老後の生活費は月27万かかるといわれています。
年金受給額(厚生年金)の平均が月14万なので、年金受給者だったとしても、残りの13万をまかなう必要があるでしょう。
さらに、「高齢化社会の加速で年金制度が崩壊するのでは?」という懸念もあります。
そこで、注目を浴びているのが個人年金です。個人で貯蓄する年金(保険商品)で、老後の生活を支える役割があり人気です。
本ページでは、「数ある個人年金の商品の中から第一生命の個人年金について」説明します。
Contents
第一生命の個人年金とは?
第一生命が販売している個人年金には「しあわせ物語」と「ながいき物語」の2種類のプランが用意されています。
「しあわせ物語」は対象年齢が0歳〜80歳の個人年金で、「ながいき物語」は対象年齢が50歳〜80歳のシニア向けの個人年金です。
それぞれのプランについて、詳しく内容を解説していきます。
しあわせ物語
「しあわせ物語」は将来の生活を豊かにするために計画的に資産準備ができる個人年金保険です。
主な特徴は次の3つです。
- 柔軟な設計ができ、年金額が確定しているため、計画的に将来の準備ができる
(用途は老後の生活準備だけでなく、子供の教育資金準備などにも活用できます。) - 手続きが簡単
(告知や医師の診査は不要) - 年金の受取開始を60歳以上とするなど、所定の要件を満たすことで所得控除が受けられる
(特約を付帯することにより、所得税・住民税の「個人年金保険料控除」が受けられ、税負担が軽減されます。)
(参考:明治安田生命|積立年金「しあわせ物語」)
「しあわせ物語」の契約プラン例
いくつか具体的な契約プランを見ていきましょう。
<老後資金(セカンドライフ)準備の例>
第一生命「しあわせ物語」(10年確定) | |
---|---|
払い込み年数 | 30年 |
返戻率 | 104.6% |
毎月の保険料 | 32,000円 |
保険料の支払総額 | 11,520,000円 |
給付金の支給総額 | 12,090,000円 |
※ 契約者は30歳男性で計算しています。 |
返戻率は104.6%と、ごく平均的です。
補償内容や条件なども一般的な個人年金商品と言えるでしょう。
<教育資金準備の例>
第一生命「しあわせ物語」(10年確定) | |
---|---|
払い込み年数 | 12年 |
返戻率 | 101.8% |
毎月の保険料 | 30,000円 |
保険料の支払総額 | 4,320,000円 |
給付金の支給総額 | 4,402,000円 |
※ <契約者>親 <被保険者>子 <年金受取人>親 ※12歳から払い込んで12歳から受け取る |
解約すると多くの場合、受取金額が払込保険料累計額を下回るため、注意しましょう。
また、教育資金準備の例の契約形態の場合、個人年金保険料控除は受けられません。
ながいき物語
「ながいき物語」は死亡保障がない代わりに年金額を大きくした、その名のとおり長生きに備えた商品です。
主な特徴は以下の2つです。
- 生存重視の年金
年金受取開始前の死亡保障を行わず、解約返還金を抑えることで、年金額を大きくした生存保障重視型の個人年金保険です。 - 年金額は確定
年金原資・年金額は契約時に確定するため、着実に老後の準備ができます。
また、死亡保障がない代わりに、被保険者が年金受取開始前に死亡した際には払込保険料相当額の7割が死亡返還金として支払われます。
解約返戻金はその死亡返還金を上限として支払われるため、常に払込保険料額を下回ってしまうので注意が必要です。
(参考:明治安田生命|とんちん年金「ながいき物語」)
「ながいき物語」の契約プラン例
第一生命「ながいき物語」(10年保証期間付終身年金の場合) | |
---|---|
払い込み年数 | 15年 |
100歳での返戻率 (男性) |
160% |
毎月の保険料 | 54,000円 |
年金累計額が払込保険料累計額を上回る年齢 (男性) |
89歳 |
年金額 (男性) |
50.19万円 |
※ 10年間分の年金は保証されます。 11年目以降は生存している限り年金を受け取れます。 |
死亡保障がなく、解約返戻金の額が抑えられているため、年金を確実に貯蓄することができます。
そのため年金受取開始まで確実に契約を継続していることを前提に、年金の受給に特化した商品だと言えます。
尚、年金は保障期間を過ぎても生存している限り受け取ることができ、受け取りは5年、10年、15年のいずれかの確定年金を選択することもできます。
第一生命の個人年金のメリット
では、「しあわせ物語」と「ながいき物語」の2つのプランがある第一生命の個人年金のメリットについて解説していきます。
<メリット>
- 受け取る年齢や金額を選ぶことができる
受け取る年齢や金額を選ぶことができる
「ながいき物語」の場合、受け取る年金額や、年齢を自由に設定することが可能です。
従って、自分の老後の人生設計に合わせた年金を用意することができます。
しあわせ物語に関しては後述しますがあまり目立った特徴がなく、他社商品に比べてこれといって目立ったメリットはありません。
第一生命の個人年金のデメリット
次に、デメリットとして注意したい点について解説します。
- 目立った特徴がない
- ながいき物語の場合、お得になるまでの時間がかかる
目立った特徴がない
第一生命の個人年金には目立った特徴がなく、ごく一般的な個人年金であると言えます。
従って、個人年金の中で一番おすすめとは言えず、例えば年金をたくさん増やしたい人はより返戻率が高い他社商品を選んだ方が良いでしょう。
ながいき物語の場合、お得になるまで時間がかかる
「ながいき物語」は生存型保険なので、長生きするほど返戻率が上がり、お得になります。
上記の例で言えば、100歳まで生きれば男性は160%の返戻率になります。
しかし反対に、早くに死亡した場合返戻率は平均的ですのであまりお得とは言えません。
さらに、男性は89歳、女性は94歳まで生存していなければ年金累計額が払込み保険料を上回らず、解約した場合損をしてしまいます。
第一生命の個人年金はこんな人におすすめ
ここまでの内容を踏まえて、第一生命の個人年金のうち、「ながいき物語」は生存している限り長期間年金をもらいたい人にとってはおすすめの個人年金商品だと言えます。
ただ正直なところ、いずれの保険も他社に比べて見劣りし、加入メリットは薄いと感じます。
返戻率や節税の観点から、「ただ預金するよりは良い」とは思いますが、特に理由がない場合は他社商品を検討されることをお勧めします。
まとめ
第一生命が販売している個人年金には「しあわせ物語」と「ながいき物語」の2種類のプランが用意されています。
それぞれのポイントとしては、以下の点が挙げられます。
- 「しあわせ物語」→ごく一般的な個人年金。返戻率も平均的である。
- 「ながいき物語」→長生きするほど返戻率が上がり、受け取る年金額が増える。反対に、男性は89歳、女性は94歳になるまで年金累計額が払込保険料額を上回らないため、それまでに途中解約すると損をしてしまう。
従って、長生きをして生涯ずっと年金を受け取りたい人にとっては第一生命の「ながいき物語」はある程度おすすめとは言えますが、上述した通り他社商品を検討した方が良いと思います。
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執筆者:鄭 恵美