医療保険

女性向け医療保険の選び方と人気商品のレビュー

医療保険には、女性向けの商品として売り出されているものが多くあります。男性向けはまったくないのに女性向けだけがあるというのは不思議な感じがしますよね。

女性向け医療保険は女性の加入傾向に合わせて商品設計がなされた医療保険というだけで、単なるマーケティング戦略にすぎません。医療保険に加入するならもっと目を向けるべき大事な点がたくさんあるので、女性向けという点にはあまりまどわされないでください

この記事では女性向けとして販売されている医療保険の特徴や選び方を解説し、合わせて人気商品をレビューします。

女性向け医療保険(女性保険)とは

女性向け医療保険とは、女性向けに設計された保障を備える医療保険です。

しかし、商品そのものは男女共通の商品に女性向けの特約をつけたものにすぎず、別の商品というわけではありません。

たとえばオリックス生命「医療保険 新CURE」のホームページを見ると、女性向け医療保険として「新CURE Lady」という商品があるように見えます。しかし約款(保険の契約内容の詳細)を見ると表紙は以下のようになっており、実際は同じ商品なのです。


引用元:新CURE 約款|オリックス生命

女性向け医療保険には、主に以下のような特徴があります。

  1. 女性特有の病気や女性がかかる確率が高い病気の保障が手厚い(以下「女性特有の病気等」と書きます)
  2. 健康祝金(生存給付金)がある

女性特有の病気等の保障が手厚くなる点ですが、入院給付金を5000円程度上乗せするものと、かかったときに一時金を支払うものがあります。

また、対象としている病気の範囲には大きく違いがあり、ごく一部の病気に絞っている商品と、幅広く女性がかかる確率の高い病気全般を対象としている商品があります。

健康祝金とは、一定の期間に所定の条件(継続5日以上の入院をしていないなど)を満たすと5万円程度の祝金を受け取れるものです。

女性向け医療保険といった場合、必ず1.の特徴はついていますが、2.は商品によってついてないものもあります。

女性向けの保障は必要?

女性向けの保障を手厚くすることは、基本的に不要です。

なぜなら女性特有の病気や女性がかかりやすい病気だからといって、医療費が余計にかかるわけではないからです。

ただし乳がんの治療で乳房切除を行った場合、再建を希望する人が多いです。このときに保険診療以外のものを希望すると、まとまったお金がかかることがあります。

また出産のときは帝王切開や切迫早産など、医療保険の支給対象となる確率が高いので、出差のときだけ手厚くしておくというのも1つの考え方です。

健康祝金はあったほうがいい?

健康祝金はあったほうがいいのかどうか、保険料をもとに考えてみましょう。

たとえば、メットライフ生命の医療保険「フレキシィS」はホームページで保険料が試算できるので、こちらを利用します(女性専用タイプで試算すると健康祝金の効果だけを判断するための試算ができないので、一般向けのフレキシィSで試算します)。

公式サイト:フレキシィS|メットライフ生命

「保障充実コース」(入院給付金日額1万円)のWAプラン(健康祝金10万円)とAプラン(健康祝金なし)に30歳の女性が加入した場合の保険料を比較すると、WAプランプランが月額5841円、Aプランが月額4501円で、差額は1340円です。これが健康祝金の保険料相当額です。

WAプランは対象となる5年間で継続10日以上の入院がなければ、10万円の健康祝金を最長で90歳まで受け取れます。5年間で支払う保険料は1340円×12カ月×5年=8万400円です。そのため何事もなければ支払った保険料よりも多くのお金を受け取れることになります。

しかし、対象となる期間にたとえば継続14日の入院をして入院給付金の請求をした場合、健康祝金10万円は受け取れません。

つまり、5年ごとに10万円-8万400円=約2万円の得をするときと、約8万円の損をするときがあることになります。継続10日以上の入院をすることがずっとなければ5年ごとに約2万円ずつ得をするということです。

健康祝金はたったそれだけの意味しかなく、病気やケガの備えとしての性質を持ちません。そのため、健康祝金の有無で商品選択に迷うのであれば、ない商品を選んでおけば良いでしょう。

人気商品の比較

ここでは人気のある医療保険のうち、女性向けの特約を用意しているものをいくつかピックアップして解説します。

新CURE Lady(オリックス生命)

特約の名称 女性入院特約
健康祝金(生存給付金) なし
乳房再建の保障 なし
入院給付金の
上乗せ対象となる疾病
がん
甲状腺の疾患
乳房および女性性器疾患
妊娠、分娩、および産じょくの合併症

公式サイト:新CURE Lady|オリックス生命

新CURE Ladyは新CUREに「女性入院特約」が付加されたものです。保障内容は女性特有の病気等で入院すると入院給付金が上乗せされるもののみのシンプルなタイプです。

