チューリッヒ保険会社の自動車保険は、株式会社J.D.パワー社が行っている自動車保険の満足度調査(2017年)において、事故対応満足度で第1位です。
交通事故は頻繁に起こるものではありませんが、いざ起きたときにスムーズな対応が期待できるかどうかは大事なポイントですよね。
そこでこの記事ではチューリッヒの自動車保険について、事故対応を中心にそのメリットやデメリットを解説します。
Contents
チューリッヒの自動車保険は2種類ある
チューリッヒ保険会社が販売している自動車保険は「スーパー自動車保険」「ネット専用自動車保険」の2つがあります。まずこの点を知っておきましょう。
ネット専用自動車保険は申し込みがネットからしか行なえませんので、スーパー自動車保険と比べて保険料が安いです。ただしその分、補償内容でスーパー自動車保険よりも劣ります。
両者の詳しい違いについては後述しますので、まず両者に共通したチューリッヒの自動車保険のポイントについて解説します。
公式サイト:スーパー自動車保険|チューリッヒ保険会社
公式サイト:ネット専用自動車保険|チューリッヒ保険会社
チューリッヒの自動車保険のメリット・デメリット
自動車保険を選ぶときに見るべき保険料以外のポイントは、主に事故対応とロードサービスです。ここではこれらの点について解説します。
事故対応満足度95.9%は本当か?
チューリッヒのホームページには、契約者の事故対応満足度が95.9%であると記載されています。
ただしこれは自社調査であり、他の大手損害保険会社3社から切り替えた契約者に対してのみ行ったアンケートなので恣意的な操作があると言えなくもありません。
こうした点を評価するには外部調査をみるのがおすすめです。
チューリッヒの自動車保険は、顧客満足度に関する調査やコンサルを専門とする株式会社J.D.パワーが行った2017年の調査において、事故対応満足度部門で1位になっています。
2018年には8位まで落ちましたが、それなりの対応は期待できるでしょう。
ホームページを見ると、事故対応の具体的な内容について以下のような点が書かれています。
- 24時間365日の事故受付
- 事故受付した当日に初期対応
- スタッフ訪問サポート(相手方が入院・死亡するような事故の場合に契約者のところを訪問してケアするもの)
- 人身事故・物損事故スペシャリストによる示談交渉サービス
しかし、こうしたサービスはもはやごく当たり前です。
ちなみにソニー損保やセゾン自動車火災保険では事故現場に事故対処員や警備員を派遣するサービスも行っており、事故対応はどんどん進化しています。
そのためチューリッヒの自動車保険は事故対応において目新しさがないというのが正直なところです。
ロードサービスの充実度はどう?
チューリッヒのロードサービスにおける拠点数は全国約9500カ所で、他の保険会社と比較しても遜色ありません(最も多い保険会社で約1万3000カ所程度)。
具体的には以下のサービスを行っています。
- レッカー100kmまで無料
- ガス欠時、10リットルまで無料で給油
- バッテリー上がりの対応が無料
- レンタカーが24時間まで無料
- 修理後の車両搬送費が無料
- 旅行キャンセル費が最大5万円まで補償
- ペットサポート
こちらもざっと見る限りは一般的な水準です。
ただしチューリッヒのロードサービスでは交通事故や故障により自走が不可能になったときの帰宅費用や宿泊費用が上限なく補償される点と、ホテルや飛行機などのキャンセル代を負担してくれるところが他社より優れたメリットです。
必要なサービスは個人差があります。たとえばペットを飼っていない人にとってペットサービスは不要です。単にサービスが充実しているから良いと考えず、自身にとって必要なものが含まれているかどうかを確認しましょう。
「スーパー自動車保険」と「ネット専用自動車保険」はどう違う?
