今回は「掛け捨て」と「積立」のどちらの保険に加入すべきか迷っている方に向けた記事をご紹介しますね。
保険は目的によって以下のように分類されています。
これとは別に加入する人のライフスタイルに合わせた「保険の掛け方」を選択することができます。
選択できるものは以下の4つ。
- 「掛け捨て」または「積立」
- 「定期保険」または「終身保険」
例えば医療保険であれば、「掛け捨ての定期医療保険」、「掛け捨ての終身医療保険」、「積立の定期医療保険」、「積立の終身医療保険」の4つの中から選ぶことが出来ます。
※すべての保険会社がそれぞれを選択できるわけではありません。
※また、保険会社によってそれぞれの定義が異なる場合があります。
このうち本ページで解説するのは「掛け捨て」と「積立」です。
Contents
保険における掛け捨てと積立とは
保険には2つあります。
- 月々の料金を掛け捨てにするもの
- 積立として貯蓄できるもの
掛け捨ての保険は保険料が戻ってくることはありません。
積み立ての場合は、一定期間以上支払い続けることで払った保険料が返戻金があります。
この説明だけをみると積立のほうがお金が戻ってくるからお得で無駄がないと感じるでしょう。
しかし実際には支払った金額より戻ってくるお金が少なかったりと積立でも損をすることがあります。
特に20代の場合、保険に入る目的や期間などによっては掛け捨てのほうがお得になることも多いのです。
20代の保険加入者の多くは掛け捨てを選んでおり、20代に向いているのは掛け捨てと考えられています。
なぜ掛け捨てのほうがいいのか、積立で戻ってくるお金が少なくなることがあるのはなぜか、詳しい掛け捨てと積立の仕組みについて知っておきましょう。
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保険相談サービスは専門家に相談しながら今の自分に適した保険プランを選ぶことが出来ます。
掛け捨てタイプの保険ってどんな保険?
掛け捨てタイプの保険とは支払った保険料が戻ってこない仕組みになっている保険です。
保障に対する保険料だけを支払えばいいので、積立タイプに比べると保険料が安いことが特徴です。充実した保証が無駄なく受けられるという点も特徴となります。
「定期保険=掛け捨て保険」という印象がありますが、一生涯保険料が上がらない終身タイプの保険でも掛け捨てになっているものもあります。
アクサ生命の終身医療保険等がその好例です。
死亡保険で掛け捨てタイプの保険はほとんどが契約期間が決まっている定期保険ですが、医療保険やがん保険の場合は定期でも終身でも返戻金のない掛け捨てタイプのものがあります。
20代人気の掛け捨てタイプの死亡保険・医療保険・がん保険の一例を見てみましょう。
保険の種類 (保険会社) |
商品名 | 月額料金 | 保険期間 | 保障内容 |
---|---|---|---|---|
死亡保険 (SBI生命) |
今いる保険 | 1,100円 | 10年 | 死亡時500万プラス災害死時500万 |
医療保険 (メディケア生命) |
メディフィットA | 1,370円 | 終身 | 入院5,000円 手術最大5万円 |
がん保険 (アクサダイレクト) |
がん終身 | 1,020円 | 終身 | 入院1万診断100万 |
定期でも終身でも掛け捨てタイプの保険は20代だと保険料が1,000円台でも十分な保障が受けられることが多くなります。中には1,000円以下の格安の掛け捨て保険もあります。
デメリット 支払った保険料は戻らない
掛け捨てタイプの場合、保険料は払った分すべてが保険会社のものとなり戻ってくることはありません。
掛け捨てタイプの保険はもしものことがなければ掛けた保険料は捨てたことになってしまうため、もったいないと感じてしまう方が多いのも事実です。
掛け捨てでもお祝い金付きならお得?
一部の医療保険では数年間保険の利用がなかった場合、給付金が貰えるなどの特約が付いている場合があります。
アクサダイレクト終身医療保険では返戻金がなく掛け捨てとなっています。「健康祝金」と呼ばれる特約を付けると入院手術の給付を受けなかった場合、3年ごとに5万円が受け取れます。
しかし、この特約は保険料+月々1,190円が必要になります。こういった祝金があるタイプを利用すると保険料が一部戻ってくることがありますが、その特約の分保険料は高くなってしまうので注意が必要です。
この保険を例にして計算してみても、月々1,190円×3年=42,840円となり、5万円貰えたとしてもお得になるのは約8,000円。この金額のためにお祝い金の特約を付ける必要性はあまり高くないと言えるでしょう。
積立タイプの保険はどんな保険?
