自動車保険は基本的に人ではなく「車に掛ける」という考え方なので車が増えれば新しく保険を契約する必要があります。
しかしその際、条件次第では以下のような割引が適用されて保険料を安くすることが出来る可能性があります。
- セカンドカー割引
- 2台目割引
本ページでは自分や家族の車が増えて、2台目の自動車保険を検討されている方向けに「セカンドカー割引の条件」や「メリット」などについて解説します。
Contents
セカンドカー割引とは?
2台目の車を購入して新たに自動車保険を契約する場合、2台目の車を「セカンドカー」として割り引くサービスがあります。複数所有新規割引とも呼ばれます。
通常、新規契約は6等級からスタートしますが2台目は条件を満たせば7等級からのスタートになり、その分保険料が割り引かれます。
割引率は年齢条件によっても変わりますが、7等級からのスタートの場合は以下の通りになります。
年齢 | 割引率 |
---|---|
全年齢 | 11%割引 |
21歳以上 | 11%割引 |
26歳以上 | 40%割引 |
35歳以上 |
参考サイト:各種割引|損保ジャパン日本興亜
これがセカンドカー割引と呼ばれる割引制度です。
セカンドカー割引が適応される条件
セカンドカー割引を適応させるには、以下の項目に当てはまることが条件になります。
- 1台目の車が11等級以上であること。
- 1台目の所有者が個人であること。車検証の「所有者の氏名又は名称」の欄に書かれています。
- 1台目の車と2台目の車が「自家用8車種」であること
- 2台目の車が自動車保険初契約であること
- 2台目の車の所有者が個人で、1台目の契約の記名被保険者・その配偶者・同居の親族・1台目の所有者のいずれかに当てはまること。
- 2台目の被保険者が1台目と同じか配偶者、同居の親族のいずれかに当てはまること。
自動車保険の運転者限定の範囲では「別居の未婚の子供も家族」とみなされます。しかしセカンドカー割引においては別居の未婚の子供は対象になりません。

自家用8車種とは?所有者とは?
上述した条件で少しわかりにくい、聞きなれない用語を解説します。
まず「自家用8車種とは?」からですが、一般的な自家用車8種類を指します。
具体的には以下のイラストの通りです。

参考サイト:個人用自動車総合保険『ONE-Step』 自動車保険について|損保ジャパン日本興亜
一般家庭で利用している車で上記から外れることは通常ありませんよね。
次に車の所有者についてですが、車検証を見ると自分で買ったはずの車でも所有者が自分になっていないということは実はよくあります。
ローンやリースで購入した時などです。
ローンやリースで車を購入すると車はローン会社やリース会社の名義となってしまうのです。
しかしセカンドカー割引を含め、自動車保険の契約では車検証に記載されている「使用者」を「所有者」とみなすので所有者がローン会社になっていてもちゃんと適用されます。
1台目の契約は他社でもOK
意外と知られていませんが、自動車保険のシステムの根本的な部分は全保険会社共通です。
そのためセカンドカー割引は1台目が11等級以上などの上記条件を満たしていれば、他社の自動車保険を契約している場合でも適応されます。
1台目は東京日動、2台目はアクサダイレクト等とすることが可能です。
その際は2台目を契約する際に「他社の自動車保険で1台目を契約しているのでセカンドカー割引を使いたい」ということを伝える必要があります。
セカンドカー割引の条件に当てはまらない場合の割引活用
等級が低い、別居の子供に使わせたいなどセカンドカー割引の条件に当てはまらない場合は「ノンフリート多数割引」「マルチオーナーシップ割引」と呼ばれるサービスを利用する方法もあります。
ノンフリート多数割引
2台目の保険を1台目と同じ保険会社で契約し、1つの保険証券にまとめることで受けられる割引サービスです。割引率は保険会社によって少し違いますが1%~5%程度で、車の所有数によって変わります。
割引率は以下のとおりです。
- 2台以上 – 1%~2%
- 3台から5台 – 3%~5%
- 6台以上 – 5%~7%
2台目の記名保険者は1台目と同じ・配偶者・同居の親族のいずれかに当てはまる必要があります。所有者の条件はありません。
ちなみにノンフリートとは車の所有台数10台以下の人が契約する自動車保険となります。10台以上保有する人はフリート契約となり、ノンフリート契約とは全く違う契約内容となってきます。
よって必然的にノンフリート多数割引は上限が9台までとなります。
複数契約割引(マルチオーナーシップ割引)
1台目と同じ保険会社で2台目の保険を新規契約することで受けられます。その他は特に条件が設けられていません。
おおよそ5%~10%前後保険料が割り引かれるようですが、取り扱っているセカンドカー割引やノンフリート多数割引が主流なため、保険会社は少ないようです。
割引を上手く使って保険料を安くしよう
セカンドカー割引は家族間で複数台車を持つ場合にはぜひ使いたいサービスです。
しかし2台目を運転する人が未成年や20歳で年齢条件を「全年齢」や「21歳以上限定」などにしなければならない場合は、等級の進んでいない新規契約では保険料が高くなりがちです。
この場合は2台目の車を車両入替手続きを行って等級の進んでいる1台目の保険に入れます。そして条件を「全年齢」にして未成年や20代前半でも使えるようにします。
運転者の範囲は「家族限定」にすれば配偶者や同居の家族(子供など)が運転しても適応されます。1台目の車は新たに新規契約をしてここにセカンドカー割引を使います。
こうすれば普通に2台目を新規契約してセカンドカー割引を使うよりもトータルで見ると安くなる可能性があります。
この方法で安くなるケースは以下のようなものが例として挙げられます。
- 「15等級の自動車保険を持っている親が未成年の子供用に2台目を購入した場合」
- 「20等級の自動車保険を持っている夫が20代の妻用に2台目を購入した場合」
このようにして上手く活用すれば、高くなりがちな未成年者や若者の自動車保険料を抑えることもできます。
2台目の購入時に「セカンドカー割引」をどのようにして利用するかは保険会社の担当者などに具体的な見積もりを出してもらって考えてみましょう。