「年金だけでは老後生活が出来ない」というのは新聞やテレビ、ネット等のメディアでよく取り上げられるのでご存知の方も多いかと思います。
2017年現在、老後資金の準備を怠った65歳以上の高齢者(年金受給者)は貧困に苦しんでいるのが現状です。
厚生年金の平均受給額は月額約14万、国民年金は月額5.5万円程度となっているため、平均的な家庭では退職後に一気に貧しい生活が余儀なくされるのが現状です。
なので「働ける今のうちに出来るだけ老後資金の貯蓄をしたい」と考えるのが一般的です。
老後資金の準備として、民間の保険会社が提供する「個人年金」という保険商品が銀行や保険販売員、ネット等でもおすすめされているわけですが選択肢は他にもあり、
「老後のために個人年金で積み立てするのは良い選択なのか分からない」
という人も多いと思います。
本ページでは「老後資金の積み立てとして個人年金は良い選択と言えるのか」について解説します。
Contents
老後のための3つの貯蓄方法
まず、老後資金の貯蓄方法としては大きく分けて以下の3種類が考えられます。
- 定期預金
- 積立投資
- 生命保険
それぞれメリットとデメリットがあり、一概にどれが一番良い方法とは言えませんが、特徴をよく見極めて自分に合った貯蓄方法を検討してみましょう。
定期預金(現金)
通常の銀行に預金する方法です。
【メリット】
- リスクがない
- 貯蓄において最も基本となる方法であり、目に見えてお金を貯めることができる為安心して貯金ができる
- いつでも出し入れが可能
【デメリット】
- 金利が低い為、預けたお金をほとんど増やすことができない
- 出し入れが可能はメリットでもあるが、人によってはなかなか貯蓄が貯まらないというデメリットにもなり得る
積立投資(投資信託等)
投資信託を毎月購入し続ける投資方法を積立投資と言います。
投資信託(=ファンド)とは
投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」です。出典:一般社団法人投資信託協会|そもそも投資信託とは?
つまり、投資をする際に必要な「どんな金融商品を買うのか、いつ買うのか、どれだけ買うのか」といったことを全て自分の代わりに投資のプロである専門家が判断して運用してくれる投資商品のことです。
積立投資とは
一定額・一定数の投資信託を 、毎月(または毎週)買い続ける投資法です。
【メリット】
- 利回りが良い為、うまく運用できれば同じ金額を預けても他の方法と比べて大きく貯蓄を増やすことができる
- 解約=売却となる為、比較的いつでも現金化できる
【デメリット】
- リスクがある(運用次第では、積み立てた金額より受け取る金額が減ってしまう可能性もある)
- 損失を出さないように投資信託を選定する程度の投資知識は必要
投資信託は「専門家が代わりに運用してくれるので投資知識は必要ない」と銀行などで説明されることも多いですが、中にはリスクの高い投資信託もあるため、良い投資なのか、悪い投資なのかある程度判別できる程度の投資知識は必要です。
人に任せてほったらかしで簡単に儲かる商品ではありません。
生命保険(個人年金、終身保険)
今回のポイントである個人年金による貯蓄です。
【メリット】
- 原則、元本割れする可能性がない為、確実に積み立てた分以上の金額を将来受け取ることができる
- 所得控除という税制上のメリットがある為、節税効果もある
- 確実に貯蓄をしつつ、万一の時に備えた保険(死亡保障や高度障害保障等)もついている
【デメリット】
- 投資信託に比べてリターンが小さい(運用はできない為、大きくお金を増やすことができない)
- 解約すると、解約返戻金がそれまで積み立てた保険料より安くなるケースが多い為、損をする可能性がある
個人年金や終身保険はリスクがほとんどない代わりに、出し入れがしにくいというデメリットがあります。
原則元本が保証され、利回りも保証されていますが、途中で解約すると元本を大きく下回って損失が出る可能性があります。
参考記事:個人年金の途中解約したい場合、いつ解約するのがベストか?
