学資保険

学資保険の貸付とは?メリットとデメリットを解説

急にお金が必要になった時など、学資保険やその他の生命保険などに加入していれば契約者貸付制度を利用することができます。

銀行から借り入れを行ったり、消費者金融から借りることよりリスクが低く、メリットの多い「契約者貸付制度」。

その反面、特約でつけていた祝い金の額が減ってしまったり、最悪の場合保険そのものを解約しなければならなくなるデメリットもあります。

本ページでは「学資保険の契約者貸付制度について、上手に利用する方法から気をつける点」までしっかりご説明します。

「契約者貸付制度」のメリット

学資保険や生命保険など「積立型」と呼ばれる保険には「解約返戻金」の設定があります。

解約返戻金解約した時にお金が戻ってくる

借りられる限度額はその解約返戻金によって決まります

一度自分が支払い保険会社のものになったお金から引き出すため、「契約者貸付」と呼ばれます。

借りる条件としては「契約者」だけが手続きを行える(代理人が行う場合は書面が必要)ことのみで、保険証書や印鑑を用意すればすぐに進めることができます。

申し込みは簡単

契約者貸付制度」を利用する場合、ほとんどの保険会社では申込み用の書類が用意されています。

窓口に出向いて書くことが一般的ですが、電話での申し込み(本人確認が必要)や保険会社のWebサイトを利用する方法もあります。

銀行や消費者金融会社等で借りることと違い、収入証明などは不要です。すでに支払った分からの貸付になるので、貸しても大丈夫かという審査はありません。

返済方法が柔軟

「契約者貸付制度」で借りたお金は、以下のような方法など、いろいろな方法で返すことができます。

  • 「一括で返済」
  • 「分割で返済」
  • 「利息のみ返済」

100万円借りた場合、毎月10万円ずつ返済する、まとまったお金ができた時に全額返済するなど無理のない範囲で決められます。

また、どうしても返済が困難な場合には利息のみ返せば翌年に貸付の契約を更新することもできるので、保険を失効することなく返済を続けることも可能です。

繰り返し借りることができる

契約者貸付制度」は、限度額内であれば何度でも借りることができます。

もし年内に全額返済することが難しくても、利息分だけ支払っていれば契約を更新できるところがほとんどなので、無理なく返済を続けることも可能です。

 「契約者貸付制度」のデメリット

一見するととても便利な「契約者貸付制度」ですが、もちろんデメリットもあります。

見落としがちなことをまとめてみました。

<デメリット>

  • 利子が付く
  • 返済が滞ると保険が解約になることがある
  • 祝い金などから貸付金が支給される
  • 昔の学資保険は利率が高い

貸付金には利子が付く

一般的な金融会社のキャッシングの金利に比べればずっと安いですが(キャッシュングは金利10%以上となる場合が多い)貸付金には利子が付きます。

例えば100万円の貸付を受け、利率が2%の場合、一年後の返済額は102万円になります。

利子は複利で増えるので次の年には102万円の2%が課せられるので104万円、さらに次の年には104万円の2%が付加されて106万円となります。

借り入れ期間が長くなればなるほど利子が増えるので、短期で返済することが基本です。

返済が滞ると保険が解約になることもある

契約者貸付制度」は借金と同じようなものです。全額返済しないまま借りることを繰り返していると、いつか返済額が限度額を超えてしまいます。

そうなると、学資保険は「失効」または「解除」の措置がとられます。返戻金が戻ってきますが、契約の期間が短い場合は元本割れを起こす可能性が高く、損になるので返済だけはしっかり続けましょう。

すべて返済すれば復活させることができるが、そのときはかなり高額になるので、利息だけでも返済は続けるべきと心得ましょう。

祝い金などから貸付金が引かれて支給される

契約者貸付制度」を利用すると、全額返済がされなかった場合は特約でつけている祝い金から借りた額が差し引かれて支給されることになります。

また、満額時にも返済額が引かれた金額が支給されることになり、必要な額を受け取れないことになるので注意しましょう。

昔の学資保険は利率が高い

昔の景気が良かったころ、いわゆる「バブル期」(1980年代後半から1990年代初頭)の保険は高い返戻率で運用できていましたが、その分貸付金の利率も高くなっています。

年4%(アフラック)から8%(ソニー生命)という保険会社もあるので、バブル期に契約した保険の「契約者貸付制度」を利用するときは会社の利率をしっかり確認しましょう。

「契約者貸付制度」は「一時金」として使うのが最適

「いきなり失業してしまって生活費が足りない」
「売上が上がらなくて資金が回らない」
「急な出費で家計がピンチ」

上記のように生活のためにどうしてもお金を借りなければならない時もあるかもしれません。

契約者貸付制度」は、生活のためにどうしてもお金を借りなければならないときに「一時的に家計を助けてくれるもの」として役立ちます。

最低限必要な額だけを借り、しっかり返済していけば、保険の保障などに影響することはありません。

銀行や消費者金融などで借りようと思えば審査があります。審査の手間と時間を省くことができるのもメリットのひとつです。

利息がかかることを頭に入れ、借りたら短期間で返すこと。すぐに返せる額だけを借りることが、「契約者貸付制度」を上手に利用するポイントです。

「契約者貸付制度」は立派な借金

お金の出し入れが簡単にできると錯覚しがちですが、借りる額が増えればもちろんそれだけ利息もかかります。

返済する時は必ず利息分のお金が必要です。つまり長期間で借りれば借りるほど、余計なお金がかかるということです。

返済が滞れば祝い金などの特約でもらえる額も減ってしまいます。

子どもの教育資金として積み立てている学資保険なのに、制度を利用するせいでその価値が下がってしまうのは、本当に残念なことです。

便利であっても「契約者貸付制度」は借金と同じだということを忘れずに、計画的に利用しましょう。

まとめ

本来、「契約者貸付制度」は保険会社が自分の商品を守るために作ったものです。

契約者の生活費が足りずに保険を解約されてしまうことを防ぐために、一時的に貸し出すことを目的としています。

なので、「今月は不意の出費があって保険料が払えないから、貸付制度を使ってまかなおう。借りた分は来月すぐに返そう」と、保険のために利用するのが一番損のない使い方になります。

また、少額で済むなら返済もすぐできるので、返済による家計の圧迫を防ぐことにもなります。

借りるお金はあくまで「一時的」と割り切り、無駄な借金を重ねないようにしましょう。

ABOUT ME
hirota
子育て主婦ライター。主に学資保険を担当しています。
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