保障の対象となる疾病の範囲は幅広く設定されています(詳細は約款で確認してください。以下同じ)。

メディカルKit NEO 女性プラン(東京海上日動あんしん生命)

特約の名称 女性疾病保障特約
健康祝金(生存給付金) なし
乳房再建の保障 あり
入院給付金の
上乗せ対象となる疾病
3大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患)を含む特定の病気

公式サイト:メディカルKit NEO |東京海上日動あんしん生命

メディカルKit NEOでは、「女性疾病保障特約」を付加することで女性向けのプランになります。

この特約は以下の2つがあります。

  • 女性特有の病気と3大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患)で入院給付金を上乗せする保障
  • 乳がんで乳房切除をし、再建術を受けたときに100万円を受け取れる保障

乳房再建術を受けたときに一時金を受け取れるのが特徴です。

乳房再建術の保障は、乳がんの治療で乳房切除をした場合に再建を希望する人が多く、選択した治療法によってはまとまったお金がかかることがあることから設けられています。これは良い保障といえますが、他の保障とセットで保険料を支払うので、トータルでみると割に合うかどうかは不明です。

ちゃんと応える医療保険 レディースEVER

特約の名称 女性疾病入院特約
女性特定手術特約
健康祝金(生存給付金) なし
乳房再建の保障 あり(50万円)
入院給付金の
上乗せ対象となる疾病
乳房・女性性器の悪性新生物、良性新生物、上皮内新生物
卵巣機能障害
関節リウマチ
乳房および女性性器の疾患と障害
妊娠、分娩および産じょくの合併症

公式サイト:ちゃんと応える医療保険レディースEVER|アフラック生命

レディースEVERでは「女性疾病入院特約」と「女性特定手術特約」の2種類を付加することができます。

女性疾病入院特約は、女性特定疾病で入院したときの給付金を上乗せする保障です。女性特定疾病は、乳房・女性性器の悪性新生物、良性新生物、上皮内新生物、卵巣機能障害、関節リウマチ、乳房および女性性器の疾患と障害、妊娠・分娩および産じょくの合併症が該当します。

また、女性特定手術特約を付加すると、以下の2種類の給付金を受け取れます。

  • 女性特定手術給付金
  • 乳房再建給付金

女性特定手術給付金は、病気やケガを原因として乳房観血切除術、子宮全摘出術、卵巣全摘出術を受けたときに20万円が支払われるものです。乳房再建給付金は女性特定手術給付金が支払われる乳房観血切除術を受けた乳房について、乳房再建術を受けたときに50万円を受け取れるものです。

女性疾病入院特約は対象範囲が広いですが、女性特定手術給付金は対象範囲がかなり限られています。

女性のための医療保険 フェミニーヌ(損保ジャパン日本興亜ひまわり生命)

特約の名称 医療用女性疾病入院特約
健康祝金(生存給付金) あり
乳房再建の保障 なし
入院給付金の
上乗せ対象となる疾病
悪性新生物その他の新生物
血液および造血器の疾患
内分泌、栄養および代謝疾患
循環器系の疾患筋骨格系および結合組織の疾患
腎尿路生殖器系の疾患
妊娠、分娩および産じょく

公式サイト:女性のための医療保険 フェミニーヌ|損保ジャパン日本興亜ひまわり生命

フェミニーヌは、女性特定疾病で入院したときに入院給付金を3000~5000円程度上乗せして受け取れる保障と、3年ごとに15万円を受け取れる生存給付金があります。

生存給付金については、生存していること保険契約が有効に継続されていること以外に受け取りの条件はありません。3年ごとに15万円(入院給付金が1万円の場合)、15年間で合計5回受け取れます。保険料がホームページで試算できないので判断できませんが、基本的に生存給付金は不要な保障なので、あまりまどわされないようにしましょう。

まとめ

女性向けの保障はいずれもその必要性が高いとはいえません。先述したとおり、女性特有の病気だと医療費が余計にかかるわけではないからです。また、健康祝金も保障としての性質をもつものではないので、あってもなくても良いものです。

パンフレットを見ると、健康祝金を「ボーナス」と表現していることが多く、「ボーナスとして受け取ったお金を自分へのご褒美にしましょう」と書かれていることがあります。

しかしその保険に加入したことによって、お金がそれだけ増えて戻ってきたわけではありません。浪費しないように注意してください。

医療保険を選ぶときは女性向けという点を気にする必要はほとんどありません。意識するとしたら出産のときくらいで良いでしょう。それよりも、入院給付金の日額や1入院当たりの限度日数、3大疾病の備えなど、もっと大事な点を考えることに神経を使ってください。

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