損害保険

海外旅行保険の必要性と契約する際の注意点

海外旅行へ行くときに旅行代理店等で契約を勧められることが多い海外旅行保険

国内旅行では保険の契約を勧められることはあまりありませんし必要性もあまり感じませんよね。ちなみに国内旅行保険という保険もちゃんとあります。

海外へ行くときには医療制度が違ったり、トラブルに巻き込まれる可能性も出てくるので旅行保険を掛けた方が良いのではないかと考える人も多いと思います。

本ページでは海外旅行保険は必要性やデメリット、注意点について解説します。

海外旅行保険とは

海外旅行保険は海外旅行傷害保険とも呼ばれ、海外旅行中の様々なトラブルに対応する保険です。

保険会社によって補償内容に違いがあります。以下はその一部です。

  1. 総合的に補償をしてくれるタイプ(盗難・病気・遅延損害など)
  2. 必要な補償を選べるタイプ

先述した通り、一般的に旅行代理店等が販売しており、旅行の申込と一緒に契約する人が多いです。

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どんなときに使えるか

海外旅行に行くために自宅を出てから再び家に帰るまでに起きた損害を補償します。

以下のことを補償してくれます。

  • 旅行期間中のケガ
  • 病気になってかかる治療費
  • 旅行に持っていった洋服やカメラなどんど携行品の損害
  • 事故にあった場合に家族が現地に駆けつけるための渡航費や現地での滞在費用
  • 現地でものを壊してしまった時の賠償費用

日本と海外の医療費事情の違いがある

日本国内においては公的医療保険(健康保険)があり、年齢によって治療にかかった費用の負担割合は以下のように変わっています。

  • 小学校入学前は2割
  • 小学校入学後から70歳未満は3割
  • 70歳以上は2割(条件あり)

しかし海外において治療を受けた場合は日本の公的医療保険は適用されないため治療にかかる費用の全額を負担する必要があります。

日本という国に毎月保険料を払っているわけなので海外で日本の健康保険が使えないのはまあ当然ですよね。

海外での医療費は日本と比較して高額で、救急車を呼ぶにも費用が掛かるなど治療費総額が100万円を超えることも珍しくありません

日本医師会ホームページ記載の資料によると例えば盲腸で入院、手術を受けた場合、日本では約1週間の入院と手術で自己負担3割で平均10万円強。これがニューヨークでは全額自己負担で250万円ほどかかってしまいます。

余談ですが欧米は日本ほど医療費が安くないので頻繁に病院に通う人は少ないです…

保険料例

海外旅行保険の保険料は補償内容と契約日数で決定します。

補償内容はケガや死亡時の補償を基準にそれぞれの保険金額が一定の割合で決まっていく保険会社が多いです。

これは海外旅行保険の基本が傷害保険であることに起因しています。保険料は下記の表を見るとわかるようにおよそ1週間の旅行期間で補償内容に応じて5,000円から7,000円程度となっています。

東京海上日動「海外旅行保険」の一例

保障内容 タイプ1 タイプ2 タイプ3
傷害死亡 3,000万円 2,000万円 1,000万円
傷害後遺障害 3,000万円 2,000万円 1,000万円
治療・救援費用 無制限 無制限 3,000万円
疾病死亡 1,000万円 1,000万円 1,000万円
賠償責任(免責金額0円) 10,000万円 10,000万円 10,000万円
携行品損害(免責金額0円) 20万円 20万円 10万円
偶然事故対応費用 5万円 5万円 5万円

下表が保険料です。保障が手厚ければ手厚いほど、保障期間が長ければ長いほど保険料は上がります。

対応期間 タイプ1 タイプ2 タイプ3
保険期間1日まで 3,050円 2,660円 1,990円
2日まで 3,800円 3,400円 2,540円
3日まで 4,450円 4,050円 3,030円
4日まで 5,040円 4,630円 3,470円
5日まで 5,750円 5,330円 4,000円
6日まで 6,480円 6,030円 4,510円
7日まで 7,100円 6,630円 4,930円

