自動車保険は保険料の改定や新しいプランの登場が日々あり、変化し続けています。
また、自身の生活環境の変化などもあり自動車保険の見直しや乗り換えを検討している人も多いと思います。
見直しすることで大幅に保険料を安くすることも出来るかもしれません。
本ページでは「自動車保険の見直しや乗り換えのポイントについて」解説していきますね。
Contents
不要なものを外し必要なものを強化
自動車保険の見直しで最初にしなければならないポイントは以下とおりです。
現在、契約にどんな「特約が付加」されていてその「内容がどういうものか」を把握すること
このポイントを踏まえた上で必要な特約であるかどうかを判断し、不要なものを外し必要なものを強化していきます。
対人・対物は無制限必須
一般的に対物賠償の保険金額に制限がある契約となっていることが多いようですが、対物も無制限にしておくことを強くおすすめします。
人身賠償は多額の賠償責任が発生する可能性が高いので無制限にする人は多いのですが、対物賠償については無制限にする意味があるのだろうかと思われるかもしれません。
対物賠償によって補償される損害には以下の2種類があります。
- 事故がなければ発生しなかったであろう直接損害
- 本来なら得られるはずであった利益が事故により失われた間接損害
自動車が店舗に突っ込んでしまった事故を例にあげて解説しますね。
- 直接損害:店舗の外装や内装、備品、商品などを原状回復させるための費用
- 間接損害:店が営業できない期間の従業員の賃金や売上げなど
<売上が1日100万円ある店舗に突っ込んだ事故の場合>
3日間営業が出来なくなるとそれだけで300万円の損失です。さらに従業員の賃金等の補償までしなければなりません。
直接損害だけであれば大きな金額にならなくても、間接損害まで含めると多額の賠償金を支払わなくてはならないのです。
下の表は過去に実際にあった物損事故の高額判決の一例です。
損害額 | 被害物件 |
---|---|
2億6135円 (1994.7.19) |
積荷(呉服・洋服・毛皮) |
1億3580円 (1996.7.17) |
店舗(パチンコ店) |
1億2037円 (1980.7.18) |
電車・線路・家屋 |
1億1798円 (2011.12.7) |
トレーラー |
※日本の損害保険-ファクトブックより引用
無制限にしても保険料はそれほど大きく変わりませんので、万が一のことを考えて対物は無制限にしておくようしましょう。
子どもがいるなら個人賠償責任特約を検討
個人賠償責任特約を付加していると、自動車事故以外の日常生活で他人に損害を与えてしまった場合に補償されます。
契約者だけでなく、子どもが起こした事故についても補償されるので、子どもがいれば特約を付加しておくことをおすすめします。
例えば、以下のことを補償してくれます。
- 子どもが他人の家の高級な骨董品を壊してしまった場合
- 子どもが自転車を乗っている時に歩いている人にぶつかってケガをさせた場合
- 子どもが駐車場に止めてある高級車にキズをつけてしまった場合
被害者に対する損害賠償だけでなく弁護士費用も保険でカバーされますし、保険料も安いので特約を付加しておくことをおすすめします。
車が古くなったら車両保険を外す
新車をローンで購入し、事故で廃車になるとローンだけが残ります。ローンだけが残ると家計を圧迫するので万が一に備えて車両保険を掛けるメリットは大きいです。
しかしローンの支払いが終わり、古い車に乗っているならたとえ事故で廃車になったとしても車を買い替えることが出来るので高い保険料を払って万が一に備える必要はありません。
車両保険は時価ではなく「自動車保険車両標準価格表」という自動車保険業界共通の指標を基に決定されるため、「時価額の安い古い車に掛けても意味がない」というわけではありません。
車両保険は更新するごとに保険金が安くなっていきます。7年間乗っている車でも全損事故で100万円保険金が出ることもあります。
普通の自動車を7年間乗ったら売却してもせいぜい10万~30万程度の価値にしかならないので、古い車でも車両保険があった方が良いと考える人もいます。
しかし仮に車両保険を掛けていなくても同程度の車が数十万で購入出来るため、保険を使わなかった場合を考慮すると決して良い選択とは言い難いです。
