプランがある

アフラックでがん保険を検討する場合、がんにかかった経験がなければ「Days1」、かかった経験があれば「寄りそうDays」を選ぶことになります。

  • Days1:がんにかかった経験がない
  • 寄りそうDays:がんにかかった経験がある

がんにかかった経験のある人向けの商品を用意している保険会社は少ないので、この点が1つ目の大きな特徴です。

女性を意識した給付金が用意されている

「生きるためのがん保険 Days1」には女性向けの給付金として以下の2つが用意されています。

  • 「女性特定ケア給付金」
  • 「乳房再建給付金」

乳房再建給付金はがんの治療において乳房を切除したあとで、再建する場合に給付金が支払われる特約です。再建を希望する女性は多いので、女性ならこの特約は検討する価値があります。

保険金・給付金の即時支払いサービスがある(2018年11月現在準備中)

アフラックでは2018年12月から生体認証等を利用することで、顧客から給付金の請求を受けたときに即時、支払いを完了できるようにする仕組みの導入が予定されています。

給付金をなるべく早く受け取りたいと考えている人にとってはありがたいサービスです。

参考記事:即時支払いサービスの導入について|アフラック

「生きるためのがん保険 Days1」のメリット・デメリット

「生きるためのがん保険 Days1」は他社商品と比べてさまざまな特徴があります。そのためメリットとデメリットをよく理解して検討しましょう。

保障内容について

「生きるためのがん保険 Days1」の保障内容は以下のとおりです。

スタンダードプラン ベースプラン レディースプラン
主契約
(診断給付金、入院給付金、通院給付金)
必須 必須 必須
特定診断給付金特約
手術・放射線治療特約
抗がん剤・ホルモン剤治療特約
がん先進医療特約
診断給付金複数回支払特約
特定保険料払込免除特約 選択可
女性がん特約 選択可 選択可
外見ケア特約 選択可 選択可 選択可
療養緩和特約 選択可 選択可 選択可

主契約である「診断給付金」「入院給付金」「通院給付金」はセットですので切り離せません。しかしその他は特約なので加入するかどうかは選択できます。

ホームページ上では3つのプランしかないように見えますが実際はそうではありません。上記3つのプランはあくまでおすすめプランです。そのため加入するときは代理店で契約するほうが良いです。

「生きるためのがん保険 Days1」のメリット

「生きるためのがん保険 Days1」のメリットは次のとおりです。

  • 診断給付金がある
  • 診断給付金複数回支払い特約がある
  • 乳房再建給付金がある
  • 保険料の払い方に「60歳半額タイプ」というものがある
  • 解約返戻金ありのタイプが選べる

診断給付金がある

がんの治療方針は医師と患者が話し合って決めるのが普通です。

入院給付金や通院給付金はそれぞれ入院・通院をしてからでないと受け取れませんが、診断給付金はがんと診断確定された時点で受け取ることができます。

そのため先にまとまったお金を受け取ると治療の選択肢が広がるので、診断給付金はあったほうが良いです。

診断給付金複数回支払特約がある

がんは治療が終わっても再発することが珍しくない病気です。

そのため診断給付金を複数回、受け取りたいと希望する人も多いです。

Days1ではこの診断給付金複数回支払特約をつけておけば所定の条件(診断確定から2年以上経過するなど)を満たすと再度、診断給付金を受け取ることができます。

乳房再建給付金がある

乳がんにかかった女性向けの給付金として「乳房再建給付金」があります。

乳がんでは治療にあたり乳房の切除を行うことが珍しくありませんが、切除したあとは再建を望む女性が多いです。それに対応した給付金が用意されているのはがん保険の中でも珍しいです。

保険料の払い方に「60歳半額タイプ」というものがある

Days1では保険料の支払方法に以下3種類があります。

  • 「定額タイプ」
  • 「60歳半額タイプ」
  • 「60歳払済タイプ」

定額タイプとは終身払いのことで、60歳払済タイプは60歳で保険料の払込を終了させるタイプです(契約は終身、続きます)。60歳半額タイプは60歳以降の保険料をそれまでの半額にするというものです。

労働による収入のあるうちの保険料は高め、年金生活に入ったら安めにしたいという人の利用を想定しているものと思われます。

解約返戻金ありのタイプが選べる

Days1は解約返戻金ありのタイプも選べます。

解約返戻金ありのタイプは契約を所定の期間、続けていると掛け捨てよりも有利になりますので余裕があるなら検討しても良いです。

ホームページにはこうした情報がはっきり書かれていませんので、一般の人が自己判断で加入すると思わぬ損をすることがあります。

「生きるためのがん保険 Days1」のデメリット

「生きるためのがん保険 Days1」には以下のようなデメリット(注意点)があります。

  • 上皮内新生物の診断給付金は少ない
  • 診断給付金だけで加入することはできない
  • 特定診断給付金の意図がわかりにくい
  • 10年更新の特約が多い
  • 女性がん特約は「女性特約ケア給付金」と乳房再建給付金がセット
  • 「外見ケア特約」の必要性は薄い

