自動車保険

車両保険とは?わかりやすく特徴や保険料を解説

車両保険は自動車保険の中でも保険料が高く、節約をしたいユーザーにとっては頭を悩ます保険です。

しかし仕組みが複雑でわかりづらい部分も沢山あります。加入すべきかどうかという点以外にも、設定する金額やタイプについて悩んでしまう方も多いでしょう。

そこで本ページでは「わかりにくい車両保険の基本や加入するなら知っておくべき重要なポイント」等をわかりやすくご紹介していきます。

車両保険は自動車保険のオプションのようなもの

自動車保険には様々な種類の補償がありますが、大きく分けると3つの部類の補償に分けられます。

<自動車保険の3つの基本補償>
  1. 事故をした相手(人やモノ)に対する補償
  2. 自分及び同乗者(人)に対する保障
  3. 自分の車に対する補償

車両保険はこの3つ目、「自分の車に対する補償」に当てはまります。

どの保険会社でも、1と2の補償は基本的に自動的につけられている補償です。3の補償は任意で付けられるので自分で付けるかどうかを選ぶことが可能です。

3の補償だけを選ぶことはできないため、車両保険は1と2の補償の「オプション」のようなものであると言えます。

車両保険の保険料

車両保険の保険料は以下の3つの要素で大きく変わってきます。

  • 等級(1~20等級)
  • 車種、年式
  • 一般型orエコノミー型(※詳細は後述)

※等級とは運転者の事故の有無などによって割引率が変わる自動車保険固有の制度のことです。詳細は車両保険は等級制度を理解すれば必要かどうかが分かるをご一読ください。

車両保険は他の補償と比べても高くなるケースが多く、等級が低いと年間数万円かかることもあります。

等級のみならず、車両保険は車に掛ける補償なので車種や年数によっても保険料が変わってきます。

一般的な普通自動車で車両保険を付けた場合と付けていない場合の保険料を比較してみました。

例)30代男性 10等級 普通自動車 一般型車両保険の場合

  保険会社 車両保険なし 車両保険あり
ダイレクト型 SBI損保 25,010円 50,110円
アクサダイレクト 27,970円 50,590円
ソニー損保 31,510円 58,920円
代理店型 三井住友海上 66,240円 113,040円
損保ジャパン 55,170円 93,850円

等級や年齢が低ければ全体の保険料は上がります。また、一般型ではなくエコノミー型にすると車両保険は1万円ほど下がるケースもあります。

車両保険の補償内容

車両保険は事故を起こした際、自分の車に生じた損害額を補償してくれます。

ただし補償される範囲は一般型・エコノミー型の2種類に分けられています。

また、どのような事故であっても必ず補償されるというわけではなく、保障の対象外となるケースもあります。

自分の車を補償してくれる

基本的には自分の車の傷などの損害を修理するときに使う補償です。

廃車状態になってしまった場合は最初に決めた補償金額の上限額が貰え、新しい車の購入費に充てることが可能です。

事故をした相手の車への修理費等は「対物補償」で補うことになるため、あくまでも車両保険は「自分の車に対する補償」であることを覚えておきましょう。

一般型・エコノミー型とは?

  • 一般型:保険料が高い分、自損事故や相手が不明となる当て逃げなどの事故でも補償される。
  • エコノミータイプ:保険料が安い分、自損事故や相手が解らない事故の倍は補償が受けられない。

一般型・エコノミー型補償範囲の違い

事故の例 エコノミー型 一般型
車と車の事故
火災や爆発
いたずらによる破損
盗難
台風や洪水等の災害
転覆・転落
×
電柱などに衝突
×
当て逃げ
×
歩行者自転車との事故
×

等級やその他の条件にもよりますが、保険料の差額は5,000円~2万円ほどが目安となります。

一般型にするべきかエコノミー型にするべきかは以下の記事を参考にしてみましょう。

参考記事:車両保険のエコノミーは気休め。どうせ付けるなら一般型にすべき

車両保険の特徴

車両保険は修理費や新車購入費を補償してくれる便利な保険ですが、注意しなければならない点もあります。

加入するなら車両保険の特徴について知っておきましょう。

補償額に対して保険料が極めて高額になる

10等級前後であれば、車両保険にかかる保険料は年間で2万~3万ほどになります。この掛け金に対して補償額は200万~300万前後が相場となります。

それに対して対人や対物補償は10等級前後であれば保険料が年間で数千円程度。

この掛け金に対して補償額は1000万から選ぶことができ、無制限にしても2,000円~5,000円程度と非常に割の良い補償となっています。

対人対物以外の補償と比べても、車両保険は圧倒的に割高な保険という見方が出来ます。

また、掛け捨ての生命保険でも年間2万~3万支払えば1000万以上の保障を受けることが出来ます。

もっとも、対人対物補償や死亡保障に比べて適用される可能性が高いのでこのようになっているわけですが。

補償額の上限は年々下がってしまう

車両保険の補償額は、車種や年式によって設定された金額の中から契約者が選んで決定します。新車購入時は購入費用が1つの目安となります。

しかし年数がたてばその分車の価値も下がるため、保障額の上限額は年々下がっていきます。保険の満期日と共に年間数十万円ずつ下がっていくケースが多くなります。

例えば200万円で購入した車に、上限額200万円で設定した車両保険を掛けても、1年後は180万・2年後は160万…といったように上限額が下がっていきます。

年間の保険料も補償額に合わせて少しずつ下がっていきますが、それでも割高であることに変わりはありません。

補償額を超える保険金は出ないので要注意

車両保険は上限額を設定しなければならない保険です。対人や対物のように「無制限」とすることはできませんし、かかった金額分すべてが保障されるとは限りません。

例えば設定している上限額が50万円の場合は、修理費が30万円であれば全額補償されます。しかし修理費が60万円になると上限額をオーバーしてしまいます。

この場合は「全損扱い」となり、50万円が支払われますが、残りの10万円は自己負担となります。

設定されている補償額を超える保険金はおりることが無いため、注意しておきましょう。

関連記事:全損事故でも全額補償されない?価値が下がった車は車両保険を外すべき

まとめ:保険料の割合や仕組みに注意して加入しよう

新車やローンが残っている車を所有している場合や廃車になっても新車を購入する費用がまかなえない場合は、車両保険に入っておくと非常に便利です。

しかし、車両保険は保険料が割高で事故の内容によっては補償されないケースもあるため注意が必要です。

特に一般型とエコノミー型の補償範囲をきちんと把握していないと、後からトラブルが起きることもあります。

車両保険への加入を検討する場合は、今回ご紹介した重要なポイントを頭に入れておき、各社で保険料を比較したうえで加入手続きをするように心がけておきましょう。

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