チューリッヒ保険会社の自動車保険は2種類あるので、どちらを選んだら良いか迷いますよね。そこで、ここでは両者の違いについて解説します。
補償内容の違い
スーパー自動車保険とネット専用自動車保険の違いは公式サイトに詳しく掲載されているので、詳細についてはそちらを確認してください。ここでは大事なポイントをピックアップして解説します。
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- ネット専用自動車保険には搭乗者傷害保険がない
一般的な自動車保険なら通常は搭乗者傷害保険がありますが、ネット専用自動車保険にはありません。
ただし搭乗者傷害保険は加入しない人も多いので、必要ないと考えるのであれば問題にならないでしょう。
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- ネット専用自動車保険には一部の特約が付加できない
ネット専用自動車保険には、スーパー自動車保険にある特約のうち車内身の回り品特約、代車提供特約、個人賠償責任特約、ファミリーケア特別見舞金特約、傷害特約がありません。
これらも必要なければどちらを選んでも良いでしょう。ただし、コストパフォーマンスが良い個人賠償責任特約を付加できないのが少し残念です。
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- ネット専用自動車保険はロードサービスが特約
ネット専用自動車保険はロードサービスが特約なので必要なければ付加しないことができます。もちろんその分、保険料は安くなります。
JAFなどの専門サービスに加入しているならロードサービスは不要という人もいるでしょうから、そうした場合にはありがたいメリットです。
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- 保険料の算出基準が違う
対比表を見ると、保険料を細分化する要素(車の使用目的や型式料率クラスなどのこと)が列挙されているのですが、ネット専用自動車保険にはスーパー自動車保険にはない「記名被保険者の性別」という要素があります。
つまり、ネット専用自動車保険のほうがよりリスクが細分化されているということです。ただし保険料にそれほど大きな影響を与えているとは考えにくいです。
-
- ネット専用自動車保険は割引の種類が少ない
スーパー自動車保険には新車割引、早期契約割引、エコカー割引、インターネット割引の4種類がありますが、ネット専用自動車保険は新車割引しかありません。
ただしネット専用という時点で◯◯割引のようなものがなくても基本的に安いというのが当然でしょう。そうでなければネット専用にした意味がありません。そのためあまり気にしなくても良いでしょう。
公式サイト:ネット専用自動車保険とスーパー自動車保険の違いについて
ネット専用自動車保険とスーパー自動車保険はどのくらい保険料が違う?
ネット専用自動車保険とスーパー自動車保険の保険料を、なるべく条件をそろえて比較してみました。条件は以下のとおりです。
- 補償の対象:記名被保険者とその配偶者
- 車種:トヨタ アクア NHP10(新車)※過去に乗っていた車はなし
- 免許証の色:ブルー
- 使用目的:日常・レジャー
- 対人賠償・対物賠償:無制限
- 対物超過特約:50万円
- 人身傷害保険:3000万円(車内のみ補償)
- 予想走行距離:5,000km以下
- 等級:6等級
- 証券不発行割引あり
- 車両保険:なし
- 居住地域:東京都
スーパー自動車保険は搭乗者傷害保険が外せないので、最低額である500万円の補償をつけて試算しています。また、ファミリーケア特別見舞金100万円の補償も外せないので、その分だけネット専用自動車保険よりも補償が厚くなっています。
試算した結果は以下のようになりました(単位:円)。
年齢 | スーパー自動車保険 | ネット専用自動車保険 |
25歳 | 182,120 | 55,420 |
30歳 | 51,810 | 26,410 |
35歳 | 32,180 | 26,970 |
40歳 | 32,900 | 27,240 |
45歳 | 33,430 | 27,300 |
50歳 | 33,530 | 27,270 |
25歳と30歳の保険料の差がかなり大きいですね。
ただしチューリッヒ自動車保険のホームページにはネット専用自動車保険がスーパー自動車保険よりも必ず安くなるわけではないと書かれているので、念のため両方を比較することをおすすめします。
保険料は条件によって違うので、面倒でも試算するのが大事です。
他の保険会社との比較
他の保険会社とも保険料を比較してみました。その結果は以下のとおりです(単位:円)。
チューリッヒ (スーパー) |
チューリッヒ (ネット専用) |
ソニー損保 | 東京海上 | SBI損保 | |
25歳 | 85,880 | 55,420 | 90,670 | 79,610 | 72,720 |
30歳 | 31,670 | 26,410 | 48,060 | 62,600 | 39,080 |
35歳 | 32,180 | 26,970 | 48,060 | 56,650 | 39,080 |
40歳 | 32,900 | 27,240 | 47,880 | 54,440 | 39,490 |
45歳 | 33,430 | 27,300 | 47,880 | 54,440 | 39,490 |
50歳 | 33,530 | 27,270 | 47,930 | 53,950 | 38,590 |
条件は厳密に同じではないのですが、かなり違いはありますよね。これを見るといかに比較することが大事かわかるでしょう。
まとめ
チューリッヒの自動車保険はJ.D.パワー社の事故対応満足度調査で1位を取ったこともある保険会社ですが、今ひとつ積極的に選ぶ理由が見つからないというのが正直なところです。
ただネット専用自動車保険は保険料が安いので、事故を起こさない自信がありとにかく最低限の任意保険にだけ加入できれば良いと考えている人なら有力な候補なるでしょう。
自動車保険を選ぶときはまず必要な補償を決め、その条件を満たす保険会社の保険料を比較して決めるのが基本です。自動車保険を選んだ経験が乏しいなら、この機会にぜひ多くの保険会社を比較してみてください。
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