クレジットカードの支払手段として、「リボ払い」があります。
ポイント特典をつけるなどカード会社が勧めてくる手段です。また月々の支払額が数千円程度の無理なく支払えるプランも選べるため、利用者から見ても魅力的に見えます。
しかし、これは勧められるままに使うのは危険であり落とし穴があります。浪費癖があると自覚している人ほど要注意の手段です。
とにかく金利が高い
まずはリボ払いのしくみをおさえておく必要があります。
<クレジットカードで10万円の買い物をした場合>
(通常は20日などの締日までのものは翌々月5日のタイミングで)10万円だけ契約の口座から引き落とされます。
<リボ払いで10万円の買い物をした場合>
月5,000円や月10,000円など月々決められた金額だけ支払えばいいことになります。
リボ払いは、いわば「借金の返済」です。借金の返済では借入した金額(元金)の他に利息を支払います。
商品購入代10万円だけ借金したことになり、月10,000円の中に利息が含まれているとすれば、10回支払っても10万円は支払いきれません。
リボ払いの金利は手数料扱いにされています。借金の利率にあたる手数料率は一般的に15%となっています。
銀行の自動車ローンが3%前後であることに比べるとかなりの高率です。プロミスやアコム等の消費者金融は利率が高いですが、利息制限法により最大17.8%となっており消費者金融並みの高さと言えます。
リボ払い試算(10万円1年払い)
リボ払いで10万円を1年(12カ月)かけて一定額で払っていくケースを見てみましょう。
15%というのは年間の手数料率なので「月間では15%÷12=1.25%」となります。
1回目の手数料:10万円に1.25%をかけて1,250円。
月5,000円の支払であれば元金支払にあてられるのは、1,250円をマイナスして3,750円となり、元金の残高は96,250円に減ります。
2回目の手数料:この元金の残高に1.25%をかけて1,203円となり、元金支払額は3,797円。
これが月10,000円であれば1回目の元金支払額が8,750円になり、元金の残高が91,250円になります。2回目の手数料は1,141円と月5,000円のケースより少なくなります。
ちょうど1年で支払い終える月額は9,026円であり、支払総額は108,310円となります。つまりこの場合手数料負担は8,310円です。
カードローン試算(同上)
銀行・消費者金融で利用できるカードローンで10万円を借りて1年かけて元利均等で返済するケースを考えてみましょう。利息は最大の17.8%とします。
このケースでは1年で返済完了となるための月額は9,158円であり、返済総額は109,902円となります。つまりこの場合利息負担は9,902円です。
利率が少し高いため利息負担はリボ払いのケースより増えていますが、ほぼ同等の結果が出ています。
重ねて利用すると返せなくなる
上記の2つの例は元金10万円のケースなので、月払いで支払う限りは利息の支払いが年間1万円もいきません。
しかしカードのリボ払いは1つの商品だけではなく、カードの商品全体で支払額を5,000円や10,000円などと決めるものです。
上記のリボ払いのケースで月9,026円支払った場合、1回目で元金残高は92,224円になります。ここで8,000円の買い物をした場合、元金残高は10万円を超えます。
それ以降も毎月8,000円の買い物をしたとすれば、元金残高はずっと10万円超を維持しますので、毎月9,026円支払っても1年どころか何年経っても支払いが終わらないことになります。

これがリボ払いの怖いところです。毎月8,000円の買い物で支払いが終わらなくなります。より高額の買い物を続けていたら、多重債務同然になります。
また月8,000円の買い物で月9,000円強の支払ですと、年間で1万円を超える利息を払うことになり、何年も続いた場合は馬鹿になりません。
少額で自己破産する人は意外と多い
多重債務で首が回らなくなった場合、考えられるのは自己破産等の法的整理です。私達が持つ自己破産のイメージは事業に失敗して数千万~数億円借金を抱えた人というものが多い気がしますが、弁護士によると自己破産の相談で最も多いのは100万~500万円程度とされています。
参考サイト:少額の債務で自己破産はできるか
これくらいの借金は車のローンならよくある金額と言えます。
しかしリボ払いの場合は、10万円でもその後の状況によっては永遠に返せない危険性をはらんでいます。300万円をリボ払いやカードローンで利用すると、低所得者では支払いきれないものになります。
- 100万円をリボ払いで支払う:毎月2.5万円ずつ支払って5年弱はかかる。
- 300万円のをリボ払いをで支払う:毎月3万円ずつ支払ったとしても、20年経っても支払いきれない。
リボ払いでどんどん物を購入する家庭で毎月3万円ずつ返済するのは容易ではありません。
自己破産するとどうなるか
自己破産すれば、リボ払いやカードローンの残債務は期日通りに支払わなくてもよくなり、99万円以内の現金は保護されます。
破産手続きのあと、免責許可が出れば債務カットとなります。しかし国民健康保険料や国民年金・税金など公的機関に支払うものは免責にならないことに注意が必要です。
また自己破産のような法的手続きは複雑ですので、本来「手続き費用+弁護士費用」ぐらいは支払える状態で踏み切るべきです。この費用の相場は十万円単位にはなるとされています。

しかし1回自己破産すれば破産者のブラックリストを5~10年間、金融機関・カード会社が保存し参照します。当然破産者に対する信用は失われ、新たにカードを利用したりすることはもちろん、住宅ローンなどの人生で大事な借入をするのも難しくなります。
まとめ
カード会社が薦めるからと言ってリボ払いを安易に使うのは、人生を大きく狂わせることにもなりかねません。少しずつ払いたいのであれば分割払いという手段もあります。
金利がとられる点ではリボ払いと変わりませんが、商品ごとに回数を決めて払う点が異なります。
例えば10万円の品物を10回払いで支払うと決めたなら、月10,000円払うことになります。他に商品があれば、月々の支払額は10,000円を超えますが、いつまで経っても払い終えない事態は起こりません。
さらに買えば買うほど月々の支払額が膨らみますので、未払残高を計算する習慣が無い人でも危機感を持ちやすくなります。
カードの利用は個人信用情報にも関わりますので、支払方法に関する知識を持ち危険な状況に陥るのを防ぐべきと言えます。