積立タイプの保険は解約したときや支払期間が終了した時に戻ってくるお金(解約返戻金)がある保険です。貯蓄性のある保険と考えておくといいでしょう。
掛け捨てタイプと比べると保険料が高いことがほとんどです。積立タイプの保険には、「返戻金あり」といった記載がされています。
払った保険料の分が返ってくるというものもあれば、決められた支払期間中に解約することなく最後まで支払い続けると積み立てた金額に金利がプラスされ、支払った以上のお金が返ってくることもあります。
死亡保険・医療保険・がん保険の積立タイプの保険内容をチェックしてみましょう。
保険の種類 | 保険会社 | 商品名 | 月額料金 | 保険期間 | 保障内容 |
---|---|---|---|---|---|
死亡保険 | ネオファースト生命 | ネオdeトリオ | 8,680円 | 終身 65歳まで払込 | 死亡時または特定疾病保険金500万円 契約から35年で返戻金が支払金を上回る |
医療保険 | 東京海上日動あんしん生命KitR | メディカルKitR | 2,865円 | 終身 | 入院5,000円 手術2.5~5万円 60歳までに給付金の受け取りがない場合は約120万受け取れる |
がん保険がん保険 | 三井住友海上あいおい生命 | &IFE 新ガン保険α | 5,432円 | 終身 60歳まで払込 | 入院1万円手術20万診断100万など 払込期間を過ぎると100%以上返戻金が受け取れる |
積立タイプはほとんどが終身タイプで支払期間は保険により60歳・65歳、終身など違いがあります。
一般的に単に「終身保険」と呼ばれるものは解約返戻金のある積立型であることが多いです。
どれも受け取れる返戻金の金額により月々の保険料が変わってきますが、5,000円前後のものがメインとなります。
掛け捨てタイプの保険では同じような保障内容で1,000円前後の保険料となるものがほとんどなので、2つのタイプを比べると積立タイプは保険料がとても高いということが分かります。
デメリット 解約時のリスクが高くなる
保険はライフスタイルの変化に合わせてより自分に合ったものに見直していくことが必要です。しかし積立タイプの保険のほとんどは長期間保険に加入することを前提として考えられています。
一定の年数保険をかけていれば返戻金が貯まっていき、解約してもお金が返ってきますが、この「一定の期間」というのは数十年以上かかってしまいます。10年ほどで解約すると5割程度しかお金が戻ってこないことがほとんどです。
20代の時点で保険に加入しても、10年前後で「結婚した」「子供ができた」といったようにライフスタイルが変わって保険内容を変更したい、解約したいと考えるライフイベントが起こることが予想されます。
最初から返戻金はないが家計に負担のかからない格安の掛け捨て保険に加入をしていればライフスタイルに合わせて気軽に保険内容を変更できますが、返戻金のある積立型の場合「途中解約すると損をしてしまう」という心理が判断を鈍らします。
積立型の保険はより適した保険があっても乗り換えられない自由度の低さが最大のデメリットと言えるでしょう。
低解約返戻金型終身保険
返戻金を低く抑える代わりに、保険料を安くできる「低解約返戻金型終身保険」というものが増えています。60歳まで・65歳までといったように払込期間が決められていて、その期間までに解約すると戻ってくる返戻金は約7割前後と支払った分より少なくなります。
その分保険料は通常の返戻金のある保険より低くなっていますが、払込期間を超えて解約すれば支払総額よりも返戻金が上がるという仕組みになっています。
例として、低解返戻型保険の仕組みを取り入れているアクサダイレクトの終身保険を見てみましょう。25歳で死亡時に500万円受け取れる終身死亡保険に加入したとします。払込期間は60歳までを選択します。月々の保険料は7,865円。60歳まで支払い続けると約330万円が支払総額になります。
60歳までの間に解約してしまうと支払った金額の7割しか受け取ることができません。
- 60歳を過ぎると約385万
- 65歳まで待てば約400万
- 70歳まで待てば約420万
上記のように年齢を重ねるごとに支払った金額よりも多くのお金を受け取ることができます。
20代では掛け捨てと積立、どちらにすべき?
2つの特徴を以下にまとめました。
掛け捨てタイプ:お金は帰ってこないが月々の支払いは1000円前後と安い。
積み立てタイプ:60歳以上までなど決められた期間ずっと支払い続ければお金が買ってきて得をするが月々の保険料が高い。
この2つを比べるときに重要なポイントとなるのが、積立タイプの返戻金の割合です。
掛け捨てタイプの保険と比べると最終的にはお得になるという仕組み。しかし貰える金額はそこまで高くはありません。通常の積立貯金や投資などと比べるとその利率は非常に低いものとなっています。
さらに積立保険は自由度が低く途中で解約すると損をすることがほとんどであるため、ライフスタイルが変わりやすい20代が継続してかけ続けるのはあまり良い選択とは言い難いです。
保険を見直す必要が出てくることなどを考えると、自由度が高く毎月の負担額も少ない掛け捨ての保険に加入し、比較的流動性のある積立貯金や利率の高い投資に費やしたほうが良いと考えられます。
「60歳以上まで保険料を支払い続けられる」
「ライフスタイルが変わっても保険を変えない」
「60歳以上まで健康を維持できる」
上記のような自信があるのならば、積立タイプの保険を利用して貯蓄するのもよいと思います。しかし20代で当てはまる人は少ないでしょう。
こういったことからも、20代のうちは安い掛け捨ての保険に加入しておいて、必要に応じて保険内容を変えていくという形にしたほうが良いでしょう。
20代は掛け捨ての定期保険で十分
掛け捨ての保険には定期保険・終身保険どちらのタイプもあります。どちらのタイプであっても掛け捨てなら保険料は比較的低くなっていますが、より安く自由度の高い定期保険との組み合わせがおすすめです。
一生涯保障が続く終身保険よりも10年ごとに保険を見直すことができる定期保険のほうが30代、40代となったときに保険の見直しがしやすいです。終身保険と比べても保険料は安くなっています。
こちらの記事で定期保険と終身保険について解説しています。
保険料の高さは以下のとおりです。
「積立の終身保険」>「積立の定期保険」>「掛け捨ての終身保険」>「掛け捨ての定期保険」
安く抑えてより無駄のない保障を受けることが適している20代では一番安い組み合わせの「掛け捨ての定期保険」を選ぶといいでしょう。
しかしライフスタイルや健康状態、収入や家族構成などによっても適した保険が違うため、20代だからといって必ずしも掛け捨ての定期保険が適しているとは限りません。
より自分に合っていて「もしもの時」に役に立つ保険に加入したいのなら、専門家やファイナンシャルプランナーなどに相談してみることをオススメします。
保険の種類は今回ご紹介した以外にも細かい特約などの仕組みがあり、非常に豊富です。より良い保険を選ぶために、複数の保険を比較しながら検討してみてください。
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