「保険料は走る分だけ」というキャッチコピーで有名なソニー損保は保険料も事故対応力も優れており、総合力がとても高いです。
保険料についてはリスク細分型を採用しているので、特に年間走行距離がそれほどでもないという人にとっては有力な選択肢になるでしょう。
この記事では、そんなソニー損保のメリット・デメリットについて解説します。
Contents
ソニー損保の自動車保険のメリットは総合力が高いこと
ソニー損保はダイレクト自動車保険として16年連続で売上NO1を誇っています(2017年まで、自社調べ)。
ソニー損保の自動車保険の特長はホームページに掲載されていますが、さらに詳しく解説します。
公式サイト:自動車保険|ソニー損害保険株式会社
保険料は走る分だけ
ソニー損保の保険料は「リスク細分型」という考え方を採用しています。
自動車保険の保険料はもともと車種や年齢、等級などのリスク要素に応じて細分化されているのですが、ソニー損保ではさらに年間の予想走行距離に応じて保険料を7区分にわけています。
事故を起こすリスクは一般的に走行距離が多いほど高まりますが、この方式だとリスクに見合った保険料になるので契約者間の不公平感が少なく、特に車を持っているけどそんなに乗らないという人には有利になっています。
予想年間走行距離は以下の7区分で、契約の時点で年間の走行距離を予想して自身で決めます。
- 3,000km以下
- 5,000km以下
- 7,000km以下
- 9,000km以下
- 11,000km以下
- 16,000km以下
- 無制限
仮に契約時において申告した距離よりも実際に走行した距離が少なかった場合は、その差が1,000km以上なら保険料の差額が翌年の契約で割り引かれます。
また、逆に申告した距離よりも多く走ってしまった場合は差額を支払うことで補償される(1年目)ので「今年はあと300kmしか走れない」のような不自由さはありません。2年目以降なら「こえても安心サービス」を利用することもできます。
契約時に長めの距離で申告しておくか短めの距離で申告しておくか迷うかもしれませんが、翌年以降は他の保険会社にするかもしれないのであれば、短めに申告して差額を支払うほうが有利でしょう。
リスク細分型は保険料の不公平感がより少ないです。
事故が起きたとき、セコムの緊急対処員が現場にかけつけてくれる
ソニー損保は事故対応に力を入れています。
筆者は交通事故の被害者となった経験がありますが、事故が起きたときの加害者とのやりとりは通常、自分で行わなければなりません。
警察がしてくれるのはあくまで事故の実況見分だけです。それが終わると警察官から相手方との連絡先の交換をうながされますが、警察官は間に入ってやりとりをサポートしてくれるわけではありません。
そのため、交通事故を過去に起こした経験のない人なら不安に感じる可能性が高いです。
しかしソニー損保では警備会社のセコムと提携し、交通事故が起きたときはセコムの緊急対処員が現場にかけつけてくれます。そして事故の現場を記録したり、レッカーの手配などを行ってくれたりします。
交通事故が起きたときは冷静な判断をすることが難しいです。そのため現場に人がかけつけてくれるのはありがたいです。
ケガ人がいる場合の救急車の手配はもちろん自分でやらないとダメです!