上皮内新生物の診断給付金は少ない

これは人によってデメリットとは限りませんが、Days1ではがん(悪性新生物)と上皮内新生物(初期のがん)の診断給付金に違いがあり、上皮内新生物の場合は悪性新生物のときの10分の1です。

上皮内新生物は初期のがんであるため適切な治療をすれば治るのが一般的なので、高額な治療費はかからないことが多いです。

そのため上皮内新生物のときは診断給付金が少なくても問題ないのですが、がん保険の中には同額のものもあります。

不安に感じるなら両者が同額のがん保険を選ぶことが必要です。

診断給付金だけで加入することはできない

Days1の主契約は以下3つです。

  • 診断給付金
  • 入院給付金
  • 通院給付金

これらはセットですのでどれも外すことはできません。がん保険は診断給付金のみで加入することを希望する人もいますが、そうした人は他の保険会社のがん保険を選ぶほうが良いでしょう。

特定診断給付金の意図がわかりにくい

Days1には、普通の診断給付金とは別に「特定診断給付金」というものが特約であります。

特定診断給付金は、
(1)初めてがんと診断確定された月の初日から2年以内に入通院の日数が合計で30日に達したとき
または
(2)2年以上が経過してから再びがんと診断確定されて入通院したとき
に支払われます。

(1)については治療が長引いたときのための保障と理解すれば良いですが、(2)は診断給付金複数回支払特約と保障が重複します。これは加入するときにつけるべきかかなり悩むでしょうが、少なくとも診断給付金複数回支払特約を契約するならつけなくて良いでしょう。

10年更新の特約が多い

Days1は終身がん保険なので基本的に更新はないのですが、一部の特約については10年更新となっています。

10年更新となっているのは以下4つです。

  • 女性がん特約
  • 外見ケア特約
  • がん先進医療特約
  • 抗がん剤
  • ホルモン剤治療特約

更新すると保険料が上がりますので注意してください。いくら上がるのかという点についてはホームページや約款には掲載されていませんので、代理店で確認するか保険会社に問い合わせるしかありません。

女性がん特約は「女性特定ケア給付金」と「乳房再建給付金」がセット

女性がん特約をつける場合、女性特定ケア給付金と乳房再建給付金はセットなので必ず両方がついてきます。

乳房再建は自由診療を使う可能性もありますが、女性特定ケア給付金の対象となる治療(乳房観血切除術、子宮全摘出術、卵巣全摘出術)は健康保険の使える治療法なので給付金を上乗せしてもらう理由は特にありません。その分、保険料が高くなるというデメリットがあります。

「外見ケア特約」の必要性は薄い

外見ケア特約で想定している費用は診断一時金でもまかなえますので、外見ケアの条件に合ったときだけ受け取れる特約はなくても良いです。

「生きるためのがん保険 寄りそうDays」に加入するうえでの注意点

がんにかかった経験のある人でも加入できるがん保険は、当事者にとってはありがたい保険に映るのではないでしょうか。

ただし、加入するうえでは気をつけておくべきポイントがいくつかあります。

  • 保険料がかなり高い
  • 告知の条件が厳しい

保険料がかなり高い

がんは再発する可能性が高い病気なので、がん経験者を対象とした保険は経験のない人が加入するがん保険と比べたら保険金支払いのリスクがかなり高いです。そのため保険料も高く設定されています。

Days1と寄りそうDaysでなるべく条件をそろえて保険料を比較すると次のようになります(30歳男性の場合)。

寄りそうDays Days1
保険料 6,346円 3,394円
診断一時金(がん) なし 50万円
入院給付金 10,000円 10,000円
通院給付金 10,000円 10,000円
手術治療給付金 20万円 20万円
放射線治療給付金 20万円 20万円
がん先進医療特約 あり あり
抗がん剤・ホルモン剤治療特約 5万円 10万円
診断給付金複数回支払い特約 なし 50万円
特定保険料払込免除特約 なし あり

これを見れば寄りそうDaysはDays1と比べて保険料が高いのに、保障が薄いことがわかるのではないでしょうか。特に診断給付金がない点が大きなマイナスポイントです。加入は慎重に検討したほうが良いでしょう。

告知の条件が厳しい

寄りそうDaysに加入するうえで必要となる告知事項はホームページに掲載されていますが、その内容はかなり厳しいです。

基本的にがんの治療を受けてから5年以上が経過している必要がありますし、5年以上が経過していても過去2年以内に経過観察で異常を指摘されたり追加検査をすすめられたりしている場合は告知で引っかかってしまいます

なお寄りそうDaysは「がん」(悪性新生物)が対象なので、上皮内新生物の経験がある場合はDays1を検討することになります。

まとめ

アフラックのがん保険は資料請求をすれば自宅で申し込むこともできます。しかし理解しづらい特約も多く、解約返戻金のあるプランも選択できません。

がん保険を選ぶうえではさまざまな知識が必要なので、1人で考えて加入を決めたり他の商品を検討せずに決めるのはおすすめしません。

そのためがん保険に加入するなら代理店を通すのが良いです。アフラックの専属代理店でも良いですが、できれば複数の商品を扱う乗合代理店で相談しましょう。

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