新車で車を購入した場合は、急に車が全損して無くなってしまうと困るため、万が一のために車両保険を掛けておいた方がいいと言われています。
では、中古車を購入した場合は車両保険に加入すべきなのでしょうか。
結論から言うと購入の際にローンを組んで、支払いが残っている間は必要・それ以外は不要であると考えます。
しかしこれはあくまで経済的観点での話になります。「安心・安全を買いたい」という場合や「大事な愛車だから修理費はしっかり確保しておきたい」という場合は別です。
本ページでは「中古車を所有している人が車両保険に加入しておくべきかどうかについて」解説します。
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安い車は補償額の上限も安い
車両保険の補償額は車種ごとに設定された範囲の中から任意で選択します。その際に決めた上限額以上の保険金が支払われることはありません。
新車を購入した場合は、購入時と同じような金額の補償額が設定されます。高級車なら補償額も高く、安い車なら補償額も安くなります。
補償額は評価額で決まる
車両保険の補償額は「協定保険価額」と呼ばれる評価額によって決められます。評価額は保険会社が市場調査によって決めているものです。
市場価格によって決定されているわけではありませんが、1つの目安となっており、全保険会社が共通で「レッドブック」という同様の資料を参考にしています。そのため、どの保険会社でもほとんど同じ評価額が設定されます。
きちんと調査した市場価格に基づいて決められているので、50万円の車に100万円の評価額が付けられるようなことはまずありません。
評価額が50万円だと設定されれば補償額の上限は50万円。30万円だと設定されれば上限は30万円。このように「評価額」以上の補償金額を選ぶことはできません。
この評価額は毎年更新されていきます。中古車市場は基本的に1年ごとに価格が下がっていくため、補償額の上限も年々下がっていくことになります。
例えば200万円の車を新車購入した際は、オプション代などを考慮して補償額の上限は約230万ほどになります。しかし10年も経てばその車の価値は下がり、補償額の上限は50万円ほどになってしまいます。
中古車の評価額はだいたいその時に販売されている同等の中古車と同じくらいの価額となります。
100万円の車をローンで購入した場合
中古車でも比較的程度の良い車をローンで購入することはあると思います。
100万円の中古車をローンで購入した場合、万が一事故をして廃車状態になると「車はないが、ローンだけが残る」という状態になってしまいます。
例えば100万円の中古車を3年ローンで支払うと月々約3万円ほどの支払額となります。もし購入直後に大きな事故をして車がなくなってしまうと、車が無いのに月々3万円を支払うこととなります。
新たに車を購入するとなると、月々3万円の支払いに新しい車のローンが重なってローンが二重になってしまいます。場合によっては生活が苦しくなるといったことも考えられます。
もし全損等で廃車状態になった際に「新しく車を買う資金が無い」「再びローンを組まなければならないことが予想される」といった状態であれば、車両保険に加入して備えておくべきでしょう。
毎月数万円の負担を負う可能性があるのなら、年間数万円を支払って万が一の際に補償を受けられる状態にしておいた方が安心です。
ローンの支払いが終わったら外す
車のローンは3年から5年で契約する方が最も多いです。購入から3年から5年も経てば車の価値も下がっており、車両保険に加入するメリットはほとんどありません。
ローンが終わればもし廃車になっても二重にローンを組まなければならないことにはなりません。
このことから考えてもローンの支払いが終わったら車両保険は外すようにしておくといいでしょう。
50万の車を一括で購入した場合
中古車をローンではなく一括で購入した場合は車両保険に加入する必要性は無いと言えます。
一括購入をしているなら、万が一全損して新しい車を購入してもローンが二重になり生活が困ることはありません。
貯蓄があり、新たに車を購入する資金が用意できる場合も車両保険は不要です。
保険は原則、付ければ付けるほど損をするようになっています。そうしないと保険会社は潰れてしまいます。
「万が一全損をしたときに資金が用意できなくて困る」という場合以外は車両保険を掛けないほうがよいでしょう。
まとめ:中古車でもローンを掛けている間は加入を検討しよう
安い中古車の場合は、補償金も安いため車両保険をかけるよりも、貯蓄をして自分で修理費や新しい車の購入資金を用意しておいた方が良いでしょう。
しかし中古車でもローンを組んでいる場合や車の価格が高い場合は、車両保険を付けていたほうが万が一の際に安心できます。
- ローンが残っている
- 全損した場合、新しい車の購入資金が用意できない
- 全損した場合、ローンが2重になる可能性がある
以上の点いずれかに当てはまる場合は、車両保険を付けることを検討してみましょう。
車両保険をつけると高額な保険になることが多いため、1つの保険会社だけで考えると損をすることもあります。複数の保険会社で見積もりを取って検討するようにしましょう。