またソニー損保のコールセンターに連絡すれば、オペレーターが事故の相手と直接、話してくれます。
こうしたサービスがあるので、交通事故を起こした経験はないものの、何となく事故が起きたときのことが不安だという人にはおすすめです。これらがすべて無料で利用できます。
ドライブレコーダーの映像を積極活用
交通事故の現場では、加害者は自分にとって不利なことは言わないものです。それだけでなく、加害者というのは多かれ少なかれウソをつく傾向があります(筆者の実体験から)。
過失割合の算定をするときに不当な割合をおしつけられないようにするため、ドライブレコーダーをぜひつけておきましょう。
ソニー損保では契約者がドライブレコーダーをつけていて事故の映像が残っている場合、その映像を積極的に利用しています。
映像の提出は義務ではないので、提出しないほうが良いのではと考えるなら提出しないこともできます。
ただ仮に自分にとって不利な映像が写っていても、余計なことを言えば保険会社は相手に支払う損害賠償金が高くなるはずです。そのような場合は映像を使用せずに相手方と交渉するものと考えられます。
ドライブレコーダーを選ぶにあたっては以下の記事がよくまとまっているので、参考にすると良いでしょう。
参考:ドライブレコーダーの選び方|価格.com
ロードサービスが充実
ソニー損保はロードサービスも充実しています。拠点数は全国に約9700箇所で(2019年1月現在)、保険会社の中では多い方に入ります。具体的なサービスは以下のとおりです。
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- レッカーサポート
交通事故や故障が原因で自力走行ができなくなったときに、修理工場等までレッカー車でけん引してくれるサービスです。ソニー損保の指定工場までなら無制限、契約者の指定する工場なら150kmまで無料です。
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- 応急作業サポート
バッテリー上がり、キーとじ込み、ガス欠などのトラブルが起きたときに作業員が駆けつけてくれるサービスです。これがあればJAFなどのサポート専門サービスに加入しなくても大丈夫でしょう。
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- 宿泊費用サポート
交通事故や故障が原因で自力走行ができなくなり、当日中の帰宅や移動が困難になったとき、1泊分の宿泊費用が支払われるサービスです。
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- ペット宿泊費用サポート
交通事故や故障が原因で自力走行ができなくなり、当日中の帰宅や移動が困難になったとき、ペットを預けていた場合やペットを連れて外出していた場合にかかるホテル代などの費用が最大1万円まで支払われます。
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- 帰宅費用サポート
交通事故や故障が原因で自力走行ができなくなったとき、現場から自宅または目的地までの交通費を負担してくれるサービスです。
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- レンタカー費用サポート
交通事故や故障が原因で自力走行ができなくなったとき、現場から自宅または目的地までレンタカーを利用した場合の費用を支払ってくれるサービスです。
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- 修理搬送サポート
交通事故や故障が原因で修理に出した車を自宅まで搬送してくれるサービスです。距離の制限はなく何回でも利用が可能です。
休日になると遠出をすることが多いなら拠点数は多い方が良いでしょうし、万が一のときの宿泊費用や帰宅費用のサポートはありがたいかもしれません。
反対に日常生活の足として利用する程度であれば、レッカーサポートが無制限となる距離はそれほど長くなくても問題ないでしょう。他社と比較することを想定し、自身にとって本当に必要なものは何かということをよく考えておいてください。
ただし、これらはオプションではありませんので不要なものを外すことができるわけではありません。
ロードサービスは、自分が本当に必要なものは何かという視点で1つ1つ考えてみましょう。
ありのままの口コミを公開
ソニー損保では契約者の口コミ体験談を公開しています。2019年1月現在で10万件弱の口コミがあり、内訳は以下のようになっています。
「とても満足」を選んだ人は約72%、「満足」を選んだ人は約22%で合計すると約94%です。