保険は万が一の時に得するという理由で加入する人もいますが、保険は基本的に掛ければ掛けるほど損をするようになっています。そうじゃないと保険会社は成り立ちません。
不要な特約は付けない
不要な特約を付けないようにすることで、保険料を大幅に安くできます。不要な特約であるかどうかを判断するには特約について知らなくてはなりません。
特約についての知識がないと、ついつい不要な特約を付けてしまうことがあります。
一般的に、複数の車を所有している場合にはそれぞれの車に保険をかけますが、特約は1台に付けておけば他の車の補償もカバーできることがあります。
複数の車に特約を付けることによって二重に補償している方もいますが、保険料を無駄に支払っていることになります。
例えばファミリーバイク特約は原付バイクを運転中に発生した事故について補償するものですが、保険に加入している車両1台ごとに付加できます。
ところが1台の車両に特約を付加すれば家族の乗る原付バイクについても同様に補償されるため、家族全員の車両に特約を付加する必要はありません。
この他、ファミリーバイク特約と同じように1台の車両に付けておけば他の車にも補償が及ぶ特約として弁護士費用特約などがあります。
運転者限定、使用用途も見直しする
運転者限定の範囲を見直すことで保険料を節約できます。
例えば、同居の子どもが運転するので運転者限定を付加していたとします。子どもが結婚して別居する場合には家族限定でカバーできないため、限定の範囲を変更する必要があります。
使用用途についても同様で、目的によって保険料を節約できることがあります。
例
「通勤・通学」の使用目的→退職したため「日常・レジャー」に切り替える。
これだけで保険料をかなり安くすることができます。
複数社から見積もりを取る
自動車保険の見直しをする場合には、必ず複数社から見積もりをとるようにしましょう。
1社の見積もりを見ただけでは見えないことも、複数の保険会社の見積もりを比較することで見えてくることが多々あります。
複数の保険会社の見積もりを比較すれば以下のような特徴や違いが見えてくるはずです。
- 保険の内容
- 保険料
- 特約など
違いを知った上で、自分に最適な保険会社の見積もりを選ぶことをおすすめします。
価格重視ならダイレクト型がおすすめ
価格重視で保険料を安くしたいのなら、ダイレクト型をおすすめします。
保険会社には2つのタイプがあります。
- 代理店を通して保険会社と契約する代理店型
- 代理店を通さず保険会社と契約するダイレクト型
ダイレクト型はインターネットや電話などにより簡単に手続きができ、保険料も安いため人気があります。
ダイレクト型が安い理由は以下のものがあります。
代理店型のように代理店に支払う手数料はかかりません。店舗を持たずにインターネットや電話で営業活動を行い大幅にコスト削減できるため保険料を安くできるのです。
ネットショップが実店舗よりコストを削減して運営でき、格安で商品を販売できることと同じ理由です。
またダイレクト型はインターネットで手軽に複数の保険会社の見積もりを比較することができ、価格を徹底的に比較できます。とことん価格にこだわる人にはダイレクト型が最適です。
まとめ
自動車保険を見直しする際のポイントは多くないので、見直しをすることはそれほど難しいわけではありません。
丁寧にポイントを押さえて見直していけば、保険料が安く自分に合った保険を選択できるでしょう。
不要な物を解除して保険料を下げる場合、「万が一の時にその補償がなくても大丈夫かどうか」を目安にして考えましょう。
例えば対人、対物は最悪の場合数千万~数億円の損害賠償を請求される恐れがあります。一般的な家庭でそれを補償するのは不可能だから無制限にする。
車両保険の場合、補償額は最大でも車1台分です。
ローンだけが残って新しく車を買い替えるのはかなりきついのでローンがあるうちは車両保険に入ることをお勧めします。しかしローンの支払いが終わり、万が一事故で廃車にせざるを得なくても同等の車が買えるなら万が一に備える必要はありません。
先述した通り、保険は掛ければ掛けるほど損をする商品です。保険料を下げたければ極力スマートに加入しましょう。