個人年金は選んでも良い商品ではあるが優先度は低い
上記のそれぞれの貯蓄方法のメリット・デメリットを踏まえると、個人年金は確実かつ銀行預金よりはお得に貯蓄ができる為、老後資金の準備として選択しても良い商品ではあります。
ただしより多く貯蓄を増やしたいなど、目的によっては優先度は低くなるので自分のライフプランにとって何を重視すべきかを判断した上で貯蓄方法を選択することが大切です。
貯蓄を増やす目的ならば積立投資、貯める目的ならば預金や個人年金を選択するのが良いでしょう。
リターンを重要視するなら投資が良い
「積み立てたお金をより多く増やしたい人」にとっては積立投資が最も良い選択肢と言えるでしょう。
また、このように「資産を運用する」という点では積立投資の他に確定拠出年金というものもあります。
確定拠出年金の詳細については確定拠出年金(401k)とは?メリットとデメリットを解説でまとめています。
ですが、確定拠出年金にもやはりメリットだけでなくデメリットもあります。
【メリット】
- 掛け金が所得税の計算上全額控除になるので節税効果が大きい
【デメリット】
- 公的年金と同じで原則60歳まで受け取りが出来ない(万一収入が途絶えた時に困る)
- 掛け金に上限がある
- 運用次第で損失が出る可能性がある
確定拠出年金は節税効果がある反面、60歳まで受け取りが不可能なことや掛け金に上限がある、損失が出る可能性があるということを理解した上で判断する必要があります。
また、繰り返しになりますが積立投資と確定拠出年金に共通して言える注意点として「運用次第では損をする可能性」があります。
確定拠出年金は『年金』をという枠を使って投資信託や保険商品等を運用する制度で、中にはハイリスクな投資信託もあります。
それを踏まえた上で、少しでも高い利回りで積立金を運用したい場合は上記2つを検討するのが良いでしょう。
関連記事:確定拠出年金(401k)とは?メリットとデメリットを解説
確実性のある貯蓄として個人年金を積立する
では、どんな人にとって個人年金は老後資金の貯蓄として向いている選択肢なのでしょうか。
それはズバリ「そこまでお金は増えなくても良いから確実に貯蓄をしたい人」だと言えます。
個人年金であれば間違った商品を選ばなければ損失が出ることはほとんどありません。
また、銀行に預金するのと比べて毎月「保険料を支払う」という形で強制的に積み立てができますし、銀行預金のように安易に引き出しもできない為、より確実に貯蓄ができます。
「リスクは負いたくないけど、ただ銀行で預金するよりかはお得に貯蓄したい」
という人にとってはぴったりな貯蓄方法と言えるでしょう。
自営業等不安定な職業の場合優先しても良い
具体的には「自営業」や「フリーランス」の人など収入が不安定で将来もらえる公的年金が低い人にとっては、確実に老後資金を貯蓄する手段として個人年金は有効な選択肢となるでしょう。
個人年金のデメリットとして途中で解約すると損をする可能性がある、という点がありますが、積立期間中でも比較的早い段階で返戻率が100%を超える商品がほとんどです。
ですので、どうしても解約せざるを得なくなっても積立金のほとんどが返ってくるプランが多いです。
まとめ
老後の貯蓄方法としては主に3つの選択肢があります。
✔預金:銀行の貯金
✔投資:投資信託、確定拠出型年金
✔保険:個人年金、終身保険
それぞれにメリットとデメリットがありますが、貯蓄において重視するポイントによって以下のように選択する優先度が異なってきます。
- 多少リスクは伴っても貯蓄を増やしたい人=積立投資等の投資信託
- リスクはあまり負いたくないので確実に貯蓄をしたい人=預金、個人年金
更に、個人年金はこんな方には老後資金の準備としてお勧めです。
- 自営業者等の収入が不安定で将来もらえる公的年金が低い方
- 確定拠出年金を上限まで掛けていて、それ以上に確実に貯蓄をしておきたい会社員等
- リスクは負いたくないけど、ただ銀行で預金するよりかはお得に貯蓄したい方
以上の内容を踏まえて、まずは老後の貯蓄において何を重視するかを見極めた上で最適な方法を選択しましょう。
執筆者:鄭 恵美
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