企業がホームページで公開している口コミというのは、その企業にとって都合の良い口コミだというのが一般的な認識でしょう。
おそらくソニー損保はそのことをわかっていて、否定的な口コミを含めて圧倒的な数を公開することでその疑念をなるべく払拭したいと考えたのではないかと言えます。
不適切な操作の可能性がまったくないとは言いませんが、その可能性は低いと考えても良いでしょう。
ネット上にある一般的な口コミはあまりあてにならないので注意しましょう。
ソニー損保の自動車保険の特約について
ソニー損保の自動車保険で付加することができる特約は以下のとおりです。
弁護士特約
交通事故で被害者になったときでも、相手側の過失が100%のだと保険会社が示談を代行できません。そんなとき、弁護士に交渉を代行してもらうための特約です。これはぜひ付加しておきましょう。
個人賠償特約
個人賠償特約は、日常生活において他人にケガをさせたり他人の物を壊したりしたときに負う賠償責任を果たすための保険です。コストパフォーマンスがとても高い補償なので、これもぜひ付加しましょう。
ただしこの補償は火災保険など他の保険にもよく付加されている補償なので、重複していないかどうか確認してから付加するのがおすすめです。詳しくは以下の記事をご覧ください。
個人賠償責任補償は他の保険をしっかり確認し、重複しないように注意しましょう。
おりても特約
車で出かけた先で事故が起きてケガをしたり身の回り品に損害が生じたりしたときの補償です。これは必須の補償ではありませんので、必要と感じない人は付加する必要はないでしょう。
ファミリーバイク特約
記名被保険者とその家族が使用する原付バイクの保険です。原付バイクを家族が所有してるときは検討しましょう。
保険料の試算
ソニー損保ではホームページで保険料が試算できます。条件を設定して試算した結果を掲載しておきますので参考にしてください。
試算の条件
試算の条件は以下のとおりです。
・車を利用する人:記名被保険者と記名被保険者の配偶者の2名
・車種:トヨタ アクア (NHP10)新車
・使用目的:主に家庭用
・契約距離区分:5,000km以下
・記名被保険者の運転免許証の色:ゴールド以外
・車を運転する人の条件:記名被保険者とその配偶者に限定
・等級:6E等級(事故あり係数適用期間は0年)
・割引:インターネット割引(1万円)、証券不発行割引(500円)
・対人賠償保険、対物賠償保険:無制限
・人身傷害保険:車内のみ補償型、3,000万円
・搭乗者傷害保険:なし
・車両保険:なし
年齢による保険料の違い
20~60歳まで5歳刻みで保険料を試算してみました。やはり20代は高いですね。また、30歳を超えるとほとんど違いがないこともわかります。条件によって保険料はかなり違うので、自身の条件で試算してみてください(2019年1月5日の試算結果)。
年齢 | 保険料 | 年齢条件 |
20歳 | 201,670円 | 年齢を問わず補償 |
25歳 | 90,670円 | 21歳以上を補償 |
30歳 | 48,060円 | 26歳以上を補償 |
35歳 | 48,060円 | 30歳以上を補償 |
40歳 | 48,060円 | 同上 |
45歳 | 47,880円 | 同上 |
50歳 | 47,880円 | 同上 |
55歳 | 47,930円 | 同上 |
60歳 | 48,310円 | 同上 |
試算が面倒な場合は一括見積もりサイトもありますので利用しましょう。
走行距離による保険料の違い
走行距離ごとの保険料も試算しました。年齢は30歳です。こちらはおおむね距離に比例している印象です。
年間走行距離(km) | 保険料 |
3,000km | 44,810円 |
5,000km | 48,060円 |
7,000km | 50,870円 |
9,000km | 55,510円 |
11,000km | 58,430円 |
16,000km | 69,040円 |
無制限 | 72,690円 |
まとめ
事故対応が良いということを主張する保険会社は多いですが、ソニー損保のようにホームページで詳しく説明しているところはあまりなく、今ひとつ説得力がありません。
しかしソニー損保はかなり具体的に説明されているので、実際に事故が起きたときにどうなるかがイメージできます。万が一のときはすぐ連絡できるよう、連絡先の電話番号を携帯に登録しておけばあわてなくて済みます。
特に交通事故を経験したことがない人にとっては、現場に駆けつけてくれる人がいるというのはポイントが高いです。保険代理店で契約しても、事故のときに保険屋さんが現場に来てくれることはまずありません。
交通事故が起きたときが不安なら、こうしたサービスを行っているソニー損保のような保険会社を優先するのも良いでしょう。
緊急対処員が駆けつけてくれるサービスは他にもあるので、保険会社はいくつか比較して選ぶのがおすすめです。