例えば3日間保障をしたい場合、4,000円程で病気や怪我の治療費が無制限、賠償責任は1億円、携行品の損害は20万円まで保障されます。

特に気を付けたいのはやはり病気や怪我ですね。こちらは最も安いタイプの保険でも3000万円の保障となっているので安心です。

海外旅行保険を契約するには

海外旅行保険の特徴の一つとして契約の窓口が多いことがあります。以下の場所での契約が可能です。

  • 保険会社
  • 代理店の窓口での契約手続き
  • 空港
  • インターネット

最近では各保険会社ともインターネットでの海外旅行保険の販売に力を入れており、インターネットを通じて契約をした場合には割引を受けられる保険会社もあります

特にあまり海外旅行に行ったことがない人は旅行申し込みと一緒に掛けている人が多いです。

契約のタイミング

海外旅行保険は「自宅を出てから再び家に帰るまでに起きた損害を補償すること」もあり、おすすめはやはり旅行前日までに契約することです。

インターネットを使った契約なら時間にあまり余裕がない人でも、旅行の準備の最終チェックの時にできるのではないでしょうか。

海外旅行保険は他の保険と違い、以下のメリットがあります。

  • 加入の手段が多くあること
  • 手軽に入ることができて補償が充実していること

クレジットカードを持っていると入らなくてもいい場合も

このように海外旅行でのトラブルに大きな力を発揮する海外旅行保険ですが、クレジットカードを持っている方なら契約をしなくてもよい場合があります。

クレジットカード会社のカード所持者へのサービスの一つとして、海外旅行保険を提供している場合があるからです。

年会費無料のクレジットカードで提供している海外旅行保険の補償内容と有料のゴールド会員などのクレジットカードで提供される補償内容はもちろん異なりますが、海外旅行をお得に安くかつ安心して楽しみたい方にはおすすめの方法の一つです。

クレジットカードの保険の注意点

ただし無条件で海外旅行保険を提供しているばかりではないので注意が必要です。

クレジットカード会社によって提供される海外旅行保険には2種類があります。

  • 自動付帯:文字通り対象となるクレジットカードを保持している方に新たな申し込みなどは必要なく補償が適用
  • 利用付帯海外旅行保険を提供するクレジットカードを使って買い物をしたり、海外旅行の目的地までの航空券を購入する利用することが条件

条件がある利用付帯は注意しなければなりません。

クレジットカード会社が定めている条件に合致しないと一切の補償をうけることができませんクレジットカードで提供される海外旅行保険を利用して海外旅行へ行こうとお考えの方は、利用条件をよく確認しておきましょう。

特に目的地までの航空券をクレジットカードで支払いをしなければ補償しないタイプの場合には旅行日程を決定する段階から海外旅行保険をどうするかを意識しておかなければせっかくのサービスを利用できないことになってしまいます。

また補償内容もクレジットカードごとに異なりますので、あらかじめ補償内容をクレジットカード会社へ問い合わせるなどして確認をしておくことが大切です。

クレジットカードに付帯している海外旅行保険は単体で加入する保険と比べて補償内容が薄いことがほとんどです。

いずれの場合にしても必ず補償内容を確認しておきましょう。

海外旅行保険の注意点(デメリット)

海外旅行保険のデメリットはやはり掛け捨てであることです。こればっかりはしかたないかも…

万一の事が起きた場合に受けられる補償の大きさは支払う保険料と比較するととても高額です。しかしその万が一は極めて少ないかもしれません。

一説によると1年間の車の事故で亡くなった方の数よりも人類が初めて飛行機で空を飛んでから今までの飛行機事故の死傷者の数はずっと少ないそうです。

せっかく保険に入っても保険料を支払うだけとなってしまうかもしれません。

高額な治療費を払うこともある

病気やケガで治療を受けた場合も注意が必要です。

保険会社への事前連絡などの条件を満たせば現地での治療費の支払いを気にせずに治療を受けられる海外旅行保険を用意している保険会社もありますが、まだまだ多くの海外旅行保険では契約者が現地での高額な支払いを一時的に行う必要があります。

トラブルにならないように事前に保険会社に万が一病気や事故があった場合どうなるか?等具体的に確認しておきましょう

補償されないケースも

ハンググライダーやスカイダイビングなど海外ならではのスポーツを楽しもうと考えている方もたくさんいらっしゃると思いますが、これらのスポーツによる怪我や病気、死亡等は残念ながら通常の海外旅行保険では原則保険金支払いの対象外です。

保険会社によっては割増保険料を支払うことによって危険度の高いスポーツでの事故を補償してくれる場合もありますので、これら危険度の高いスポーツを楽しむ予定のある方は事前に相談をしてみるとよいでしょう。

他にも保険金が支払われないケースは各保険会社によって細かく定められていますので、事前に保険会社のホームページやパンフレットなどで確認をしておくとよいと思います。

分からないことがあれば事前に電話等で確認しておきましょう。

まとめ

海外旅行は身近なものとなり、夏休みや年末年始など多くの方海外に旅行へ出かけていきます。

旅行先でのトラブルは様々なものがあり、せっかくの旅行を台無しにしないためにも海外旅行保険で転ばぬ先の杖を手に入れてもらいたいと思います。

先述の通り、クレジットカードがあれば特別に海外旅行保険を契約しなくても補償が受けられることもありますので、クレジットカードをお持ちの方は補償内容と利用条件を確認しておくとよいでしょう。

クレジットカードの補償があっても海外旅行保険を契約することができますので、補償内容が不安な場合はクレジットカードの保険に合わせて海外旅行保険を契約することも検討してみるとよいと思います。

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