医療保険

ドコモ医療保険はごく一部のケースを除き、入ってはいけない

NTTドコモが、同社の通信サービスを利用している人向けに医療保険を販売しています。保険料は携帯電話の料金と一緒に支払うことができ、申込みも簡単なので加入を検討している人もいるでしょうが、この保険には重大な注意点がいくつかあります。結論から言うと、ごく一部のケースを除いてはまったくおすすめしません。

この記事ではドコモの医療保険に加入を検討している人に向け、その商品性やメリット、デメリットについて解説します。

ドコモ医療保険をおすすめしない理由

ドコモ医療保険はNTTドコモが代理店で、東京海上日動火災保険が引受保険会社となっているドコモのオリジナル商品です。ドコモが医療保険を運営しているのではありません。

公式サイト:ドコモ医療保険|NTTdocomo

大事なことなので結論から言いますが、この医療保険は生涯の補償として加入するような保険ではありません。理由は以下の2点です。

終身では加入できない

保険期間の開始日時点で満20歳以上70歳以下の回線契約者本人、かつdポイントクラブ会員でないと加入できません。

ドコモを解約すると保険も解約となる

通信サービス契約の解約、改番、名義変更やdポイントクラブの退会等を行った場合、その月の末日で保険期間は終了してしまいます。そのため、携帯電話会社を切り替えることがしづらくなります。

以上2点から、生涯の備えとしてはとても利用できないことがわかるのではないでしょうか。特に、ドコモを解約すると保険も解約になるというのは致命的です。

さらに、この保険は更新型なので5年ごとに保険料は上がりますし、確定申告で生命保険料控除を受けるときに必要な生命保険料控除証明書は申請しないと発行してもらえないなど、デメリットが多いです。

<デメリット>

  • ドコモを解約すると保険も解約になる
  • 更新型で5年ごとに保険料が上がる
  • 確定申告で生命保険料控除をうけるときに必要な生命保険料控除証明書は申請しないと発行してもらえない など

ドコモ医療保険が使えるとしたらどんなとき?

ドコモ医療保険への加入をおすすめできるケースは、きわめて限られています。

たとえば医療保険に入ったことがないからどんなものなのか試してみたい人や、今すぐ入院になってしまったら貯蓄がないから困るという人などです。

パンフレットでも、上乗せ補償とすることを1つの使い方として提案しています。

出産のときは帝王切開など、入院給付金が受け取れるケースが多いので上乗せしても良いですが、上乗せするだけなら保険料が割に合いません。もし、出産に手厚く備えたいなら普通の医療保険に加入し、女性特約をつけるほうが保険料にムダがないでしょう。

ドコモ医療保険の補償内容

保証内容は以下の通りです。

ドコモ医療保険のプランは3種類

ドコモの医療保険は以下のような補償になっています。普通の医療保険なら入院給付金の金額や1入院あたりの支払限度日数はある程度選べますが、ドコモ医療保険では選べないのが特徴です。

ベーシックプラン 3大疾病重視プラン 女性疾病重視プラン
入院保険金 1日につき5000円 1日につき5000円 所定の病気は1日1万円
その他は5000円
手術保険金 手術の種類に応じて
2.5・5・20万円
手術の種類に応じて
2.5・5・20万円
手術の種類に応じて
2.5・5・20万円
放射線治療保険金 5万円 5万円 5万円
先進医療保険金 最大305万円 最大305万円
重度入院一時金 100万円
女性形成治療保険金 10・20万円

それぞれの補償内容について

上記の補償内容について、それぞれ解説します。

入院保険金

入院日数に応じて1日あたり5000円を受け取れる補償です。

女性疾病重視プランの場合は5000円または1万円になります。1入院あたりの支払限度日数は60日型のみで、他の保険会社のように120日型や180日型のような長いタイプは選べません。

なお、女性疾病重視プランで入院給付金が増額されるのは、一般的に女性がかかりやすいとされる所定の病気(乳房・女性生殖器の悪性新生物、良性新生物等)をはじめ、糖尿病や心疾患なども幅広く対象としています

手術保険金

病気やケガの治療を目的として、公的医療保険制度の対象となる手術を受けた場合に受け取れる保険金です。保険金は3種類あり、重大手術は20万円、重大手術以外で入院中に行われたものは5万円、外来で行われた場合は2.5万円となっています。

なお、重大手術とは以下のものをいいます。このとおり、ごく一部しか対象になりません。

(1)がんに対する開頭・開胸・開腹手術および四肢切断術 (2)脊髄腫瘍摘出術、頭蓋内腫瘍開頭摘出術、縦隔腫瘍開胸摘出術 (3)心臓・大動脈・大静脈・肺動脈・冠動脈への開胸・開腹術 (4)日本国内で行われた心臓・肺・肝臓・膵臓・腎臓の全体または一部の移植手術。

放射線治療保険金

病気やケガの治療のために、公的医療保険制度の対象となる放射線治療を受けた場合に5万円の保険金が支払われます。

なお、重要事項説明書に「血液照射を除きます」という注意書きがありますが、これは気にしなくて良いでしょう。

先進医療保険金

厚生労働大臣が指定する先進医療を受けたとき、その固有の費用(技術料といいます)を支払ってくれるものです。

なお、一般的な先進医療特約であれば技術料の全額が支払われますが、ドコモ医療保険では所定の倍率で保険金が計算されます。

たとえば、技術料が100万円超120万円以下の場合は100倍と決められており、入院給付金に乗じて計算されます。技術料が110万円かかる先進医療の場合は100倍(所定の倍率)×5000円=50万円となります。

これは、一般の人ならわからないであろうという推測のもと、支払う保険金をなるべく少なくするための落とし穴であるといえます。なお、10万円以下は一律10倍(5万円)なので、5万円未満の先進医療を受けたときは実際に支払った技術料よりも多い保険金を受け取ることになります。

重度入院一時金

悪性新生物と診断確定された場合、急性心筋梗塞または脳卒中の治療を目的として入院を開始したときに一時金として100万円が受け取れます。

急性心筋梗塞や脳卒中については保険金の支払い基準がゆるいのがメリットではありますが、そもそもこの医療保険自体が長期の加入に向かないので、この一時金が実際に支払われるケースは少ないでしょう。

女性形成治療保険金

皮膚の移植術や傷跡の形成術、足の指の後天性変形(外反母趾など)に対する形成術、がんの治療などで行う乳房切除術などを受けたとき、10万円または20万円の保険金が支払われます。

まとめ

ドコモ医療保険は、本気で加入を検討する価値のない保険です。

先述したとおり先進医療保険金の支払について、一般的な医療保険とは違う計算方式を採用していますが、こうしたところをみても、加入者にとって良い補償を提供しようという姿勢が感じられないというのが率直な感想です。

ドコモを利用している場合、ドコモ光やドコモのクレジットカードなどはおすすめ出来るサービスですが、保険は微妙な印象。

ドコモ光について興味のある方は下記サイトも合わせてご参考ください。

ドコモ光の料金プランと評判、知っておくべきデメリットについてわかりやすく解説

実際に使う機会がほとんどないからいいだろうと考えたのかもしれませんが、それならなおさら一般的な先進医療特約と同じにしておけば、いざ支払いが生じたときも迷うことがないはずです。

医療保険は売れ筋商品なので、各社が競って良い商品を市場に投入しています。ドコモ医療保険に興味をもったのなら、良い機会ととらえて一般的な医療保険を検討してみるのがおすすめです。

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